東洋医学講座 No.72 正経十二経脈 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


このブログでご紹介しているツボ は、そのほとんどが経絡 上にあります。前回お話したように、経絡は、臓腑と体表とを結ぶので、外邪 の侵入ルートにもなりますが、鍼灸治療の効果が伝わるルートになるからですね。その逆に、臓腑の病変が体表面に出てくるルートにもなるので、診断にも使います。


今回は、経絡のうち、その中心となる正経十二経脈についてお届けします。三陰三陽と呼ばれる3つの陰経と3つの陽経があり、それぞれ手を通るものと足を通るものがあるので、全部で十二経になります。その1本1本は、それぞれ決まった臓腑につながっています。


あら~、臓腑って、五臓六腑っていうから、11個じゃないの?そう思われますよね~。初めは確かに五臓六腑の11個だったようで、1973年に発見された『馬王堆帛書(まおうたいはくしょ)』にある経脈は11本でした。でも、『黄帝内経』では、「五臓六腑とは」 でご紹介した心包が加えられて、経脈が12本になったんです。


1 三陰三陽


三陰は太陰(たいいん)・少陰(しょういん)・厥陰(けついん)で、三陽は太陽(たいよう)・少陽(しょうよう)・陽明(ようめい)です。三陰三陽は、臓腑の表裏とも関連して、↓次のように組み合わされています。

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2 経脈のルート(流注)


経脈がめぐるルートのことを流注(るちゅう)といいます。流注は、手の陰経→手の陽経→足の陽経→足の陰経とめぐって、手の陰経へと戻ります。


① 手の陰経 … 体幹→腕の手のひら側→手

② 手の陽経 … 手→腕の手の甲側→体幹→頭部

③ 足の陽経 … 頭部→体幹→脚の外側→足

④ 足の陰経 … 足→脚の内側→体幹


図にすると、↓こんな感じです。


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3 正経十二経脈の流注


三陰三陽と臓腑、手足の組み合わせで、↓下記の順にめぐります。


1) 手太陰肺経 … 中焦→大腸→肺→肩から体表へ→腕の手のひら側・母指側→母指

2) 手陽明大腸経 … 人差し指→腕の手の甲側・母指側→肩→肺→大腸、肩→のど→口→鼻

3) 足陽明胃経 … 鼻→口→顔面→のど→胃、のど→胸腹部→脚の前面外側→足第2指

4) 足太陰脾経 … 足母指→脚の内側→腹部→脾胃→心、腹部→胸部

5) 手少陰心経 … 心→小腸→目、心→腋の下→腕の手のひら側・小指側→小指

6) 手太陽小腸経 … 小指→腕の手の甲側・小指側→肩→心→小腸、肩→耳・目

7) 足太陽膀胱経 … 目→額→頭→うなじ→背中→腎・膀胱、背中→脚後面→足小指

8) 足少陰腎経 … 足小指→足心→脚内側→会陰→腎・膀胱→肺・心、会陰→腹部→胸部

9) 手厥陰心包経 … 胸→三焦、胸→脇→腋の下→腕の手のひら側中央→中指

10) 手少陽三焦経 … 薬指→腕の手の甲側中央→肩→心包・三焦、肩→耳・目

11) 足少陽胆経 … 目→側頭部→くび→肩→肝・胆、肩→胸部→腹部→脚外側面→足第4指

12) 足厥陰肝経 … 足小指→脚内側面→下腹部→肝・胆→肺→目・頭頂、下腹部→胸部


図式すると↓こんな感じ。左側が陰経、右側が陽経で、同じ高さでは臓腑の表裏関係になっていて、矢印は流注の順番を示しています。


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血管や神経がつながっているのと同じように、経絡は網のように全身に張りめぐらされ、気血はその経絡を順にめぐっているのです。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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