乱歩Rについて語る(いまさらに)
Theme: ブログ 2012-05-15 18:19:49好きだったのに観逃していた回があった気がするし、異色のドラマで面白かったなと思い出し、また観たくてたまらなかったのだ。
DVDを手に入れてから気づいたが、好きな俳優もゲスト出演していた。観逃していたのはちょうどその回だったようだ。
さてさて、どんなドラマだったか?という方のために簡単に説明を。
主人公は、3代目明智小五郎。名探偵明智小五郎の孫である。藤井隆さんが好演している。
その明智探偵事務所の所長・雷道は岸部一徳さん。只者ではない雰囲気を漂わせていると思ったら、やはり最後にやってくれた。(ちょっとネタバレ)。
他に事務所にいるのは、情報収集で3代目を助ける本上まなみさん。和柄を取り入れた衣装が毎回かわいらしく、それも私にとっての見所だった。
そして、一番注目してたのは、この人。明智といえば、小林少年を忘れちゃいけない。今ではすっかりおじいちゃんになってしまった元小林少年を大滝秀治さんが演じている。
暇なじいちゃんがふらりとやってきては入り浸って、昔の事件の思い出話をしているだけではない。元小林少年の話す内容は、3代目への教訓というか、事件解決のヒントというか、お助け情報になっている。
そんな明智探偵事務所にちょくちょく立ち寄ってくる刑事を筧利夫さんが演じている。かっこつけで頼りないように見えて、3代目の強い味方である。
このドラマはタイトルから分かるように、江戸川乱歩の作品を下敷きに脚色している。毎回豪華なゲストが登場し、乱歩ファンはもとより、多くの人が楽しめる作りになっていると思う。
元となった乱歩作品とゲストを下記にまとめてみる。
1) 「人間椅子」 武田鉄也さん・乙葉さん
2) 「吸血鬼」 菅野美穂さん・加勢大周さん
3) 「暗黒星」 仲間由紀恵さん・成宮寛貴さん
4) 「黒蜥蜴」 松坂慶子さん・峰岸徹さん
5) 「白髪鬼」 柳葉敏郎さん・井川遥さん
6) 「陰獣」 高橋恵子さん・白石美帆さん
7) 「地獄の道化師」 石川梨華さん・和泉元彌さん
8) 「化人幻戯」 葉月里緒奈さん・布施明さん
9) 「怪人二十面相」 藤谷美和子さん
10) 「怪人二十面相」 南野陽子さん
ラスト2話は前編・後編と続き物になっており、いくつかのエピソードが平行に、いや、絡み合って進み、最後に一つにまとまる。
人探しの依頼を受け調査をしていた3代目は、自分に関係のある出来事に突き当たり、25年前の出来事を知ることになる。
怪しそうな、影のありそうな雷道がやっぱり出てきたか、というある意味予測していたとおりの展開だったことは否めない。この人をただの所長役で事件に絡むことなく置いとくわけはない。
そして、この雷道と3代目が!?と衝撃を受けてすぐに、こっそりそんなものを持ち出してこんなところに安置!?こんなに綺麗なまま洞窟に!?、そんなことはありえない!と妙に冷めてしまった自分もいるが、全体的に大変楽しめた。
個人的に好みだった回は「陰獣」だ。
大江春泥は本当にあの人なのか。本当は違うけれど自分だと言ったのもあの人の妄想の一部なのか。観る者を妄想に引きずり込む出来だったと思う。
ここまで面白かったと語っておいてなんだが、実は入り込めなかったというか腑に落ちない部分もあった。
それは、「人間椅子」の椅子職人の弟子たち、「黒蜥蜴」に集められた美少年たち、「化人幻戯」で主人公の女に惹かれる男たち、そして「怪人二十面相」でディスプレイ殺人の犯人に共感し協力する雷道、これらすべてに共通することだが、その対象に惹かれ盲信してしまう過程が分からない。
雷道には利用してやろうという意識があるのだろうが、ほかの者たちは洗脳されているかのごとく夢中になり、幸福感に満ちている。
酔いしれてしまうほどいい椅子を作っているのか?微笑まれただけでついて行って幽閉状態になるのか?甘く囁かれただけで殺人も手伝うのか?
最後になるが、このドラマのDVDのジャケットには「人の妄想がいちばん怖い」と書かれている。
人の妄想が人の頭から飛び出した時、平穏な日常は狂気に変わる。そんな世界を描く乱歩の世界観に心地よく浸った。
また1巻から観てみるつもりだ。2巡目が終わったとき、自分がどんな妄想に取り込まれているか楽しみだ。







