こんにちは。熊野マキです。

「ちょっと昔に書いた話」を3つ掲載し終わりました。
どうしようもない「ちょっと昔に書いた話」、
そして「投稿したけど、採用されなかった話」にお付き合いありがとうございました。

そうなんです、実は、今回掲載した3つのお話は、とある文芸雑誌のとあるコーナーに投稿したものなのです。
そして今回、このブログに掲載したということは、採用されていないということです。
それは読者が投稿したエッセイを元に、とある漫画家が4コママンガを描くというコーナー。単行本にもなりましたし、有名誌ですから、ピンと来た方もいることでしょう。
その漫画家が好きなので、是非ともマンガにして欲しいと頑張ったのですが、採用されたことはありません。情熱だけではだめですね。

でも、せっかく昔の私が頑張って書いたので、ここで掲載してみることにしたのです。
人目に触れることなく、闇に葬られていたお話を世に出すことが出来て嬉しいです。世に出して良かったのかは分かりませんが。
採用されていないだけあって、面白くなかったことでしょう。暇つぶし程度になったのなら幸いです。

その雑誌に採用されたいという気持ちはもうない!と言えばウソになりますが、今はこうして発表する場があるというのが嬉しくて、へたくそながら公開してみたくなったのです。
やっぱり、書くという事は楽しいし好きだから、書くからには闇に葬られるよりは、読んでもらいたいと思ったのです。

まだまだつまらないものばかり書く熊野ですが、頑張っていこうと思いますので、これからもお立ち寄りくださいませ。


■  ブログ掲載に当たって、再推敲をするとともに、表現スタイルを直しました。文章を書く基本とは、かなり異なる我流なのは承知していますが、ブログ上ではこのような表示が私には心地よいのです。

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<恋の行方>

丘の上に登るとフィーリングカップルのようなイベントをやっていた。

数人の男女が対面式で質問をしあい、気に入った者同士でカップルを作るやつだ。

私が登ったところはステージの後ろ側だったのでステージは見えないが、声はよく聞こえた。


あれ、今カップルになった人、あんたの男友達じゃない?一緒にいた友達が言う。

その通りだった。私が密かに思いを寄せるあの人だ。

いろいろ話す友達だと思ってたのに、こんなイベントに出るなんて聞いてなかった。

私は激しい動揺を隠しながら、そうみたいだねぇと気のないふりをして言う。


あえてステージを観ないで、丘を降りた。

丘のふもとの駅で電車を待っていたら、丘の上の浮かれたイベントが終わったらしく、人々が降りてきた。

私は彼と会って話すことを期待していたけれど、ちょっとすれ違っただけで、彼はすーっと行ってしまった。

私はがっかりしたまま電車に乗ったせいか、路線を間違えてしまった。

とりあえず途中で降りたものの、今どこにいて、どこに向かうのかわからなくなってしまった。

友達は私を責めるばかりだ。



……そんな夢を見た。

好きな人は誰かとカップルになるは、お話も出来ないは、迷子になるは、人に責められるは、踏んだり蹴ったりである。

 

この恋もうまくいかないんだな。

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2年目から面白いから。


そう人に勧められて3年日記をつけはじめた。

今年2年目だ。去年の今日のあたしが、何をして何を考えていたのか分かって確かに楽しい。

いや、先週までのあたしは、確かにそれを楽しんでいた。

今週のあたしは、去年の今日のあたしを振り返るのが苦痛だ。日記をつけることを止めてしまおうかと思うほどである。


男と別れたのだ。


去年のあたしは、毎日その男のことばかりで浮かれ気味だった。

今年のあたしを苦しめることも知らずに。何した、何話した、と自分で書いた文章ながら、去年のあたしのオノロケっぷりには参る。

そんなことなら、ステキでラヴラヴなコトを書くもんじゃなかった。でも、素直な気持ちを偽った文章を記録しても日記じゃない。


そんな風に自問自答しながらも、あたしは次の男が出来たら、懲りずにまた日記に登場させ、浮ついた文章を書くのだろう。


そして来年のあたしは今年のあたしを振り返って、どんな風に感じるのだろうか。去年も幸せだったと楽しむだろうか。また過去のあたしに苦しめられるのだろうか。


ま、新しい男の出来る気配は、今のところないが。

 

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あたしは自分で言うのもなんだが、情の厚い女だ。気前も良い。

あたしを頼ってくる人に親身になりすぎるきらいがある。


あいつはそんなあたしの性質を見破っていたに違いない。

退屈な時、困った時、そして頼みがある時に連絡をしてきた。

あいつは廊下ですれ違う度に、人なつっこい笑顔を振り撒いて挨拶をしてきた。

そして少しずつあたしを自分のペースに巻き込んでいった。


気づくといつの間にか、あたしとあいつは社内で公認の仲良しさんみたいになっていた。

あたしはだんだんそれが苦しくなってきて、あいつと距離を置くようにしたりした。

あいつは妻子持ちの単身赴任者だから、不倫しているなどという噂に発展するのが怖かったし、あいつの存在が特別に感じられてしまった時、苦しむのはあたしなのは分かっていた。


しかしそんな心配をする必要はなくなった。あいつは転勤になって、あたしの前からあっさり消えた。

連絡もめっきり減った。生活が変わって忙しいのだろうと思っていたけれど、あたしはふと気づいた。

あたしはもう必要がないのだ。


あたしには見える。

新しい職場で人なつっこい笑顔を振りまいて、女に声をかけるあいつの姿が。

情に厚そうな使えそうな女を本能的に見極めているあいつの姿が。

 

そしてその女に嫉妬するあたしがいる。

立場が逆転している。

頼っているのはあたしだ。

こんにちは。熊野マキです。

さて、ちょっとお知らせです。
以前、「ちょっと昔に書いた話」というテーマで、いくつかお話を掲載しました。
今回さらに3話、掲載してみようと思います。


今日から3日間、1話づつ掲載していくお話は、1年くらい前に書いた話です。

現在も大して進歩してないかも知れないけれど。

若干、推敲等、見直ししました。 ……あ、してもこの程度。
恥ずかしいですが、せっかく昔の私が頑張って書いたので、思い切って掲載したいと思います。
お時間がありましたら、読んでみてください。よろしくお願いします。