マーラーは金を採掘しようと夫と一緒にモンタナ州スカルクリークに来たが、途中強盗に襲われて夫が死亡し、自分も負傷した。
当地に来たばかりのフレイル医師の治療を受けた。回復して二人を雇って金を探した。一人のプランテは執拗にマーラーに迫った。
やっと金を発見して掘り出した。プランテはマーラーに襲い掛かった。それをフレイルが阻止して、プランテは死亡した。
フレイルに敵意を持つグラブ医師は住民を扇動してフレイルを縛り首にしようとした。マーラーは掘り出した金と金鉱の権利を放棄してフレイルを助けた。
製作年:1959、監督:Delmer Daves、脚本:Wendell Mayes、Halsted Welles、原作:The Hanging Tree(1957、Dorothy M. Johnson)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ジョセフ・フレイル(ゲイリー・クーパー) 医師
ルーン(ベン・ピアッツァ)
フレンチー・プランテ(カール・マルデン)
エリザベス・マーラー(マリア・シェル)
グラブ医師(ジョージ・C・スコット)
(ゲイリー・クーパーは有名男優だが)本作の主人公はエリザベス・マーラーである。
■ あらすじ
◆ フレイルはモンタナに
医師のジョセフ・フレイルは医院を開こうと、モンタナ州スカルクリークに来た。彼は普通の医師とは違って、賭博師でもあり、また常に拳銃を腰につけている。
スカルクリークには金を発掘しようとする人々が集まっており、商売に都合がよいかと考えたためである。
途中の町に近い山道で、太い枝にロープが掛けられているところを通った。縛り首の処刑が行われたことを示していた。
◆ ルーンを助手に
ルーンは水門から水の中に沈殿している金(キン)を盗もうとした。
彼はフレンチー・プランテから追いかけられて岩山に逃げてきた。
絶壁から落ちそうになっているところをフレイルに助けられた。
町についてフレイルはルーンを治療し、恩を着せて自分の助手とした。
一方、以前からいるグラブ医師は客を奪われるのではとフレイルを警戒した。
◆ 駅馬車は襲撃された
町に向かっている駅馬車があった。だが強盗に襲われて逃亡したが、馬と結びつけている金具が壊れて、馬車は横転した。
馬車は崖を転げ落ちた。生存者はエリザベス・マーラーという女性一人。スイス人で、夫と一緒に金鉱を探そうと当地に来た。夫は死亡してしまった。
マーラーは数日の間、体を動かすことができないまま、灼熱の太陽に晒された。
捜索隊の一人のプランテはマーラーを助けて、町に連れて行った。
火傷、脱水状態のマーラーはフレイルの医院の隣の小屋に運び込まれた。
◆ マーラーはフレイルの治療を受けた
フレイルはマーラーが強い日光で目をやられていることを心配した。包帯を巻いて休ませた。
他の傷と併せて辛抱強く治療を施した。具体的な作業をルーンに指示した。
一方、プランテはマーラーに引きつけられたのか、しばしばマーラーを訪ねてきた。
マーラーはベッドから起き上がれるようになったが、目の包帯はまだ取ることができない。
◆ マーラーの目が回復した
やっと目の包帯をとることになった。フレイルが包帯を取る。
はっきりとは見ることができない。だが目が慣れてくると次第に風景がはっきりと見えてきた。どうやら問題はないようである。
すでに夫をなくしているマーラーは、必然的な展開として、フレイルに好意を寄せた。
だが、フレイルはそれに答えない。辛い過去があるからである。
◆ 金の掘削を始めた
恢復したマーラーは、当地にきた本来の目的、金の採掘に取り掛かる。
元々持って来た金(かね)は転落した時になくなっていた。マーラーは「家宝のネックレス」を売って金(かね)を手に入れた。
採掘権を取得してプランテとルーンを雇って、当たりをつけたところを掘っていく。
◆ フレイルの過去
実はマーラーのネックレス実は価値のないものだったのだが、フレイルが業者に一言添えたという裏話があった。
それを掴んだマーラーは「なぜ自分に好意に答えなかったのか?」と迫った。
フレイルは次のような過去を明かした。
妻と自分の弟が抱き合った状態で死んでいた。二人は不倫関係にあった。フレイルは家に火をつけて全焼させた。
◆ 金を発見した
採掘現場にテントを張って作業をした。だが作業はなかなか成果が上がらなかった。
そしてプランテは機会あるごとにマーラーに迫り、マーラーが拒否するということが繰り返された。
ある大雨の夜、大木が倒れた。ルーンは露出した大木の根元に金があるのを発見した。かなりの量である。
三人は雨の中、金を袋に詰め込んだ。
◆ グラブ医師が放火した
頭が狂ったプランテは、町に行って酒場でみんなにウイスキーを無制限に振舞った。
たちまち町は大騒ぎとなった。
そこを狙ってグラブ医師と一味が火を放った。人々は発生した火災の始末に追われた。
◆ プランテはマーラーに迫って死亡した
その騒ぎの中。プランテはマーラーの家に行った。今日こそマーラーを自分のものにしようと迫った。マーラーは必死に逃げ回った。
この事態に気がついたフレイルが飛び込んできた。プランテは拳銃を抜いて撃ったが当たらない。
逆にフレイルは逃げたプランテを追いかけて崖に追い詰めた。プランテは絶壁から転落して死亡した。
◆ フレイルは首吊りに
「競争相手」を排除する好機と見たグラブは、町の人々を扇動した。
フレイルは捕らえられ縛られて縛り首の木の下まで連れてこられて、ローブが首に巻かれて、木の枝にかけられた。
今にも刑を執行しようと、人々は興奮した。
マーラーとルーンが駆けつけた。持って来た金(キン)の袋と採掘権利証を掲げて「フレイルを助けるように」と訴えた。これらを人々に譲るつもりである。
たちまち状況は逆転し、人々は駆け寄った。人々は歓喜に溺れた。
◆ フレイルとマーラーはハッピーエンド
ルーンはフレイルのロープを外した。
マーラーは、この場から立ち去ろうと背を向けた。
フレイルはマーラーを手を広げて呼び止めた。マーラーは駆け寄って、二人は抱き合った。
■ 出演作
◆ ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1935)オペラハット/Mr. Deeds Goes to Town
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1950)燃えつきた欲望/Bright Leaf
(1936)真珠の首飾り/Desire
(1931)ビール密造組織:市街/City Streets
(1936)平原児/The Plainsman
(1932)悪魔と深海/Devil and the Deep
(1953)吹き荒ぶ風/Blowing Wild