源氏イラスト訳【若紫246】不明
「…悩ませたまふこと、重くとも、うけたまはらざりけるおぼつかなさ」など聞こえたまふ。
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【源氏物語イラスト訳】
「…悩ませたまふこと、
訳)「…病気でいらっしゃることが、
重くとも、うけたまはらざりける
訳)重いということもお聞きしなかったのが
おぼつかなさ」など聞こえたまふ。
訳)もどかしいこと」などと申し上げなさる。
【古文】
「…悩ませたまふこと、重くとも、うけたまはらざりけるおぼつかなさ」など聞こえたまふ。
【訳】
「…病気でいらっしゃることが、重いということもお聞きしなかったのがもどかしいこと」などと申し上げなさる。
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■【悩ま】…マ行四段動詞「悩む」未然形
※【悩(なや)む】…病気になる
■【せ】…尊敬の助動詞「す」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(光源氏⇒尼君)
■【重く】…ク活用形容詞「重し」連用形
■【とも】…~ということも
※【と】…引用の格助詞
※【も】…強意の係助詞
■【うけたまは】…ハ行四段動詞「承る」未然形
※【うけたまは(承)る】…「聞く」の謙譲(光源氏⇒尼君)
■【ざり】…打消の助動詞「ず」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【おぼつかなさ】…もどかしさ
■【など】…引用の副助詞
■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」連用形
※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(作者⇒尼君)
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
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光源氏の発言の続きです。
「聞こえたまふ」というのは、
「申し上げ・なさる」と訳す、二方面敬語です。
誰に申し上げるのか⇒客体に対する謙譲語(尼に)
誰が申し上げるのか⇒主体に対する尊敬語(光源氏)
敬語の敬意対象は
尊敬語(S)なら⇒主体(S)に対する敬意
謙譲語(K)なら⇒客体(K)に対する敬意
しっかり慣れていってくださいね♪