【夕顔10-3】古文単語「人めく」
源氏物語イラスト訳のあいです
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はホボホボ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
接尾語で知り得る古文単語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」
と申す。
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今回出てきた古文単語
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■【かの】…あの(連体詞)
■【白く】…ク活用形容詞「白し」の連用形
■【咲け】…カ行四段動詞「咲く」の已然形
■【る】…存続の助動詞「り」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【なむ】…強意の係助詞
■【夕顔(ゆふがほ)】…夏の夕方に咲く白い花
■【と】…引用の格助詞
■【申し】…サ行四段動詞「申す」の連用形
※【申(まう)す】…「言ふ」の丁寧(随身⇒光源氏)
■【はべる】…ラ変動詞「はべり」の連体形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(随身⇒光源氏)
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【は】…提示の係助詞
■【人めく】…人のようである
■【て】…単純接続の接続助詞
■【かう】…こう。このように
■【あやしき】…シク活用形容詞「あやし」の連体形
※【あやし(賤し)】…みすぼらしい
■【垣根(かきね)】…敷地を区切るための仕切りの垣
■【に】…場所の格助詞
■【なむ】…強意の係助詞
■【はべり】…「あり」の丁寧(随身⇒光源氏)
■【ける】…詠嘆の助動詞「けり」の連体形
■【と】…引用の格助詞
■【申す】…「言ふ」の謙譲(随身⇒光源氏)
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 今回の古文単語 「人めく」 ☆
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「~めく」というのは、
「~らしい」「~のように見える」という意味の接尾語です。
こういう基本の古語を知っていれば、
「人めく」と出てきても、混乱せずにイメージできますよね♪
(▰˘◡˘▰)
では、次のような問題はいかがでしょうか?
「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」と申す。
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.「夕顔」という花は、たいへん立派な名前のようですが、こんな辺鄙な垣根によく咲いております。
2.「夕顔」という花の名は、まるで子供のようなかわいらしさがあり、このように魅力的に咲いています。
3.「夕顔」という花は女性の名前のようであり、こんな隣家のような不思議な家の垣根にしか咲きません。
4.「夕顔」などと、一人前の人らしい花の名ですが、こんなみすぼらしい垣根にばかり咲いております。
5.「夕顔」という花の名は、人らしくもなく、このような見苦しい垣根にこそよく似合う花でございます。
基本的な語意の識別問題です。
「あやし」の意味を識別したあとに、
この「人めく」の語意を、正しくとらえていきましょう
【自動詞:カ行四段活用】
…一人前の人らしく見える。人らしく見える
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
1.「夕顔」という花は、たいへん立派な名前(不足△)のようですが、こんな辺鄙な(ズレ△)垣根によく咲いております。
2.「夕顔」という花の名は、まるで子供のようなかわいらしさ(ズレ△)があり、このように魅力的に(ズレ△)咲いています。
3.「夕顔」という花は女性の名前(スギ△)のようであり、こんな隣家のような不思議な(文脈ズレ△)家の垣根にしか咲きません。
4.「夕顔」などと、一人前の人らしい花の名ですが、こんなみすぼらしい垣根にばかり咲いております。
5.「夕顔」という花の名は、人らしくもなく(逆△)、このような見苦しい垣根にこそよく似合う(不足△)花でございます。
解答…4
「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」
と申す。
● 過去記事リンク
■か・かの
■はべり
■名
■~めく
■あやし
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