丘の上に登るとフィーリングカップルのようなイベントをやっていた。
数人の男女が対面式で質問をしあい、気に入った者同士でカップルを作るやつだ。
私が登ったところはステージの後ろ側だったのでステージは見えないが、声はよく聞こえた。
あれ、今カップルになった人、あんたの男友達じゃない?一緒にいた友達が言う。
その通りだった。私が密かに思いを寄せるあの人だ。
いろいろ話す友達だと思ってたのに、こんなイベントに出るなんて聞いてなかった。
私は激しい動揺を隠しながら、そうみたいだねぇと気のないふりをして言う。
あえてステージを観ないで、丘を降りた。
丘のふもとの駅で電車を待っていたら、丘の上の浮かれたイベントが終わったらしく、人々が降りてきた。
私は彼と会って話すことを期待していたけれど、ちょっとすれ違っただけで、彼はすーっと行ってしまった。
私はがっかりしたまま電車に乗ったせいか、路線を間違えてしまった。
とりあえず途中で降りたものの、今どこにいて、どこに向かうのかわからなくなってしまった。
友達は私を責めるばかりだ。
……そんな夢を見た。
好きな人は誰かとカップルになるは、お話も出来ないは、迷子になるは、人に責められるは、踏んだり蹴ったりである。
この恋もうまくいかないんだな。