【帚木406-3】「引き立つ」
源氏物語イラスト訳のあいです
さあ!今日は重要古語!
毎日、少しずつ入れていきましょぉ♪
(ノ´▽`)ノ
【今回の源氏物語】
内も外も人騒がしければ、引き立てて、別れたまふほど、心細く、隔つる関と見えたり。
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今回出てきた古文単語
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■【内(うち)】…屋敷の内側
■【外(そと)】…屋敷の外側
■【も】…列挙の係助詞
■【人】…従者や家の者たち
■【騒がし】…騒がしい。あわただしい
■【ば】…順接の接続助詞
■【引き立つ】…襖障子を引いて閉める
■【て】…単純接続の接続助詞
■【―たまふ】…作者⇒光源氏への尊敬
■【ほど】…~間。~時には
■【心細し】…もの寂しい
■【隔つる関】…隔てる関所
■【と】…引用の格助詞
■【見ゆ】…思われる
■【たり】…完了の助動詞「たり」の終止形
↑単語の意味と文法的説明です。
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今日の古語 「引き立つ」
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「引き立つ」という古語は、
そんなに難しい意味ではないので、
重要古語には含まれませんが、
「引き―立つ」のつながりから、
文脈判断で意訳すべき言葉です。
また、
●自動詞―タ行四段活用
●他動詞―タ行下二段活用
の2つの違いがありますので、
活用にも注意して訳出しましょうね♪
(o^-')b
(タ行下二段活用動詞)
①引いて立たせる。引き起こす
②引いて閉める
③取り立てる
④引いて連れて行く。引っ立てる
*「学研全訳古語辞典」より
o(^-^o)(o^-^)o
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大学入試 古文 例題
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問題)傍線部の説明として、適切なものをすべて選べ。
1.引っ張って連れ出して
2.顔が引きつって
3.引っ立てて隙間に隠して
4.襖障子を引いて開けて
5.襖障子を引いて閉めて
下二段活用。他動詞の「引き立つ」です☆
現在でいう「引き立てる」のニュアンスで考えましょう。
('-^*)/
文脈によると…
直前の「已然形+ば」を押さえます。
屋敷の内も外も、騒がしく、
光源氏の帰る支度をしています。
なので。(已然形+ば)
光源氏は「引き立てて」
それから(単純接続「て」)
空蝉と「別れたまふ」のですね。
この流れから、
「引き立つ」の意味をさぐります。
ヽ(゚◇゚ )ノ
1.引っ張って連れ出して⇒「別れ」とズレ
2.顔が引きつって⇒「別れ」に不足
3.引っ立てて隙間に隠して⇒「別れ」とズレ
4.襖障子を引いて開けて⇒「立つ」語義ズレ
5.襖障子を引いて閉めて⇒OK
4と5ですが、
「開けて」と「閉めて」のどちらが、
「別れたまふ」の文脈によりふさわしいかも
考えに入れましょう♪
(*^_^*)ノノ
正解は……5
【今回の源氏物語】
内も外も人騒がしければ、引き立てて、別れたまふほど、心細く、隔つる関と見えたり。
● 過去記事リンク
■も
■たまふ
■見ゆ
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