源氏イラスト訳【若紫326】幼心地
幼き御心地なれど、胸つとふたがりて、例のやうにも遊びたまはず。
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【源氏物語イラスト訳】
幼き御心地なれど、
訳)幼いお心であるけれど、
胸つとふたがりて、
訳)胸がきゅっとふさがって、
例のやうにも遊びたまはず。
訳)いつものようにも遊びなさらない。
【古文】
幼き御心地なれど、胸つとふたがりて、例のやうにも遊びたまはず。
【訳】
幼いお心であるけれど、胸がきゅっとふさがって、いつものようにも遊びなさらない。
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■【幼き】…ク活用形容詞「幼し」連体形
■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒若紫)
■【心地(ここち)】…心。気持ち
■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
■【つと】…急に。さっと。きゅっと
■【ふたがり】…ラ行四段動詞「ふたがる」連用形
※【ふたがる】…ふさがる
■【て】…単純接続の接続助詞
■【例の】…いつもの
■【やうに】…比況の助動詞「やうなり」連用形
■【も】…強意の係助詞
■【遊び】…バ行四段動詞「遊ぶ」連用形
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒若紫)
■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形
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☆本日の『源氏物語』☆
「幼き御心地」とあることから、
だれの気持ちであるかは、明らかですよね。
自分が、今後どうなる、とか、
そのような見通しは、幼いのでまったく考えられないけれど、
大切な人を亡くした悲しみに、
幼いながらも、うちひしがれているのです。