東洋医学講座 No.59 聞診 音を聴く | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


長野通勤の最後の夜を、国家試験を無事終えた生徒たちと過ごしました。国家試験の合格と学校の卒業は、ゴールラインではなく、スタートラインです。愛あふれる鍼灸師をめざしてくださいね。毎日の積み重ねが大事です。私も東京での新しい講師の仕事が始まります。おたがいに精進しましょう。


さて、東洋医学講座は、四診(診察法)のうちの望診(ぼうしん;西洋医学の視診)を、望神と顔の望診子どもの指紋診舌診(舌質)舌診(舌苔) と、4回に分けてお届けしました。今回と次回は、四診のふたつめ、聞診(ぶんしん)になります。


聞診には、音を聴くこと(聴覚を使う診察)と、においをかぐこと(嗅覚を使う診察)の2種類があります。音を聴くほうは、西洋医学でも聴診がありますが、においはどうかしら?症状チェックのひとつとしては、たとえばアセトン臭の確認とかしますから、あるにはありますね。


1 発声

① 自然でなめらかな発声 … 健康

② 声が大きい・荒い … 実証 が多い

③ 声が小さい・弱い … 虚証 が多い

④ 声が甲高い … 肺の変調 が多い

⑤ しゃべり方がフワフワしている … 腎の変調 が多い


2 呼吸

① 呼吸に力があり、息が荒い … 体内の熱が旺盛で、呼吸に影響している

② 呼吸に力がなく、息が弱い …  の気が不足していることが多い

③ ゼイゼイと大きな喘鳴で、息を吐くと軽くなる …  に痰がたまっている実喘

④ ゼイゼイいうが、呼吸が小さく、吸気が少なくて、呼気が多い …  の気が不足する虚喘


3 

① 咳の音が重く、水のような白い痰と鼻づまりを伴う … 外邪 の邪)

② 咳の音がこもっていて、濃い黄色の痰・のどの乾きと痛みを伴い、鼻息が熱っぽい … 肺の熱

③ 咳に力がなく、呼吸がせわしない … 肺気虚

④ 痰が多く、咳で喀出しやすい … 痰飲

⑤ 乾いた咳で、痰がない … 内熱 による津液不足


4 吃逆(きつぎゃく;しゃっくり)

① しゃっくりの音が大きく、よく響く … 内熱

② しゃっくりの音が小さい … 気虚


5 噫気(あいき;げっぷ)

① においのないげっぷ … 胃気の不調

② 酸っぱいにおいのするげっぷ … 消化不良


6 言動

① 言葉が多く、落ち着きがない … 実証熱証 が多い

② 言葉が少なく、話したがらない … 虚証寒証 が多い


以前、「しゃっくりの止め方」 を募集して、その回答を「脂肪をためない食べ方」 に書きました。そして、「柿が色づけば、医者が青くなる」 では、渋柿のヘタを乾燥させたものが、しゃっくり止めの薬になるとご紹介しています。東洋医学では、しゃっくりを吃逆といいますが、これも病のサインのひとつとなるんです。


咳に伴って出る痰は、その色が白っぽければ寒証、黄色ければ熱証で、これは舌苔 の色と同じです。ほかに、鼻水の色とか、尿の色も同様です。従って、分泌物が白っぽいときは温める、黄色っぽいときは冷やすと覚えておくといいですよ。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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