源氏イラスト訳【若紫308】往生際
かひなくて、御供に声ある人して、歌はせたまふ。
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【源氏物語イラスト訳】
かひなくて、
訳)しかたなくて、
御供に声ある人して、
訳)お供の中で声の良い者を使って
歌はせたまふ。
訳)歌わせなさる。
【古文】
かひなくて、御供に声ある人して、歌はせたまふ。
【訳】
しかたなくて、お供の中で声の良い者を使って歌わせなさる。
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■【かひなく】…ク活用形容詞「かひなし」連用形
※【かひなし】…どうしようもない
■【て】…単純接続の接続助詞
■【御供】…光源氏のお供
■【に】…場所の格助詞
■【声あり】…声の良い。声量がある
■【して】…使役の対象の格助詞
■【歌は】…ハ行四段動詞「歌ふ」未然形
■【せ】…使役の助動詞「す」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
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☆本日の『源氏物語』☆
「声ある人」というのは、
お供のなかで、声量がある人、
声の良い人
ということでしょう。
光源氏が門をたたいたのは、
もう夜明け近くのはず。出てこないのは、
当たり前ですよね~~。
…なのに、
光源氏ったら、
往生際が悪いったら、ありゃしない。
こんな明けがたにたたき起こされる女の気持ちを
考えないのでしょうか…ね?