源氏イラスト訳【若紫258】幼鶴 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫258】幼鶴

またの日も、いとまめやかにとぶらひきこえたまふ。例の、小さくて、

「いはけなき鶴の一声聞きしより葦間になづむ舟ぞえならぬ…」

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見るだけで楽に、古文の速読力が身についてきます。

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【源氏物語イラスト訳】

 

またの日いとまめやかにとぶらひきこえたまふ

訳)翌日とても誠実なお見舞い手紙を差し上げなさる

 

 

例の小さく

訳)いつものように小さく結ん

 

 

いはけなき鶴の一声聞きより

訳)あどけない鶴のようなあの子の一声聞いから

 

 

葦間なづむなら

訳)葦の間停滞して行き悩むは思い通りになることができない。

 

 

【古文】

またの日いとまめやかにとぶらひきこえたまふ例の小さく

いはけなき鶴の一声聞きより葦間なづむなら

 

【訳】

翌日とても誠実なお見舞い手紙を差し上げなさるいつものように小さく結ん

あどけない鶴のようなあの子の一声聞いから
 葦の間停滞して行き悩むは思い通りになることができない。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【またの日】…翌日

■【も】…添加の係助詞

■【いと】…とても

■【まめやかに】…ナリ活用形容動詞「まめやかなり」連用形

※【まめやかなり】…まじめだ。誠実だ

■【とぶらひ】…見舞い

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒尼君)

■【たまふ】…ハ行四段動詞「たまふ」終止形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【て】…単純接続の接続助詞

■【帰り】…ラ行四段動詞「帰る」連用形

■【たまひ】…ハ行四段動詞「たまふ」連用形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【例の】…いつものように

■【小さく】…ク活用形容詞「小さし」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【いはけなき】…ク活用形容詞「いはけなし」連体形

※【いはけなし】…幼い。あどけない

■【鶴の一声】…鶴のような若紫の一声

■【聞き】…カ行四段動詞「聞く」連用形

■【し】…過去の助動詞「き」連体形

■【より】…起点の格助詞

■【葦間(あしま)】…葦草の間

■【に】…場所の格助詞

■【なづむ】…行き悩む。停滞する

■【舟】…船。光源氏の見立て

■【ぞ】…強意の係助詞

■【え~(打消)】…~できない

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

 

重要古語一覧はこちら

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☆本日の『源氏物語』☆

 

尼君への、光源氏からのお見舞いの手紙。

 

「例の」とあるので、

光源氏は、いつも、お見舞いのついでに

若紫に、恋文の和歌を贈っていたのでしょう。

 

わざと幼く書きなして、あどけない彼女にも興味を持ってもらえるよう

工夫しているみたいですね。

 

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