■ Raiders of the Seven Seas


製作年:1953、脚本:シドニー・サルコウ、監督:シドニー・サルコウ


■ あらすじのあらすじ

フランス海賊バルバロッサは捕らえた捕虜をスペインに売ろうとトルトゥーガにきた。総督不在のため、総督の娘アリダと交渉したが、交渉不成立。

捕らえられたが、逆にアリダを捕らえて脱出した。その後バルバロッサとアリダは親しくなる。

バルバロッサの部下レンゾはスペイン軍のサルセドに寝返った。その時にアリダも騙して連れて行った。バルバロッサはアリダが裏切ったと思い込む。

バルバロッサはハバナを攻撃するが、レンゾから情報が漏れており、不利な状況となる。

アリダは脱出してバルバロッサにサルセドの作戦情報を伝える。
 


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 バルバロッサ(ジョン・ペイン) フランスの海賊
 ペグレグ(ロン・チャニー・Jr.) バルバロッサの部下
 レンゾ・ペスカラ(アンソニー・カルーソ) バルバロッサの部下
 ダトゥー(Skip Torgerson) 少年、バルバロッサの部下

 トルトゥーガ総督(?)
 アリダ(ドナ・リード)トルトゥーガ総督の娘
 ハバナの総督(?)
 ホセ・サルセド(ジェラルド・モア) スペイン軍の司令官、アリダの婚約者
 ゴイティ船長(ヘンリー・ブランドン) ホセの部下

バルバロッサは実在の海賊だが、本作は単に名前を借りているだけ。
 


■ あらすじ

◆ スペイン人の捕虜を解放した

フランス人のバルバロッサはフランス人を捕虜にしている船に乗り込んだ。船長をやっつけて船を乗っ取り、捕らえられていたフランス人たちを解放した。

捕虜は船員になり、元の船員は捕虜となった。

スペインが支配しているトルトゥーガに行って捕虜を売り渡して金を儲けることを企む。

いったん補給のためにサントドミンゴに寄ってトルトゥーガに向かった。

◆ バルバロッサは捕らえられた

トルトゥーガに上陸してドン・デルガド船長とスペイン人の名前を名乗って、捕虜の売買を要求した。しかしまともな金額ではないので「総督に会わせろ」と要求。

宮殿に案内された。中で待っていると美女を見かけたので、ちょっと話しかけたが無視された。

さて総督のとの面会。現れたのは先ほどの美女、アリダ。「総督が不在なので代理」。

交渉するがアリダは強気。不成立となったが、バルバロッサは兵士に囲まれて捕らえられた。おまけに奴隷はタダで取られた。

◆ 今度はアリダを捕らえた

連行されて宮殿の外に出たところで、仲間に助けられた。

そしてスペイン軍に反撃して宮殿を占領。逆にアリダを捕らえた。ここでダトゥーという少年が仲間に加わる。ダトゥーは後ほど活躍する。

アリダを連れ去って船に戻り出港した。

◆ ハバナ

宮殿の中では「アリダが捕らえられたのでどうするか?」と話している。総督はヨボヨボ。ホセ・サルセドとゴイティ船長が対立している。ゴイティはサルセドの部下だが、いつも対立している。

そして重要なのはサルセドはアリダの婚約相手。サルセドは「軍隊を送る」と主張し、ゴイティは反対する。

けっきょく軍隊を送ることになる。注、だが、送られない。

◆ アリダの脱出は失敗する

トルトゥーガを出港した。バルバロッサたちは「サルセドが攻撃してくる」と話している。

アリダは一等航海士の部屋にいたのだが、バルバロッサと喧嘩したので船底の倉庫に入れられた。ここでも強気で「サルセドにやられるわよ」とバルバロッサを睨みつけている。

しかしアリダも賢い「こちらの情報をサルセドに届けて加勢した方が良い」と判断した。バルバロッサが入ってきた時に「強引な男も素敵だわ」と嘘っぱち。バルバロッサはもちろんニコニコで、バルバロッサの部屋に入ることになった。

