源氏イラスト訳【若紫309】朝ぼらけ
「朝ぼらけ霧立つ空のまよひにも行き過ぎがたき妹が門かな」
と、二返りばかり歌ひたるに、
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見るだけで楽に、古文の速読力が身についてきます。
【源氏物語イラスト訳】
「朝ぼらけ霧立つ空のまよひにも
訳)「しらじらと夜が明ける頃、霧が立ちこめる私の心のような乱れた空模様につけても
行き過ぎがたき妹が門かな」
訳)素通りし難い貴女の家の門であるなぁ」
と、二返りばかり歌ひたるに、
訳)と、二返ほど歌ったところ、
【古文】
「朝ぼらけ霧立つ空のまよひにも
行き過ぎがたき妹が門かな」
と、二返りばかり歌ひたるに、
【訳】
「しらじらと夜が明ける頃、霧が立ちこめる私の心のような乱れた空模様につけても
素通りし難い貴女の家の門であるなぁ」
と、二返ほど歌ったところ、
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■【朝ぼらけ】…しらじらと夜が明ける頃
■【立つ】…(霧が)立ちこめる
■【空のまよひ】…心の戸惑いを、霧が立ちこめる空模様に見立てている
■【にも】…~につけても
※【に】…対象の格助詞
※【も】…強意の係助詞
■【行き過ぎ】…ガ行上二段動詞「行き過ぐ」連用形
※【行き過ぐ】…通り過ぎる
■【がたき】…ク活用形容詞「がたし」連体形
※【―がたし】…~しがたい。できそうにない
■【妹(いも)】…貴女。愛しい恋人をさす
■【が】…連体修飾格の格助詞
■【門(かど)】…家の門
■【かな】…詠嘆の終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【二返り】…二返。二回
■【ばかり】…程度の副助詞
■【歌ひ】…ハ行四段動詞「歌ふ」連用形
■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形
■【に】…単純接続の接続助詞
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「声ある人」(声量のある人)をつかって、
二度も、朗唱させたようですね。
「朝ぼらけ」に、道を通るといったら、
どこかの女のところへ通った、後朝の道だと
女のほうにもわかったはず。。。