【夕顔321-2】辞書にも載ってない古語の解釈問題☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)に命じて夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意のまま二条院へと戻ります。
【今回の源氏物語】
君は、いささか隙ありて思さるる時は、召し出でて使ひなどすれば、ほどなく交じらひつきたり。
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☆ 古文オリジナル問題~偏差値65相当~☆
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君は、いささか隙ありて思さるる時は、召し出でて使ひなどすれば、ほどなく交じらひつきたり。
問)傍線部とはどういうことか。最も適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。
1.右近は、ほどなく夕顔のことを忘れかけてきた。
2.右近は、まもなく二条院に別れを告げることとなる。
3.右近は、ほどなく光源氏との交際に見切りをつけた。
4.右近は、ほどなく夕顔との縁に見切りをつけた。
5.右近は、まもなく二条院での奉公に馴染んだ。
古文の大学入試では、
古文単語帳に載ってないような部分の解釈も
しょっちゅう出てきますよね。
特に、国公立大学の二次試験では
上のような分かりにくい部分が
きちんと理解できていますか?的な問題が
よく出題されるんです;;
志望大学の過去問をみて、
どんな出題傾向なのかを
しっかりチェックしておこう!
今回のオリジナル問題のポイントは
「交じらふ」という古語の古文常識をまず押さえること。
【まじらふ(交じらふ)】
【自動詞:ハ行四段活用】
①まじり合う。入り乱れる。混合する
②人中に出て交際する。つきあう。仲間になる。平安時代では特に、宮仕えする
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
平安時代の王朝文学では、
「交じらふ」は、特に「宮仕え」の意味で
用いられることが多いんです。
ここでは、
宮中での宮仕えではなく、
光源氏の自邸二条院での奉公のこと。
右近は、光源氏のそばでお仕えすることになったのでしたね。
けっして、光源氏と交際するって意味じゃないですよ~!
【つく(付く)】
【自動詞:行四段活用】
①一体となって、離れない状態になる。合わさって一つになる。接し合う。付着する
②(性質・才能などが)身に備わる。(印象・感情などが)心から離れない状態になる
③(ある人・物に)身を寄せる。(人・物の)そばに寄る
④(ある一方に)属する。味方する。同調する
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
私の手元の古語辞典には、
「つく」の補助動詞は、載ってなかったんですが…
「交じらひ―付く」なんて、
なんとなく、イメージ湧きませんか?!
交じらひ(奉公)が、身についてきたってワケですね!
【解答】 5