「そんなところで
つまずいていたんですね。」

親御様とのLINEメッセージの
やり取りの中で、
お母様が発せられたお言葉です。

現在、中学2年生。

三人称単数現在形のところで、
ずっと引っかかったまま。

もともと勉強が好きではない子。
それもあって、
お世辞にも「できる子」では
ありません。

今年の夏季講習中ですが、
参加している生徒さんの
「見えざる所」が
どんどん見えてきたのです。

教材会社の方には
申し訳ないのですが、
いわゆる一般化された
夏期講習テキストを使っていたら、
おそらく見えては来なかったでしょう。

この子については
英語だけではなくて数学も、
正負の数の足し算と引き算で
ずっと引っかかっている。

まあ、引っかかりが多くて、
それを解きほぐすのが
容易ならぬ子ではあるのですが、

ある日、

「先生、英語の長文をやってみたい」

と言ってきたのです。

「して、その理由は?」
「何となく。」

何となくにせよ、今まで
こんなことを言ってきたことは
なかったので、

何か心境の変化があったのかしら?

長文といっても、
まだ2年生のこの時期ですので、
1年生の初期内容のものを
してもらいました。

そのときの発見のひとつが、
15行くらいの英文の大意を
ちゃんとつかんでいることでした。

細かな和訳はできないけれど、
6割くらいの大意はつかめているのです。

それは、設問を解いたときに分かりました。

内容を尋ねられて
日本語で答える問題は、
全問正解しているからでした。

もしかしたら・・・?

英語の成績が上がる云々の前に、
英語に関心を抱くための道を
開けられるかも知れない。

そして、関心を持つことができれば、
自力で進んでいけるかも知れない。

おそろしく漠然としたものでは
あったのですが、
塾屋稼業38年目のワタシには
感じられたのです。

そして、英語長文の2つめになって
正答数がガクンと落ちました。

「He study English every day.」

と書かれているのです。

英語が苦手な子の「あるある」やなと、
そのときは思っていたので、

「長文もエエけど、こうやって
できないところがあぶり出せるのでね、
そこの文法の入門レベルを
してもエエかもよ?」

大抵は渋るんですが、
このときはすんなりといきました。

出るわ出るわ・・・!

ホンマにアカンやつでした。

何がアカンって、
does と動詞のSのやり取りが
全く分かっていないのです。

そのことをなんやかんやと
やり取りしているうちに、
彼がこんなことを言い出しました。

「先生、ナンで動詞に
『S』がついたり消えたりするのん?」

「does が身代わりをするからやねんで。」

「そこやねん。
そもそも『does』ってナンなん?」

あ、これは・・・!

「do」が何者かから
説明せなアカンやつでは?

そう思ったので、
1000年前の英語の世界へと
彼をいざないました。

それがこのAI漫画です。



※「預かりのS」は、この生徒さんとの

やり取りの中で偶然生まれた呼び方です。


これで、この生徒さんは腑に落ちたのです。

そのことを、この漫画の画像とともに
お母様にLINEメッセージでお送りしたところ、

お母様も気づかなかった
彼の独特の思考回路が
見えてきました。

ところが、この思考回路。

当時のワタシに
似ていることに気づきました。

納得できないことは、
覚えられない。

「先生、ナンで動詞に『S』があるん?
複数の『S』と何が違うん?

『does』って何者?

で、これが出て来たら
ナンで動詞の『S』が消えるん?」

学校の先生に尋ねても、

「それは先生にも分からんわ。
まあ、こういうモンと思って
覚えたらエエねん。」

これでは納得できない。

1年生の初期から、
ずっとここで
引っかかっていた子でした。

そしてこの日、
彼は納得したのです。

「あ、すごい単純なんや。」

1年生のときには
言語化できなかったことを、
2年生になってできるようになった。

このことが
大きいように思います。

夏休みには、
このような発見のドラマが生まれます。

だから、通り一遍の夏季講習では
ジュクチョー自身が納得しないのです。



 

 

 

 

 

 

 

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