ポストハーベスト農薬問題
ポストハーベストとは、収穫後の農産物に使用する殺菌剤・防カビ剤などの総称です。(ポストとは「後」、ハーベストは「収穫」を意味する)日本では収穫後の作物に、ポストハーベスト農薬を使用することは禁止されていますが、アメリカをはじめとする諸外国から輸入されている小麦・大豆・果物などは、収穫後の倉庫や、輸送中にカビ等の繁殖を防止するため農薬が散布されることがあります。遠い外国へ時間をかけて運ばれる輸出農産物は、その運送時間が長くかかるほど運搬中に発生する害虫やカビによって品質を悪くし、商品価値を下げてしまう危険性を伴います。また万一カビが発生したものを口にした消費者が食中毒などを起こしたら大変な問題になるため、それらを防ぐためにポストハーベスト農薬が使用されています。 ポストハーベストの危険性ポストハーベスト農薬は、通常畑で使われる農薬の100〜数100倍濃い濃度で使われている。農薬は表面に付着するだけではなく、皮の中にまで浸透する危険性がある。(洗い落としきれない)使われる農薬の中には、発がん性や催奇形性が疑われる薬剤も存在する。薬剤が収穫後、貨物船の輸送中などに散布さるということは、消費者の手元に入る極めて近い段階で農薬が散布されるということになる。残留農薬の可能性のある輸入農産物現在、日本は食糧自給率が40%以下とされています。輸入されている農産物の中でポストハーベスト農薬使用の可能性がある農産物は、ザッっと調べただけでもこんなにありました。 小麦大豆米とうもろこしオレンジバナナレモンさくらんぼじゃがいもカボチャナッツ類小麦について日本国内で消費される小麦の85%以上は外国産です。パン用の小麦に限っては99%が輸入麦です。その輸入麦については実際、国で定めた基準値以内でありながらポストハーベスト農薬(マラチオンなど)の残留が毎年認められているそうです。※マラチオンは精子数を減らすという環境ホルモン作用が指摘されている農薬です。防カビ剤 2,4-D についてスーパー等で、レモンなどの柑橘系果物に「防カビ剤OPP、TBZ、2,4-D」といった表示を見かけたことがある人は多いと思います。この中の「2,4-D」という農薬は、かつてベトナム戦争で使われた「枯葉剤」と同様の成分で、薬剤の製造過程で副産物の含まれるダイオキシン類が混入し、現地で奇形をもつ子供が生まれる原因とされた農薬です。枯葉剤被害とされるベトちゃんドクちゃんは、日本でもニュースなどで大きく取り上げられました。