『大富豪父の教え 第14話』。
0話目. 『大富豪 父の教え』
1話目. 『荒川祐二の物語』
2話目. 『大丈夫。必ず出来るから』
3話目. 『父から受け継いだ財産』
4話目. 『人生の得意技を見つける』
5話目. 『母の言葉が起こした奇跡』
6話目. 『頑張る前に、頑張り方を知る』
7話目. 『人生に無駄はない』
8話目. 『群れない強さを持つ』
9話目. 『新宿駅東口のゴミ拾い』
10話目. 『お金のブロックの外し方』
11話目. 『嫁画伯との結婚』
12話目. 『4000万円の借金が出来ました』
13話目. 『上に立つ者の使命』
あ「『大富豪 父の教え』シリーズも、
いよいよ後2回です」
ス「……。
どうや?今のお前の気持ちは?」
あ「こうして自分の人生と同時に、
父が教えてくれて来たことを、
振り返ると…。
父と過ごしてきた時間が、
甦りますね。
自分の脳裏に、
フッと父の教えのようなものが、
インスピレーションで降りてきたり…。
まるで父が、
傍にいてくれるようです」
ス「まぁ実際、
そうやねんけどな」
あ「実際そう、とは…?」
ス「まぁ人の世界と、
魂の世界の話よ。
これはまたいつか、
話したるわ。
とりあえず今は、
しっかりと最後まで、
親父さんの物語を書いてあげてくれ」
あ「…はい…。
ありがとうございます。
『大富豪 父の教え』シリーズ、
今日を含めて、
後2回。
今日は僕が30歳、
息子君が生まれた時の話です」
書の活動、作家、
そして結婚、ラーメン屋…と。
人生の節目で、
僕の人生に脈々と、
流れ続けてきた、
父の教えによって、
僕はこれまでの人生を、
生きてくることが出来た。
子どもが出来た。
かつてこちらの記事でも、
話をしたことがあったが、
子どもが出来たのが30歳。
7年間、
ずっとずっと子どもが欲しくて、
紆余曲折を経て、
ようやく出来た、
待望の息子くんだった。
外に出ることをあまり好まなかったのだが、
この時はわざわざ、
お祝いに大阪から東京まで、
出向いてきてくれた。
新たに父となる僕に、
語ってくれた、
『子育ての極意』はこうだった。
父「お前もこれから父親か」
あ「はい」
父「子育てに於いて、
一番大切なことって何やと思う?」
あ「…子育てに於いて、
一番大切なこと…。
『感謝』でしょうか?」
父「まぁ、確かにそれはそうや。
ただ『それも含めて』、
大切なことがある」
あ「…なんでしょう…」
父「子どもを育てる上で、
大切なこと。
それは、
『まっすぐ素直に育ててあげる』ことや」
一見普通に思える、
父のこの言葉の意味は何だろうか?
疑問に思う僕に、
父が続ける。
父「子どもは産まれてから、
右も左も分からない中、
何を見て、
言葉や行動を覚えていくと思う?」
あ「…親…ですか?」
父「そうや、親や。
子どもは親を見て、
言葉を学び、
親を見て、
行動や生き方を学んでいく。
それぞれ性格の違いがあるとはいえ、
子どもの人生の根幹を、
形作るのは、
99%が親の影響や。
ということは、
どういうことか?」
あ「…?」
父「『素直に、まっすぐに』、
育ててあげることが、
一番大切なことで、
子どもにそうさせてあげることが、
親にとって一番大切なことやということや」
あ「…少しまだ、
よくわからないんですが…」
父「綺麗なものを見て、
素直に『綺麗』と、
言える心を養う。
親切にされて、
素直に『ありがとう』と、
言える心を養う。
目の前で人が転んだら、
咄嗟に駆けつける、
心を養う。
そういった心があれば、
子どもはいずれ親元を離れても、
たくさんの人に愛されながら、
助けられながら、
自分の足で、
自分の心で、
素晴らしい人生を、
生きていくことが出来るんや。
その逆に…」
あ「………」
父「綺麗なものを見ても、
素直に『綺麗』と言えず、
何かしら文句をつけたくなる心。
親切にされても、
素直に『ありがとう』と、
言えない心。
目の前で人が困っていても、
自我を優先させてしまう心。
そういった風に、
子どもの心を作り上げてしまうと、
それはいずれその子の人生で、
多くのトラブルを抱えさせることになる。
そしてそういった子どもの心を、
どっちに育て上げるかは…」
あ「………」
父「すべて普段からの、
親の態度であり、
言葉がけであり、
『生き方』そのものである、
ということや。
だから親は自覚を持って、
普段からその背中を、
子どもに見せていかなければいけない」
そう言うと父は、
ニコッと笑って言った。
父「まぁ色々言うたけどな、
お前が一番良い人生を送れ。
子どもがお前を見て、
尊敬出来るような、
『お父さんのように、
お母さんのようになりたい』と、
そう思える人生をな。
それが子どもにとって一番の、
『人生の教科書』になるから」
『大富豪 父の教え』の物語は、
次で一旦の最後を迎えます。
今日までのこの物語がどれだけ、
皆さんの人生の参考になってくれたかは、
わかりませんが、
次で、
僕自身が今出来る、
最高の形で、
父の最期の言葉を、
伝えたいと思います。
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