源氏物語イラスト訳【夕顔410-1】御使
御使、帰りにけれど、小君して、小袿の御返りばかりは聞こえさせたり。
「蝉の羽もたちかへてける夏衣
かへすを見てもねは泣かれけり」
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【源氏物語イラスト訳】
御使、帰りにけれど、
訳)お使いの者は、帰ってしまったけれど、
小君して、小袿の御返りばかりは聞こえさせたり。
訳)小君を使って、小袿の御礼の返歌だけは申し上げた。
「蝉の羽もたちかへてける夏衣
訳)「蝉の羽のような薄く軽い布を裁断して作り替えた夏衣は
かへすを見てもねは泣かれけり」
訳) 返してもらうのを見ても声を上げて泣かずにいられないことです」
【古文】
御使、帰りにけれど、小君して、小袿の御返りばかりは聞こえさせたり。
「蝉の羽もたちかへてける夏衣
かへすを見てもねは泣かれけり」
【訳】
お使いの者は、帰ってしまったけれど、小君を使って、小袿の御礼の返歌だけは申し上げた。
「蝉の羽のような薄く軽い布を裁断して作り替えた夏衣は
返してもらうのを見ても声を上げて泣かずにいられないことです」
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■【御―】
■【使者】
■【帰り】
■【に】
■【けれ】
■【ど】
■【小君(こぎみ)】
■【して】
■【小袿(こうちき)】
■【の】
■【御―】
■【返り】
■【ばかり】
■【は】
■【聞こえさせ】
※【聞こえさす】
■【たり】
■【蝉(せみ)の羽(は)】
■【たちかへ】
※【たちかふ】
■【て】
■【ける】
■【夏衣(なつごろも)】
■【かへす】
■【を】
■【見】
■【て】
■【も】
■【ねは泣く】
※【ねを泣く】
※【は】
■【れ】
■【けり】
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