源氏イラスト訳【若紫318】心置く | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫318】心置く

「年ごろも、あつしく、さだ過ぎたまへる人に添ひたまへる。かしこにわたりて、見ならしたまへなど、ものせしを。…」

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

年ごろあつしくさだ過ぎたまへ添ひたまへ

訳)長い間病気が重く盛りの年齢過ぎなさっお年寄り寄り添いなさっていたこと。

 

 

かしこわたり見ならしたまへなど、ものせを。

訳)あちら移っお馴染みなさいなどと、言っていのに。

 

 

あやしう疎みたまひ心置くめり

訳)妙にそっけなくなさっ気兼ねしているようだので

 

【古文】

年ごろあつしくさだ過ぎたまへ添ひたまへかしこわたり見ならしたまへなど、ものせを。あやしう疎みたまひ心置くめり。…」

 

【訳】

長い間病気が重く盛りの年齢過ぎなさっお年寄り寄り添いなさっていたこと。あちら移っお馴染みなさいなどと、言っていのに。妙にそっけなくなさっ気兼ねしているようだので。…」

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【年ごろ】…長年の間

■【あつしく】…シク活用形容詞「あつし」連用形

※【あつし】…病気が重い

■【さだ】…盛りの年齢

■【過ぎ】…ガ行上二段動詞「過ぐ」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(兵部郷宮⇒故尼君)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形

■【に】…対象を表す格助詞

■【添ひ】…ハ行四段動詞「添ふ」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(兵部郷宮⇒故尼君)

■【る】…完了の助動詞「り」連体形(連体形止め)

■【かしこ】…あちら。兵部郷宮の自邸をさす

■【に】…場所の格助詞

■【渡り】…ラ行四段動詞「渡る」連用形

※【渡る】…行く。移る

■【て】…単純接続の接続助詞

■【見ならひ】…ハ行四段動詞「見ならふ」連用形

※【見ならふ】…見てなじむ

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」命令形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(兵部郷宮⇒若紫)

■【など】…引用の副助詞

■【ものせ】…サ変動詞「ものす」未然形

※【ものす】…代動詞。ここでは、言うくらいの意

■【し】…過去の助動詞「き」連体形

■【を】…逆接の接続助詞

■【あやしう】…シク活用形容詞「あやし」連用形ウ音便

※【あやし】…不思議だ。妙だ

■【疎(うと)み】…マ行四段動詞「疎む」連用形

※【疎む】…そっけなくする。疎んじる

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(兵部郷宮⇒若紫)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【人】…自邸の人。ここでは、正妻をさす

■【も】…添加の係助詞

■【心置く】…気兼ねする

■【めり】…推定の助動詞「めり」連用形

■【し】…過去の助動詞「き」連体形

■【を】…順接(逆接)の接続助詞

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

この長い、父兵部セリフを考えると、

若紫は、一度、兵部郷宮の自邸に引き取られていたようですね。

 

そこで、正妻との折が悪く

また、尼君のもとへ帰って来ていたのでしょう。

 

 

「心置く」という古語は、

現代の「気の置けないやつだ」などといった表現を想定すると、

どういう意味なのかがよく分かりますね。

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