源氏イラスト訳【若紫345】逡巡 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫345】逡巡

君、「いかにせまし。聞こえありて、好きがましきやうなるべきこと。人のほどだに、ものを思ひ知り、女の心交はしけることと、推し測られぬべくは、世の常なり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

、「いかにまし

訳)源氏の君は、「どうようかしら

 

 

聞こえあり好きがましきやうなるべきこと。

訳)が広がっ好色めいたように思われるに違いない事よ。

 

 

人のほどだにもの思ひ知り、女心交はしけること

訳)せめて人並み程度物事分別がつき、女情を交わしことだ

 

 

推し測らべくは、世の常なり

訳)自然と想像さてしまうに違いないのは、世間一般の事である

 

 

【古文】

、「いかにまし聞こえあり好きがましきやうなるべきこと。人のほどだにもの思ひ知り、女心交はしけること推し測らべくは、世の常なり

 

【訳】

源氏の君は、「どうようかしらが広がっ好色めいたように思われるに違いない事よ。せめて人並み程度物事分別がつき、女情を交わしことだ自然と想像さてしまうに違いないのは、世間一般の事である

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【君】…源氏の君

■【いかに】…どのように

■【せ】…サ変動詞「す」未然形

■【まし】…ためらいの意志の助動詞「まし」連体形

■【聞こえ】…噂・評判

■【あり】…ラ変動詞「あり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【好きがましき】…シク活用形容詞「好きがまし」連体形

※【好きがまし】…好色めいている

■【やうなる】…比況の助動詞「やうなり」連体形

■【べき】…推量の助動詞「べし」連体形

■【人のほど】…人並み程度

※【の】…連体修飾格の格助詞

※【ほど】…年齢

■【だに】…せめて~だけでも最低限の希望の副助詞

■【もの】…物事

■【を】…対象の格助詞

■【思ひ知る】…分別がつく

■【の】…主格の格助詞

■【心交はす】…情を交わす

■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【推し測ら】…ラ行四段動詞「推し測る」未然形

※【推(お)し測(はか)る】…想像する

■【れ】…自発の助動詞「る」連用形

■【ぬ】…強意の助動詞「ぬ」終止形

■【べく】…推量の助動詞「べし」連用形

■【は】…取り立ての係助詞

■【世の常】…世間でよくある事

■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「人のほど」というのは、諸説あって、

ちょっと分かりにくいですね。

 

ここでは、光源氏の心中会話文として、

他の人々が、どんな噂をするだろう、と逡巡している内容として、

 

 

「若紫が人並み程度の女性で、女としての情を交わしたことだ」と

世間の人が想像するだろう、という解釈をしました。

 

「ほど」は、「年齢」の訳でもよさそうですね。

 

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