あらためて、五臓六腑って何? その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます 

昨日の「あらためて、五臓六腑って何? その1」では、古代中国でも解剖は行われていたこと、その上で五臓六腑が決められていたんだってことをお伝えしました。考えたら、「解剖」っていう言葉があったんですから、解剖してたに違いないんですよねぇ…。

あらためてご紹介すると、五臓は心・肝・脾・肺・腎で、六腑は胃・小腸・大腸・胆・膀胱・三焦です。現代解剖学の臓腑にも同様の名称が使われてますね?ならば、心=心臓、肝=肝臓、脾=脾臓、肺=肺、腎=腎臓なんでしょうか?三焦っていうのは、いったい何なんでしょうか?

東洋医学講座No.14でも解説したように、何かしらで満たされている実質器官が五臓です。五臓を満たすものは、精気精神であり、血気です。そう、人が人らしくあるための精神活動のよりどころが五臓にあるとする点が、現代解剖生理学と大きく異なるところ。

心が神を蔵して人を英知ある存在にし、肝が魂が蔵して人を知的に行動させ、脾が意を蔵してものごとを感じたり考えさせたりし、肺が魄を蔵して注意力や皮膚感覚を生じさせ、腎が志を蔵して記憶を持続させます。現代解剖生理学では、これらすべて、脳の機能ですね。

東洋医学でも、脳は奇恒の腑のひとつとして存在しています。肢体の運動を円滑にする、耳目を聡明にする、長寿を保つといった役割があり、骨髄とともに、腎のコントロール下にあるとされています。

現代解剖生理学の脳から見れば、東洋医学の脳は、機能がかなり限局されているし、しかも腎と関係するなんて、考えにくいですよね。でも、東洋医学の理論で見ていくと、それでうまく収まるようにできてます。

東洋医学の五臓それぞれの機能については、東洋医学講座のNo.9No.10No.11No.12No.13で解説していますが、心が血液循環を、肝が血液の貯蔵を、肺が呼吸を、腎が水分の排泄をコントロールしていることは、現代解剖生理学と共通しています。

問題は脾です。東洋医学の脾は、消化器系の元締め。現代解剖学の脾臓は、リンパ系器官のひとつで、古くなった赤血球が壊される場所。まったく違います。昨日も書きましたけど、『類経図翼』の『内景図』では、胃のそばに横長に描かれてますから、これは膵臓に相当するじゃない?

腑は中空器官で、消化器系は「早食い・大食いは胃潰瘍のもと?」でお届けしたように、実は外界と接しています。東洋医学でも、東洋医学講座No.15にあるように、六腑は飲食物の消化と排泄に関わるとものして認識されています。

胃・胆・大腸・小腸・膀胱は、基本的には現代解剖生理学のそれらと、ほぼ同じと考えて差し支えありません。

困りものは三焦です。もともとは、水分代謝に関わる腑とされていたのですが、胸腹部を上焦・中焦・下焦と三つに分けて、合わせて三焦とする考え方もあって、話がややこしくなっています。しかも、『内景図』に表示がない!こうなると、その存在も怪しくなってきて、機能だけを指すなんてことも言われています。

ということで、東洋医学の五臓六腑は、現代解剖生理学の臓腑と同じ部分もあれば、まったく違う点も多いというか、より幅広い機能を持っていて、決してイコールにはならないんです。神経系やホルモンなどの機能も含んでるってことですわ。

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

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