源氏イラスト訳【若紫344】指示
「暁、かしこにものせむ。車の装束さながら。随身一人二人仰せおきたれ」とのたまふ。うけたまはりて立ちぬ。
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【源氏物語イラスト訳】
「暁、かしこにものせむ。
訳)「夜明け前に、あちらに行こう。
車の装束さながら。
訳)牛車の支度はそのままに。
随身一人二人仰せおきたれ」とのたまふ。
訳)従者一、二名に言い付けておけ」とおっしゃる。
うけたまはりて立ちぬ。
訳)承知して席を立った。
【古文】
「暁、かしこにものせむ。車の装束さながら。随身一人二人仰せおきたれ」とのたまふ。うけたまはりて立ちぬ。
【訳】
「夜明け前に、あちらに行こう。牛車の支度はそのままに。従者一、二名に言い付けておけ」とおっしゃる。承知して席を立った。
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■【暁(あかつき)】…夜明け前
■【かしこ】…あちら。若紫の邸をさす
■【に】…場所の格助詞
■【ものせ】…サ変動詞「ものす」未然形
※【ものす】…ここでは、行くの意(代動詞)
■【む】…意志の助動詞「む」終止形
■【車】…牛車
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【装束(さうぞく)】…支度
■【さながら】…そのまま
■【随身(ずいじん)】…従者
■【仰せおき】…カ行四段動詞「仰せ置く」連用形
※【仰す】…言いつける。命じる
※【言ひ置く】…言い置く。言いつける
■【たれ】…完了(存続)の助動詞「たり」命令形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)
■【うけたまはり】…ラ行四段動詞「承る」連用形
※【承る】…「聞く・受く」の謙譲語(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【立ち】…タ行四段動詞「立つ」連用形
■【ぬ】…完了の助動詞「ぬ」終止形
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光源氏は、若紫を盗み出すと決めたら
てきぱいと指示を出します。
惟光は、しっかりと指示に従って行動します。