【帚木338-3】「格子」「障子」~平安建具~ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木338-3】「格子」「障子」~平安建具~

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ 

古文の勉強がんばってますかー?('-^*)☆

 

帚木338のイラスト訳はこちら⇒

 

【今回の古文単語】

■【格子(かうし)】…角材を縦横に組み合わせた建具

■【上ぐ】…(格子を)上げるガ行下二段動詞

■【たり】…存続の助動詞「たり」の連用形

■【けれ)】…過去の助動詞「けり」の已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

■【守】…国守。ここでは、紀伊守のこと。

■【心なし】…情趣がない、無分別だ

■【と】…引用の格助詞

■【むつかる】…機嫌を悪くして不平や小言を言う

■【て】…単純接続の接続助詞

■【下す】…(格子を)下ろすサ行四段活用動詞

■【つれ】…完了の助動詞「つ」の已然形

■【ば】…~ので、~と順接の接続助詞

■【透影(すきかげ)】…隙間を通して漏れてくる光

■【障子(さうじ)】…襖障子、明かり障子

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【より】…~から起点の格助詞

■【漏る(もる)】…漏れるラ行下二段動詞

■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形

■【に】…~ので順接の接続助詞

 

重要古語は、こちらの一覧から検索してください。

 


今日は、「平安時代の建具」についてです☆

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平安時代の調度については、「厨子 」や「几帳 」など、

ちょっとずつ記事を書いてきましたが、

 

今回は、「格子」「障子」という建具が2つ出て来ました。

(*´∀`*)ノ


 

「格子」も、「障子」も、現代にもある建具なので、

そんなにキバって覚える必要もないと思うのですが、

ちょっとだけ補足説明いたしますね♪

(*・ ェ ・*)m



電子辞書メインに使っている人は気をつけてほしいのですが、

 

【格子(かうし)】

【障子(さうじ)】


歴史的かなづかいを知らなくては、ヒットしませんよぉ><;


私の愛用している小学館の古語辞典は、

ほぼ『源氏物語』の例文で、解説や絵もわかりやすいです♪

 

おすすめ♪(*'-^)-☆

 

 

【格子(こうし)】
寝殿造りの建具の一つ。

 細い角材を一定の間隔で縦横に組み合わせた黒塗りの戸。





 

現代の格子戸とは違い、建物の柱と柱の間に上下にはめてあり、

上だけを外側につり上げて開きます。


 

高校で習う『枕草子』の「雪のいと高う降りたるを」では、

御格子 参る」という表現が、定期テストでもよく出ます。

 

「参る(まゐる)」は謙譲語で、

「格子」を女房などが、お上げしたり、お下ろししたりする意味です。


 

「格子」は、上のイラストのように、つり上げて開くものだと

イメージしておきたいものです。

(o^-')b



 

【障子(そうじ)】

…室内を仕切ったり、部屋と部屋とを隔てたりするための建具。

 「明かり障子」「衝立(ついた)て障子」「襖(ふすま)障子」などがある。

 特に、「襖障子」をさす。



 

障子」を格子の骨組みの間に貼った「明かり障子」と解釈してもいいのですが、



おそらく、女たちは、

「近き母屋に集ひゐたるべし」とあるので、

 



寝殿造り
 

光源氏がいる母屋が右下の青色部分だとすると、

女たちがいるのは、おそらくお隣の赤色のあたりでしょう。


 

母屋(もや)は、寝殿造りの中心部にあって、

おそらく田の字型襖障子で仕切られているでしょうから、

 


 

母屋の外側の格子が開いていたから、

女人たちの声が聞こえてきていたのに、

 

それが閉められたので、

母屋の襖の向こう側に聞き耳を立てた。


 

こう解釈すると、

光源氏がどういう目線の動きをしたのかが、

よく分かりますよね♪

 


イラスト訳を始めから読みたい人はこちらから→

本日の「源氏物語」まとめ

 

■帚木338(原文)

格子上げたりけれ、「心なしむつかり下しつれ、火灯したる透影障子より漏りたる

本日の古語~過去記事リンク~

たり(助動詞)  たり②

けり  けり②

ど・ども(接続助詞)

―守(かみ)

「心」を用いた形容詞一覧

むつかし

て(接続助詞)

つ(助動詞)

の(格助詞)

より  

に(助詞)

 

 

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今日もご訪問ありがとうございました☆

お役に立ちましたでしょうか?(o^-')b