源氏イラスト訳【若紫329】三日夜 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫329】三日夜

「あぢきなうもあるかな。戯れにても、もののはじめに、この御ことよ」
「宮、聞こし召しつけば、さぶらふ人びとの、おろかなるにぞさいなまむ」

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

あぢきなうあるかな

訳)苦々しいことだわ

 

 

戯れもののはじめこの御こと

訳)遊び事であっことの出だしからしてこのようななさり方とは

 

 

聞こし召しつけ

訳)父宮さまが、聞きつけなさっなら

 

 

さぶらふ人びとおろかなるさいなま

訳)お仕えする私たち愚かだいうことで叱られるだろう

 

 

【古文】

あぢきなうあるかな戯れもののはじめこの御こと
聞こし召しつけさぶらふ人びとおろかなるさいなま

 

【訳】

苦々しいことだわ遊び事であっことの出だしからしてこのようななさり方とは
父宮さまが、聞きつけなさっならお仕えする私たち愚かだいうことで叱られるだろう

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【あぢきなう】…ク活用形容詞「あぢきなし」連用形ウ音便

※【あぢきなし】…どうしようもない。にがにがしい

■【も】…強意の係助詞

■【ある】…ラ変動詞「あり」連体形

■【かな】…詠嘆の終助詞

■【戯(たはぶ)れ】…遊び事。冗談

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【も】…強意の係助詞

■【もののはじめ】…ことの出だし。ここでは若紫との結婚の始まりをさす

■【に】…対象の格助詞

■【この】…指示連体詞

■【御こと】…お仕打ち。なさり方。ここでは、光源氏の若紫への扱い方をさす

■【よ】…詠嘆の間投助詞

■【宮】…若紫の父、兵部郷宮をさす

■【聞こし召しつけば】…聞きつけなされば

※【聞こし召す】…「聞く」の尊敬(女房⇒兵部郷宮)

※【つけ】…カ行下二段動詞「つく」未然形

※【聞きつく】…聞きつける

※【ば】…順接仮定条件の接続助詞

■【さぶらふ】…「仕ふ」の謙譲(女房⇒若紫)

■【人びと】…女房たち。ここでは自分たちのことをさす

■【の】…主格の格助詞

■【おろかなる】…ナリ活用形容動詞「おろかなり」連体形

※【おろかなり】…愚かだ。落ち度がある

■【に】…原因・理由の格助詞

■【ぞ】…強意の係助詞

■【さいなま】…マ行四段動詞「さいなむ」未然形

※【さいなむ】…責め立てる。しかる

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

若紫と光源氏が、一晩過ごした次の日に、

光源氏はやって来ず、

惟光が、「宿直人」として参上しました。

 

 

 

当時は「三日夜」ということで、

男は女と初めて契りを結んだあと、

相手のもとに三日続けて通うのが礼儀です。

 

 

たとえ、幼い若紫とのことだから、

戯れであるとはいっても、

 

 

次の夜に放っておかれる、なんてことは、

女性の家からしたら、屈辱以外の何ものでもないのでしょう。

 

 

そこで、女房たちが、

いろいろと愚痴を言い合っている場面です。

 

えームキーショボーン

 


 

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