■ City Streets
ナンは射的屋の興行師キッドと付き合っている。だがキッドに出世欲がないのが不満である。
ナンの父親ポップはビールの密造をしている。ポップは組織のボスを射殺した。行きがかりでナンが服役した。
それを見てキッドは組織に入った。だがナンは反省してキッドに組織を抜けるように説得した。
製作年:1931、監督:Rouben Mamoulian、脚本:Oliver H.P. Garrett、Max Marcin、原作:Dashiell Hammett
■ はじめに
登場人物(キャスト)
キッド(クーパー) 射的場の興行師
マッコイ(William Boyd) キッドの雇い主
ナン・クーリー(シルヴィア・シドニー) キッドの恋人
ポップ・クーリー(Guy Kibbee) ナンの父親、組織の幹部
ブラッキー(Stanley Fields) 組織のボス
ビッグ・フェラ・マスカル(ポール・ルーカス) 組織の幹部
アギー(Wynne Gibson) ビッグ・フェラの女
パンジー(ベティ・シンクレア)
警部(Robert Homans)
「ナン」と言うのは愛称で本名は「ナンシー」かと思われる。本作は今まで私が紹介した映画の中では一番古い映画である。それにしては、画像は鮮明。
■ あらすじ
◆ キッドとナン
キッドは射的場の興行師をやっていた。射撃の腕前は一流である。
そしてナンという恋人がいた。
もちろんのこと、ナンはキッドにぞっこんなのだが、少々不満がある。
それはキッドに向上意欲・出世意欲がないことである。
キッドをせっつくがキッドは「今のままでよい」ようなことを言って受け流す。
◆ ビールの密造組織
ナンがキッドに勧める仕事の一つは、父親のポップ・クーリーがやっているビールの密造である。ありていに言えば違法行為である。
組織のボスはブラッキーという人物。ポップは幹部で、もう一人ビッグ・フェラ・マスカルという幹部がいる。
組織と言っても一枚岩ではない。いろいろともめ事がある。
ビッグ・フェラの女アギーをブラッキーが奪ったというようなトラブルもある。
◆ ナンは刑務所に
ポップとブラッキーの間にも勢力争いがある。ポップはビッグ・フェラと謀ったうえでブラッキーを射殺した。
ホップは使った拳銃をナンに渡して「川に捨てろ」と指示した。
だがナンは拳銃を捨てずに持っていた。
結果、ナンが疑われた。
ナンは組織の「有罪にはならない」との組織の言葉を信じた。
しかしナンは刑務所送りとなった。
◆ ナンは出所した
キッドがナンに面会に来た。キッドは立派な服装をしていた。実はポップの誘いを受けて密造組織の一員となっていた。
そして逆にナンの方は組織にいたことを反省した。一つは、同房の女性のボーイフレンドが仲間から射殺されるのを聞いたからである。
ナンは組織から離れるように言ったが、キッドは拒否した。
ナンは刑期を終えた。注、ずいぶんと早く終えるんだな。
◆ ビッグ・フェラはナンを
ナンが出所してもハッピーエンドとはならない。
ポップがパンジーというルーズで金食い虫の女と関係を持っている。自分の娘なのにナンに対しても申し訳ないと思っている雰囲気がない。
補足。なぜか、このあたりを最後にホップは登場しない。
次にビッグ・フェラがナンに興味を持ち、出所パーティを開き、一晩中ナンを掴まえて自分の女にしようとする。
アギーは不満をぶちまける。
キッドが抗議すると、ビッグ・フェラはある凶悪犯を殺しに行けと命令する。
◆ ビッグ・フェラは殺された
キッドは相手を殺さずに武装解除した。
だが、それを知らないナンはキッドを守ろうとして、バッグに拳銃を入れてビッグ・フェラを訪ねて行って「あなたの女になる」と嘘。
だが早々に拳銃を奪われてベッドに連れ込まれた。拳銃はソファの上。
それを見たアギーは嫉妬に狂い、ソファの上の拳銃でビッグ・フェラを射殺。拳銃をその場に捨てて逃亡した。
疑われたのはナンである。
◆ 二人は捕らえられた
ボスがいなくなった。キッドは「今度は俺が取り仕切る」と宣言する。手下たちは嫌々ながら同意する。
キッドとナンは車に乗った。だが不満を持ったビッグ・フェラの手下三人が後席に乗り込んできて拳銃を突き付けた。
キッドは車を発車させた。
車は郊外に行く。次第にスピードを上げていく。
◆ 峠の道
峠に差し掛かった。さらにスピードアップ。
手下たちは怖がってスピードを落とすようにいう。するとさらにスピードアップした。
峠の頂上に差し掛かり、これからは下り坂。さらにアクセルを踏んだ。
手下たちは恐怖に震え始めた。
ここでナンが振り向いて拳銃を向けた。
しばらく睨み合いが続いたが、ついに手下たちは拳銃を窓の外に投げた。
◆ 二人は新しい生活へ
キッドを車を止めて手下たちを下ろした。「ビール屋は辞めた。組織はお前たちにやる」。
キッドとナンは笑いながら車を走らせた。
新しい生活の始まりである。
■ 出演作
◆ ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1935)オペラハット/Mr. Deeds Goes to Town
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1950)燃えつきた欲望/Bright Leaf
(1936)真珠の首飾り/Desire