『大富豪 父の教え』。
0話目. 『大富豪 父の教え』
1話目. 『荒川祐二の物語』
2話目. 『大丈夫。必ず出来るから』
3話目. 『父から受け継いだ財産』
4話目. 『人生の得意技を見つける』
5話目. 『母の言葉が起こした奇跡』
6話目. 『頑張る前に、頑張り方を知る』
7話目. 『人生に無駄はない』
はなむけの物語として、
どうぞ最後まで、
お付き合い頂けましたら幸いです。
それはそれとしてや、
お前はもう大丈夫なんか?」
あ「何がでしょう?」
ス「いや、その気持ち的なものというか、
何と言うか」
あ「昨日スサノオさんと出会って、
1周年記念のブログを、
書いたじゃないですか」
あ「何だかあれ以来、
少し気持ちが変わって来たんです。
父の死から二週間で、
まだまだ整理することが多くて、
今年いっぱいぐらいは、
元のような文章を書けるか、
わからなかったんですが、
昨日の皆さんの反応を感じて、
『あぁ、やっぱり皆さんこういった僕らを、
求めてくれているんだなぁ』と思うと、
嬉しくなって」
ス「まぁそれも人のエネルギー全般を、
活性化させる万能の神でもある、
俺、俺、俺の、
おかげ、おかげ、おかげやけどな」
おかげ、おかげ、おか…」
あ「(笑)
だから、荒川祐二は大丈夫です。
たくさんの心配をありがとう。
今日の『大富豪 父の教え』始め、
少しずつですが、
再開していきましょう。
今日は僕の、
大学時代のお話に、
時計の針を戻します」
高校受験には失敗したものの、
父からの、
『それでも努力は裏切らない』という、
言葉通り、
たくさんのご縁に恵まれて、
本来の自分では遥かに、
手の届かなかったはずの、
東京の上智大学という大学に、
入学することが出来た、
18歳の荒川祐二。
始まったキャンパスライフは、
サークルに入って、
飲み会に行ったり、
時間を楽しんでいた。
ただ、
何かが足りない。
心の底では正直、
そう思っている自分がいた。
確かに、
遊ぶことは楽しい。
友達と話をしながら、
ただ過ぎていく時間に、
身を委ねるのも悪くはない。
ただ、
大学生活というのは、
学校の授業だけで見ると、
あまりにも『楽』すぎた。
これまでの人生の中で、
全身全霊をかけて臨んできた、
空手の時間や高校受験、
その時の過去の自分が、
『それでいいのか?』と、
問いかけてきているような
そんな気がした。
その時に、
僕が大阪から東京に出る時に、
父が餞別にと、
言ってくれた言葉を、
思い出した。
父「祐二、ええか。
馴れ合うだけの友達なんかいらんぞ」
父のある意味、
衝撃的な言葉に、
多少の疑問を持ちながら、
僕が聞く。
あ「どういうことですか?」
父「その言葉通りや。
馴れ合うだけの友達なんかいらん。
俺には友達はおらん。
でも、
『仲間』はよぅけおる。
お前も本当の意味での、
自分自身を高め合える、
『仲間』を見つけるんや。
馴れ合いではなく、
それぞれが自分の足で立って、
群れることなく自分の心で、
人生を生きて、
お互いに刺激し合って、
自分も負けてたまるかって、
切磋琢磨し合えるような、
そんな人間関係を築き合える、
本当の意味での、
『仲間』をな」
あ「友達ではなく、
『仲間』…。
はい…」
父「大学生活4年間というのは、
きっとたっぷりの時間があるやろう。
その時間の中でな、
たくさんの仲間と出会い、
たくさん刺激し合い、
その中で自分自身が、
様々なことにも挑戦して、
『本当に自分が何をしたいのかを知る』。
社会に出たら、
忙しすぎて、
そんなことを考える時間もなく、
みんな年齢を重ねていくわけやからな。
だから、『今』やねん。
お前が本当にこれからの未来を、
どう歩んでいきたいか。
それを考えることの出来る、
大切な時間は、
この4年間やねんからな。
いっぱい多くのことを経験して、
その中で、
本当に自分自身がこれから歩みたい未来を、
しっかり決めてくるんやで」
…ちょうどその頃ぐらいから、
僕自身も周りの友だちと、
どこか関係が、
上手くいかなくなり始めていた。
みんなが授業をサボり始めたり、
パチンコやスロットをやるようになったり。
『このままただ時間が過ぎていくのを、
望むような人生を送りたくはない』
自分自身も仲間外れにされることを恐れて、
周りの流れに合わせそうになっていた僕だったが、
その時勇気を出して、
所属していたサークルも辞めた。
人間関係も変わって来た。
心と心で引き寄せ合っているという。
自分自身の心持ちが変われば、
元々所属していたコミュニティとも、
ズレが生じる時があり、
しかしそこで勇気を持って、
『えいや!』と飛び出せば、
新たなる未来が待っていて、
そこには、
新たなる人間関係が待っている。
次に僕を待っていたのは、
大学生ながらに海外で、
ボランティア活動をしていたり、
自分自身の夢を追って、
カメラマンになるために、
海外を飛び回っていたり、
実際にすでにもう、
企業を起こしているような、
そんなそれぞれが、
自分軸を持って生きている、
『仲間』との出会いだった。
しかし、
父の言葉通り、
彼らは群れない。
それぞれが周りのことを、
気にしている暇がないぐらい、
自分の人生に集中しており、
必要な時だけたまに会って、
またその後にはすぐに、
それぞれのフィールドに帰っていく。
そんな人間たちばかりだった。
そんな彼らを目にした時、
大学3年生になっていた、
僕は考えた。
『なら自分には、
何が出来るのだろうか?』と。
自分が自分の足で立って、
生きていくために。
自分の心で、
人生を生きていくために。
そして、
2006年11月8日。
次に僕の人生を激変させることになる、
大きな転機が始まった。
新宿駅東口でのゴミ拾いだった。
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