源氏イラスト訳【若紫328】宿直人 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫328】宿直人

君の御もとよりは、惟光をたてまつれたまへり。

「参り来べきを、内裏より召あればなむ。心苦しう見たてまつりしも、しづ心なく」とて、宿直人たてまつれたまへり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

御もとよりは、惟光たてまつれたまへ

訳)源氏の君お邸からは、惟光お差し向けなさっ

 

 

参り来べきを、内裏よりあれなむ

訳)「私自身が参上するべきだが、宮中からお召しあるので…。

 

 

心苦しうたてまつりしづ心なく

訳)気の毒に いたしこと心穏やかなく…」

 

 

とて宿直人たてまつれたまへ

訳)伝え宿直人差し向けなさっ

 

【古文】

御もとよりは、惟光たてまつれたまへ

参り来べきを、内裏よりあれなむ心苦しうたてまつりしづ心なくとて宿直人たてまつれたまへ

 

【訳】

源氏の君お邸からは、惟光お差し向けなさっ

「私自身が参上するべきだが、宮中からお召しあるので…。気の毒に いたしこと心穏やかなく…」伝え宿直人差し向けなさっ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【君】…源氏の君

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【御もと】…お屋敷

■【より】…起点の格助詞

■【は】…取り立ての係助詞

■【惟光(これみつ)】…光源氏の腹心の従者

■【を】…対象の格助詞

■【たてまつれ】…ラ行下二段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…「遣る」の謙譲語(作者⇒若紫)

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【り】…完了の助動詞「り」終止形

■【参り来(まいりく)】…「来」の謙譲語(光源氏⇒若紫)

■【べき】…当然の助動詞「べし」連体形

■【を】…逆接の接続助詞

■【内裏(うち)】…宮中。帝

■【より】…起点の格助詞

■【召(めし)】…お召し。お呼びがかかっていること

■【あれ】…ラ変動詞「あり」已然形

■【ば】…順接確定条件(原因・理由)の接続助詞

■【なむ】…強意の係助詞

■【心苦しう】…シク活用形容詞「心苦し」連用形ウ音便

※【心苦し】…気の毒だ

■【見たてまつる】…拝見する

※【見】…マ行上一段動詞「見る」連用形

※【たてまつり】…ラ行四段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…謙譲の補助動詞(光源氏⇒若紫)

■【し】…過去の助動詞「き」連体形

■【も】…強意の係助詞

■【しづ心なく】…心穏やかではなく

※【しづ心】…落ち着いた気持ち

※【なく】…ク活用形容詞「無し」連用形

■【とて】…~と言って。と伝えて

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【宿直人(とのゐびと)】…宿直する人。ここでは、惟光のこと

■【たてまつれ】…ラ行下二段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…「遣る」の謙譲語(作者⇒若紫)

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【り】…完了の助動詞「り」終止形

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「宿直人」とは、惟光のことです。

 

 

 

自分が宮中に出仕しなければならないので、

惟光をさし向けたのですね。

 

 

ところで、

「たてまつる」という謙譲語は、

今回は、四段活用、下二段活用の両方で出て来ています。

 

補助動詞の場合は、四段活用。

 

「遣る」の謙譲語の場合は、下二段活用。

 

…と、紫式部は使い分けているようですね。

びっくりびっくりびっくり

 


 

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