●昭和史1926→1945 @半藤一利 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

学校ではほとんど時間切れ、駆け足で終了~。。な昭和史。これを半藤先生の
授業形式で誰でもワカル本&CDにしよう!
という編集者さんのナイスな企画。


半藤さんの「昭和史」は二部制で、
この前編は、昭和の戦争が如何に始まり、
どうやって終わらせたか、を解説する。


「昭和の語り部」というキャッチフレーズが
お気に入り♡だという半藤さん。(^-^)
その名の通り、分かりやす~い昭和史。
わかる、ワカルぞ。分かりやすすぎるぞー






大正天皇の崩御は1926年12月25日。
なので、大正15年の残り1週間が
昭和元年になる。


問題だらけの昭和大動乱の始まりは、
昭和3年の「満州某重大事件」。(1928)


もうネーミングからして問題感プンプンだが
半藤先生いわく「張作霖という中国の
大軍閥の親玉が乗った汽車を日本軍が爆破
して暗殺した」=張作霖爆殺事件


これが、関東軍の完全なる意図的謀略で
さらにその後、満州事変(1931)、
満州国建設へと暴走する。


関東軍参謀は、大元帥たる天皇の命令
なくして戦争を始めた重罪人であり、
死刑になるはずなのに出世した。
昭和がダメになったのはこの瞬間だ・・と
半藤さんは怒ってる。






そもそも「満州」って、、σ(^_^;)?
中国北東部のこと。
のち内モンゴルを入れて「満蒙」って言う。


「満蒙の解放」って言葉も聞くけど、これは
日本の支配下に置く、ことなんだって。


もちろん清国の領土だけど、日露戦争の
勝利で遼東半島、南満州鉄道の経営、
炭鉱採掘、森林伐採、そして軍隊の駐屯権を
日本が獲得したのが明治38年。(1905)


この軍隊が関東州の旅順・大連に司令部を
置いたので「関東軍」と呼ばれ、日本は
軍の拡大を進める。    なぜなら満州は・・


●ロシアの南下を防ぐ防衛線
●日本本土を守る為の資源供給地
●増える人口の流出先


として必要不可欠な存在で、、日本は
満州経営に躍起となり、昭和史は常にこの
満州問題に絡んで起こっていくんだ。







全編印象的なのは、「昭和天皇独白録」
からの引用。天皇がただ奉り上げられる
だけの存在でないことがよくわかる。


信頼できない者、怪しげな軍部の動きなど、
ちゃんと把握されていて、呼びつけて
叱責したり、何時間も詰問したり。
時には禁を破って人事にも口を出した。


特に、対米英の戦争は絶対避けるように!と
いうことは、強く言っておられる。
どうして、天皇陛下の言いつけを
守らなかったのだろうか。。


慶応元年(1865)に開国を国策として以降、
1905年の日露戦争勝利まで・・・明治の父祖が
40年かけて作った国を、その後の40年で
滅ぼしてしまった。1945年敗戦・降伏。


日独伊三国同盟が結ばれてしまった時、
90才の元老にして幕末の士、戦前21人の
総理大臣を全て決めた、という西園寺公望は  「これで日本は滅びるだろう」と
嘆息したという。



こういう本、小中高校生にどしどし
読ませるべし。   (*`Д´)ノ!!!



東京大空襲後の深川を巡察する天皇。(右)