あらためて、五臓六腑って何? その1 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます 

だいぶ前になりますが、「益軒先生のいう「胃気」とは?」の中で、昔の中国でも解剖は行われてたに違いない…なんてことを書きましたけど、実際に解剖が行われていたようです。

韓流ドラマの『太陽人 李済馬(イ・ジェマ)』の主人公、イ・ジェマは韓医学の父と呼ばれる人ですが、ドラマの最後のほうで、師匠の遺言に従って、師匠の身体を解剖する場面が出てきます。それも、山里深く、世間から隠れて行なわれた。ってことは、韓国には解剖がタブーの時代があったってことよね。

日本でも同様に、腑分け(解剖)がタブーとされていた時代が長かったでしょ?ほら、江戸時代に『解体新書』が世に出たとき、一大センセーションだったワケじゃないですか?だから、ついつい古代中国でもそうだったに違いないと、勝手に思い込んでたんですよねぇ…。

東洋医学の古典中の古典、『黄帝内経(こうていだいけい)・霊枢(れいすう)』の『経水篇(けいすいへん)』は、当時の中国にあった12の河川を比喩に使いながら、十二経脈について説明しているんですが、その中に↓次のような一文が出てきます。

「天は高く地は広くて、人の力で正確に測ることはできません。でも、人の身体と皮肉はそこにあるで、外から測ることもできるし、死後に解剖して内部を視ることもできます。」

また、『黄色帝経』に次ぐ古典で、鍼灸学について詳しく書かれている『難経(なんぎょう)』には、五臓の形状に関する↓次のような記述があります。

① 肺
重さ 三斤三両
六葉と両耳、凡て八葉
魄を蔵するを主(つかさど)る

② 心
重さ 十二両
中に七孔三毛あり
精汁三合を盛る
神を蔵するを主る

③ 肝
重さ 二斤四両
左三葉、右四葉
魂を蔵するを主る

④ 脾
重さ 二斤三両
扁たく、広さ三寸、長さ五寸
血をつつむことを主り、五臓を温め、意を蔵するを主る

⑤ 腎
重さ 一斤一両
両枚あり
志を蔵するを主る

そして、「益軒先生のいう「胃気」とは?」でもご紹介した↓下図は、時代は下って、明代(15世紀)の医師、張景岳(張介賓)の著書、『類経図翼』にある『内景図』でした。

春月の『ちょこっと健康術』

韓国と日本では、死後であっても、身体に傷をつけることはタブーとする文化があった。これは、儒教の教えによる影響かと思ってたんだけど、本場の中国では、解剖はタブー視されなかった?ってことは、儒教の影響じゃなくて、仏教の影響?まぁ、いいや。

いずれにしても、古代中国では、解剖は行われていたんですね。その上で、五臓六腑は決められた。だからこそ、肝や肺、心、腎は中身の詰まった臓で、胃や大腸、小腸、膀胱、胆は中空の腑なんですね。現代解剖学とも、細かい形状はともかく、位置関係は一致してますし。

あら、脾は?そうなの、脾は、現代解剖学の脾臓じゃないよのよね。↑上の『内景図』を見ると、どうも現代解剖学の膵臓の位置に、脾が描かれてるように見えます。

じゃあ、五臓六腑は、現代解剖生理学で見る五臓六腑とイコールなのか?それについては、次回。

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。

ダリア 
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