船はウィンドワードベイに来た。注、どの島かは不明。

宴会が開かれた。歌や踊りなど。バルバロッサはアリダに「他の女性と踊っていいか?」と断った。バルバロッサは踊りに行った。

そのすきにアリダは宴会場から逃げ出した。しかし簡単に捕まって、アリダの偽装がばれてしまった。

◆ 交換交渉

ハバナの宮殿に背むし男が訪ねてきた。バルバロッサの代理だが、我々はバルバロッサが変装していることを知っている。

また例によってサルセドとゴイティはバルバロッサと交渉するかしないかでもめている。

サルセドが「バルバロッサはどんな男か?」と聞くので背むし男は「どんな女でも夢中になる」といい加減なことを答えた。

背むし男がサルセドを森の中に案内してきた。

背むし男「到着しました」サルセド「どこにいる」。馬に乗ってペグレグとアリダが来た。

サルセドは背むし男に「金貨はない」。アリダ「金貨を払ってちょうだい」。実はサルセドは金貨をバッグに入れて持ってきている。

ここで背むし男が変装を取った。バルバロッサが現れた。剣を抜いて戦う。なかなか勝負がつかない。

この間にアリダは靴で地面に字を書く。書き終わって(自分が書いた証拠として)服の袖を千切って置いた。

勝負はバルバロッサが勝った。サルセドは木にしばりつけられた。バルバロッサ、ペグレグ、アリダは立ち去った。サルセドが持って来た金貨も持って帰った。

この後にゴイティが来てサルセドを助けた。ゴイティはたっぷりと嫌味。

地面に書かれているアリダのメッセージを発見した。「ウィンドワードベイ」。

◆ ウィンドワードベイが襲われた

三人が戻ってきた。「ヤツといるより、ここの方がいいだろ」「金貨を狙ってたくせに」と依然として小競り合いをしている。しかしサルセドの金貨はもってきている。

ダトゥーから「スペインのガレオン船を二隻見つけた」との情報があり、攻撃に出かけた。ダトゥーは残って、アリダはバルバロッサについて行った。

しかしこれは罠。アリダが知らせた場所を狙うために囮のガレオン船を回したもの。

攻撃から戻ってきたら、ウィンドワードベイが襲撃されていた。多数の住民が殺されていた。ダトゥーもやられていて泣きながら報告した。

アリダは自分にも一端の責任があるのだが、その惨状に呆然とした。

その後、バルバロッサたちはスペイン船とスペイン領を攻撃しまくった。

◆ アリダが逃げた

船員たちと住民たちの間で数組の結婚式が行われた。バルバロッサはみんなの前に立って祝辞を述べた。

アリダはなぜかイライラしている。アリダは「みっともないわ」という。バルバロッサは「君よりはましだ。君はサルセドにお似合い」と言ってはいけない言葉を投げつけた。

アリダはバルバロッサの前でレンゾにこれ見よがしにキスをした。バルバロッサはレンゾを殴った。

これを見てペグレグはバルバロッサに「サルセドに金貨を返せ」と意見する。ペグレグが金を返しに行くことになる。

レンゾがアリダのテントを訪ねてきた。「ハバナに逃がしてやる。今すぐポートで」。アリダはその話に乗り、すぐにレンゾの仲間と出て行った。

その後ペグレグが殺されて発見された。バルバロッサはアリダがペグレグを殺して、さらに金貨を持って姿を消したと誤解する。

バルバロッサは「ハバナを攻撃する」と指示した。

補足。レンゾはこのタイミングでアリダを追いかけた。なので作戦内容を知っているいる。

以下は画面の通りに説明すると理解しにくいので、少し時間軸を無視して紹介する。

◆ バルバロッサの作戦

・ハバナの裏側に上陸する。
・空きになった船はノースベイに回しておく。
・陸路でハバナに迫ってハバナを守っている要塞を攻撃する。

◆ サルセドの作戦

サルセドとゴイティの関係。サルセドが上司だったがゴイティが上司になった。例によって二人は小競り合いをするが、結論としてサルセドがゴイティ配下の軍勢を借りて、スペイン側のほとんどの軍勢を指揮することになる。

レンゾからの情報でサルセドはバルバロッサの作戦内容を知っている。

・船でノースベイに回り、バルバロッサの船を殲滅する。
・上陸して背後からバルバロッサを攻撃する。

補足として大部分の兵力が作戦に投入されるのでハバナを守る兵力が少なくなる。

◆ 実際の戦闘展開

バルバロッサは上陸してハバナの要塞に迫る。激戦になるが、要塞の門を突破して中に攻め込む。

一方、サルセドはノースベイの船を沈めて、上陸して背後からバルバロッサに迫っている。

アリダはレンゾがサルセドのところに来て、バルバロッサの作戦内容を漏らしたことで、自分が利用されたことを知った。

アリダはサルセドが出兵した後、戦闘中の要塞に来てサルセドの作戦をバルバロッサに知らせる。

それを聞いて、要塞は制圧直前であるが、バルバロッサは急遽、作戦を変更してノースベイに向かう。アリダも一緒。

しかしサルセド軍が迫っており包囲されそうになる。

なんとか包囲を突破して、ボートに乗って沖に停泊しているサルセドの船に迫り、サルセドの船を占領する。サルセドの船は留守番だけなので、簡単に占領できる。

サルセドは事態に気が付く。バルバロッサは(サルセドの船から)サルセドを攻撃する。

◆ ラスト

海賊映画のラストは、リーダー同士の剣での戦いとなるのが普通だが本作は違う。サルセドはハバナの防衛を手薄にした廉で逮捕される。

当然ながらバルバロッサとアリダはハッピーエンドとなる。しかし(部下も含めて)バルバロッサは海賊を止めてアメリカの大陸に渡る。
 


■ 出演作

ジョン・ペイン
(1946)センチメンタル・ジャーニー/Sentimental Journey
(1946)剃刀の刃/The Razor's Edge
(1947)三十四丁目の奇跡/Miracle on 34th Street
(1950)大城塞/Tripoli (1950)
(1952)カリブの海賊/Caribbean
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(1939)太平洋の翼/海の荒鷲/Wings of the Navy
(1953)七つの海の狼/Pirates of the Seven Seas
(1955)デンヴァーへの道/The Road to Denver
(1946)目覚めと夢/Wake Up and Dream
(1953)南部魂は消えず、立ち向かう男/THE VANQUISHED
(1951)六人の脱獄囚/Passage West