『ジーン･ワルツ』

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監督　大谷健太郎
脚本　林民夫
音楽　上田禎
主題歌　こたえ/小田和正

出演　菅野美穂、田辺誠一、浅丘ルリ子、風吹ジュン、濱田マリ、大森南朋、
大杉漣、南果歩、桐谷美玲、白石美帆、須賀貴匡、西村雅彦、片瀬那奈

（あらすじ）

産婦人科医の三枝（大森）が
帝王切開の失敗を責められ、逮捕された。
彼には情状酌量の余地があったのだが。

大学病院で働く仲間の理恵（菅野）と清川（田辺）は
彼を救おうとするが、
昇進のかかった清川は屋敷教授（西村）の手前、
慎重にならざるを得なかった。

現在の産婦人科にはとても問題が多かった。

理恵は三枝の母・茉莉亜（浅丘）が院長を務める
マリアクリニックを手伝っている。
茉莉亜は末期の肺がんで余命幾許もなかった。

今でも通院している患者は４人。

中絶を望む２０歳のユミ（桐谷）、
５年間の不妊治療の末に妊娠した３９歳の浩子（南）、
２７歳のみね子（白石）、
そして５５歳のみどり（風吹）だ。
彼女は代理母で、双子を妊娠していた。

みね子は中絶した。
子供が無脳症だとわかったからだ。
その話を聞いたユミの気持ちに変化が表れた。

実はみどりは理恵の実母だった。
子供の産めない体になった娘を思っての事だったが、
日本の医学では代理母は自粛する、という風潮だった。

理恵は大学病院を退職し、テレビのインタビューに答えた。
「マリアクリニックを理想的な出産の場として作り変えたい」と
語る理恵。

そして、清川にみどりの帝王手術を頼んだ。

事情を知り、断ろうとする清川だったが
みどりが産気づいてしまった。
看護婦のみすず（濱田）が悪天候で到着出来ず、協力することにする。
更にはユミ、浩子も産気づいてしまい、停電にもなってしまう。

他者の協力も得られない中、
茉莉亜がやって来て出産に立ち会った。

３人の妊婦は無事出産を終えることが出来た。

清川は教授となった。
彼はみどりの産んだ双子が自分の子供だと気づいていたが、
理恵は名言を避けた。

これから学会の意見と現場の意見をぶつけ合い、
理想的な医療現場を作っていこう、と理恵に言う清川だった。

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（感想）

現役の医師・海堂尊原作。

この映画、全体的に生ぬるさは拭えない。

だけど、どの赤ちゃんの出産シーンにも涙が出てしまった。

妊婦たちは不妊治療→高齢出産だったり、
５５歳の代理母だったりで緊迫感があり、
「出産は奇跡。赤ちゃんは奇跡を運んで来る」っていう
台詞にとても納得。感動。

あまりに悲しい出産シーンでは無念さが伝わって来て・・・
お父さん役の須賀、いい芝居だった。

簡単に堕胎を口にする若い娘の考えを
改めさせることにリアリティのあるエピソードとなっていた。

そんなシーンがあるだけでも良し！としようと思う。
それくらい感動を呼ぶ出産シーンの数々だった。

少子化や、
やたらめったら訴えられるので産婦人科医のなり手がない→
減少による緊急時のたらいまわしで起こる悲劇、という
現在の日本の状況をことさらしつこく訴えるわけでもなく、
こういったシーンを見せられることで、
もしかしたら返ってそのことを考えるようになるのかも知れない。

この映画を観たら、上記のような問題があることを思い出し、
わが子ときちんと出会えた奇跡に感謝して
抱きしめてあげてください。

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大谷健太郎　