おはようございます
長野通勤の最後の夜を、国家試験を無事終えた生徒たちと過ごしました。国家試験の合格と学校の卒業は、ゴールラインではなく、スタートラインです。愛あふれる鍼灸師をめざしてくださいね。毎日の積み重ねが大事です。私も東京での新しい講師の仕事が始まります。おたがいに精進しましょう。
さて、東洋医学講座は、四診(診察法)のうちの望診(ぼうしん;西洋医学の視診)を、望神と顔の望診 、子どもの指紋診 、舌診(舌質) 、舌診(舌苔) と、4回に分けてお届けしました。今回と次回は、四診のふたつめ、聞診(ぶんしん)になります。
聞診には、音を聴くこと(聴覚を使う診察)と、においをかぐこと(嗅覚を使う診察)の2種類があります。音を聴くほうは、西洋医学でも聴診がありますが、においはどうかしら?症状チェックのひとつとしては、たとえばアセトン臭の確認とかしますから、あるにはありますね。
発声
① 自然でなめらかな発声 … 健康
② 声が大きい・荒い … 実証 が多い
③ 声が小さい・弱い … 虚証 が多い
④ 声が甲高い … 肺の変調 が多い
⑤ しゃべり方がフワフワしている … 腎の変調 が多い
呼吸
① 呼吸に力があり、息が荒い … 体内の熱が旺盛で、呼吸に影響している
② 呼吸に力がなく、息が弱い … 肺 と腎 の気が不足していることが多い
③ ゼイゼイと大きな喘鳴で、息を吐くと軽くなる … 肺 に痰がたまっている実喘
④ ゼイゼイいうが、呼吸が小さく、吸気が少なくて、呼気が多い … 肺 と腎 の気が不足する虚喘
咳
① 咳の音が重く、水のような白い痰と鼻づまりを伴う … 外邪 (風 寒 の邪)
② 咳の音がこもっていて、濃い黄色の痰・のどの乾きと痛みを伴い、鼻息が熱っぽい … 肺の熱
③ 咳に力がなく、呼吸がせわしない … 肺気虚
④ 痰が多く、咳で喀出しやすい … 痰飲
吃逆(きつぎゃく;しゃっくり)
① しゃっくりの音が大きく、よく響く … 内熱
② しゃっくりの音が小さい … 気虚
噫気(あいき;げっぷ)
① においのないげっぷ … 胃気の不調
② 酸っぱいにおいのするげっぷ … 消化不良
言動
以前、「しゃっくりの止め方」 を募集して、その回答を「脂肪をためない食べ方」 に書きました。そして、「柿が色づけば、医者が青くなる」 では、渋柿のヘタを乾燥させたものが、しゃっくり止めの薬になるとご紹介しています。東洋医学では、しゃっくりを吃逆といいますが、これも病のサインのひとつとなるんです。
咳に伴って出る痰は、その色が白っぽければ寒証、黄色ければ熱証で、これは舌苔 の色と同じです。ほかに、鼻水の色とか、尿の色も同様です。従って、分泌物が白っぽいときは温める、黄色っぽいときは冷やすと覚えておくといいですよ。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
東洋医学講座の目次→
ツボの目次→
リフレクソロジーの目次→
妊娠・産後・授乳・子どものケアの目次→
アロマセラピーの目次→
『養生訓』の目次→
体操とストレッチの目次→
からだのしくみ・食・栄養の目次→
からだの不調と対処法の目次→