【夕顔196-3】古文単語「さし向かふ」
古文の読解力は、単語と文法が基本です。
単語帳だけでなく、出てきたものから
知識として蓄えていきましょう♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【現代語からの想像】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
何心もなきさしむかひを、あはれと思すままに、「あまり心深く、見る人も苦しき御ありさまを、すこし取り捨てばや」と、思ひ比べられたまひける。
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今回出てきた古文単語
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■【何心もなき】…連語
※【何心なし】…無邪気だ。無心だ
※【も】…強意の係助詞
■【さしむかひ】…向かい合って座っていること
■【を】…対象の格助詞
■【あはれ】…愛しい
■【と】…引用の格助詞
■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ままに】…~につれて
※【まま】…(~の)とおり。まま
※【に】…状態の格助詞
■【あまり】…あまりひどく。度を超えて
■【心深く】…ク活用形容詞「心深し」連用形
※【心深し】…情愛が深い
■【見る】…会う。対面する
■【者】…人。者
■【も】…強意の係助詞
■【苦しき】…シク活用形容詞「苦し」連体形
※【苦し】…苦しい。つらい
■【御―】…尊敬の接頭語
■【ありさま】…ようす
■【を】…対象の格助詞
■【すこし】…少し。ちょっと
■【取り捨て】…タ行下二段動詞「取り捨つ」未然形
■【ばや】…希望の終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【思ひ比ぶ】…心の中で比べる
■【られ】…自発の助動詞「らる」連用形
■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
◇ 今回は「らる」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「さし向かふ」 ☆
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何心もなきさしむかひを、あはれと思すままに、「あまり心深く、見る人も苦しき御ありさまを、すこし取り捨てばや」と、思ひ比べられたまひける。
問)傍線部の意味として、最も適当なものを1つ選べ。
1.何でもないことを不安がっている女の様子を、源氏の君は気の毒にお思いになる。
2.無邪気に源氏の君と向かいあって座っているこの女を、かわいいとお思いになる。
3.心にもないことを言って立ち向かってくるこの女を、源氏の君は愛しくお思いになる。
4.六条御息所と比べて、屈託なく笑っているこの女の方がかわいそうにお思いになる。
5.遠くにいる六条御息所よりも、現在そばに控えるこの女の方がいじらしくお思いになる。
今までのセンター古文では、
ゴロゴなどの単語帳に載ってる重要古語に終始すれば解けたかもしれませんが、
新学習指導要領も念頭に置いたこれからの大学入試では、
重要古語以外の単語にも着目するほうが無難です。
今回の傍線部は、
「あはれ」や「思す」という重要古語だけでなく、
「何心もなし」「さしむかひ」などにも注意して
選択肢を見ていきましょう。
(灬ºωº灬)
【なにごころなし(何心無し)】
【形容詞:ク活用】
…無心だ。なにげない。無邪気である
これは、夕顔の君の形容ですね♪
強意の係助詞「も」を間に挟んで、強調されています。
【さしむかふ(差し向かふ)】
【自動詞:ハ行四段活用】
…向かい会う。対座する
*Weblio古語辞典より
「何心もなきさしむかひ」
直訳したら、「なにげない対座」☆
自分が何にも気を遣わずに対座していられる
この夕顔の君――☆
…そんなふうに思うのは、
あの、情の深い、六条御息所のことを
心の中で思い比べているからに他なりません。
1.何でもないことを不安がっている(△)女の様子を、源氏の君は気の毒に(△)お思いになる。
2.無邪気に源氏の君と向かいあって座っているこの女を、かわいいとお思いになる。
3.心にもないことを言って立ち向かってくる(△)この女を、源氏の君は愛しくお思いになる。
4.六条御息所と比べて、屈託なく笑っている(スギ)この女の方がかわいそうに(△)お思いになる。
5.遠くにいる六条御息所よりも、現在そばに控える(△)この女の方がいじらしくお思いになる。
正解…2
何心もなきさしむかひを、あはれと思すままに、「あまり心深く、見る人も苦しき御ありさまを、すこし取り捨てばや」と、思ひ比べられたまひける。
● 過去記事リンク
■何心なし
■も
■あはれ
■ままに
■あまり
■心深し
■見る
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