使用店様を訪問して、塩の役割とアミノ酸の話を
しばらく、使用店様の訪問記を書いていませんでしたが、年末に引き続き、お年始のご挨拶回りということで、相変わらず、いろいろ、行っていたんですよ。
一気にお料理写真をご紹介します。
銀座の「銀座KANSEI」さんのランチ「ズワイガニとキノコ・白味噌 ブルーチーズのグラタン」。
こちらは、下北沢の「高むら」の「鮭の麹漬け」。
「トリッパと野菜の炊き合わせ」。
さらに、こちらは、中野の「四季音」。手作りカラスミをキスに巻いた揚げ物。「わじまの海塩」で。
「京野菜の炊き合わせ」。
行った先、行った先で、このブログでもご紹介しているグラフをお見せして、料理長様たちとお話を。
日本のダシとアミノ酸の種類。
フレンチのチキンブイヨンと、中華の「湯」と、アミノ酸。
(グラフは、「うま味インフォメーションセンター
」のホームページより)
どんなお話をしたかというと・・・・。
従来、日本での、塩の役割は、生臭みを取り、水分を取り、保存をするもの。
今から40~50年前には、まだ、電気冷凍冷蔵庫も家庭には普及していなかったため、保存のための「塩蔵」が重要だった。腐敗させる原因となる水分を抜ききり、うま味を抜ききって保存する。それが塩の役割だった。
マグネシウムの含まれた塩であれば、味の保護膜ができ、うま味は閉じ込められるけれども、マグネシウムの苦味を嫌い、精製された塩の場合には、うま味がすべて逃げてしまう。
そこで、うま味を付加するものとして、「だし文化」に。そして、発酵した「うま味」を持つ醤油や味噌が必需品に。
フランスの場合は、塩の使い方がそもそも違い、食材から「うま味」を出すもの。肉が消化分解されてアミノ酸になったものを摂っている。
日本では、舌では美味しい「うま味」を食べていても、身体の中では、体の外でしか合成されない必須アミノ酸が不足していたのではないか?
・・・というようなお話をしました。
フレンチの銀座KANSEIの坂田幹靖シェフは、「フランスでチキンブイヨンには塩を使います。まったくその通りでしょうね」ということでした。
ときどき、無性にラーメンが食べたくなる、ということがあるのは、身体が必須アミノ酸を求めているのかもしれません。
でも、「わじまの海塩」を使っている料理長様は、魚や肉が消化分解されてうみ出される、豊富で複雑なアミノ酸の「うま味」の味をわかっている方でしょう、という結論です。
「わじまの海塩」のお客様は、必ず、「醤油を使わなくなりました」とおっしゃいます。塩だけで、うま味が満足される、アミノ酸が得られる、ということでしょうね。
「漆サミット2011」と若宮隆志さんの漆器作品
1月15日(土)明治大学アカデミーコモンで「漆サミット2011」が開かれました。
全国から漆の関係者が集まり、ポスター発表をしたり、パネルディスカッションをしたり、という会。
輪島からは、親しくさせていただいている漆器作家の若宮隆志さん、古込和孝さん 、柴山佳範さんがいらっしゃっていました。
若宮隆志さん(1964年生まれ)の作品。「蓬莱山」。
亀の背中を、中国の伝説の理想郷・不老不死の仙人が住むという蓬莱山に見立てたものです。背中の蓋をあけると、こんなふうに。
赤い塗で、日の出鶴が蒔絵(まきえ)で描かれています。
中の小物入れのようなものには、竜宮城に向かう船が描かれています。
そして、それを裏返すと・・・。
神々しいほどに、海底に差し込む日の光と古代魚など。漆を研ぎ出し蒔絵で書いたもの。
陰と陽の組み合わせ、人生、悪い時もあれば、必ず良い時もあるよ、と表現されています。
明日19日から、日本橋三越で「若宮隆志展」やります。作品を見て、若宮さんご自身から、作品の背景にあるお話を伺うだけでも、癒されますよ~。
「彦十蒔絵 若宮隆志展」
日時:1月19日(水)~25日(火)
場所:日本橋三越本店 本館5階 J.スピリッツ
会場には、漆器の1つづつの工程が並んでいました。こ~んなにあるんです。
最初はこちら。こんなふうに荒取りされたものが・・・
このように繰り抜かれ・・・、
漆の塗が重ねられ・・・、
さらに重ねられ・・・、
こんなふうに塗られた漆器は、燃えることがないのだそうです。現在発見されている世界最古の漆器は、北海道の函館で発見された9070年前のものだそうです。
漆の木は、育てて10年で漆の樹液が掻けるようになるそうですが、1本の木から取れる量は、お椀に塗るなら5個分ほどだけで、寿命が尽きてしまうのだそうです。
輪島では、昭和46年から、市と民間で漆の木を14万本植えたそうですが、今残っているのは、1700本ほどということ。
日本の漆は、栽培漆で「里漆」と言われ、下草を抜いたり、葉が重ならないように管理しないといけないのだそうです。
その他、漆のうんちくとしては・・・、漆で染色すると金色になるのだそうです。天皇陛下がお召になっている着物の金色だそうです。
また、韓国では、漆のエキスに抗癌作用もあるということで、薬事法で認められ販売されているそうです。健康食として、お鍋の具に入れたりもしているそうですよ。
漆は英語で「japan」。日本人は日本の漆に、もっと目を向ける必要があると考えさせられました。
若手の作家さん達、11月には東京・代官山で、石川県の地酒メーカーと協賛して、漆器の酒盃の展示会をやるということ。「わじまの海塩」やお料理とも、何かコラボができればいいなーと思いました。
わじまの海塩の「赤蕪漬」by 滋賀県・甲良町法養寺特産部会
毎年、冬に、滋賀県犬上郡にある甲良町法養寺特産部会という農家さんが、「豊後赤蕪漬」を漬けています。ご縁あって、発酵に適したミネラルバランスの「わじまの海塩」を使ってくださっています。
米ぬかボカシで土壌改良した土地で有機肥料で栽培した「ゆるぎ赤丸蕪」を、同じ土壌で作った米からとれる米ぬかと「わじまの海塩」、それに少々の中ザラ目糖、梅酢を加えて漬けたものです。
蓋をあけると、こんなふうになっています。
さらに、ビニールをとると、ヌカがぎっしりです。
この中に、こんな赤丸蕪が、10~12個入っているんです。
長い葉っぱがそのまま付いています。
ヌカを洗い落として、切ってみますと、中が赤くてきれいです。
化学調味料無添加で安心ですし、今年、私は、これを御歳暮に使いました。年末にご挨拶に伺ったお店などには、2,3かぶをおすそ分け。
こちらは、そのお一人から、「さっそく日本酒と一緒にいただきました」と写真を送ってくださいました。
「わじまの海塩」のお漬物、自然な乳酸菌発酵の味です。みなさんから、とても評判がよく、
「しょっぱくなくてまろやかでしっかり漬かっていて滋味あふれるお味、栄養が一杯のお漬物、生まれて初めてこんなおいしいお漬物に出会いました。」
「果肉がやわらかく、ぬか漬けの味加減がいいですね。」
というようなご感想をいただきました。
甲良町法養寺特産部会さまのところで、12月に漬けたものがまだ少し残っているそうです。ご興味のある方、メッセージにてご連絡ください。
※甲良町法養寺特産部会産 「豊後赤蕪漬」 わじまの海塩使用
1.5kg 2,625 円(税込) 送料実費
摂り過ぎても良い塩とは…『良い塩・悪い塩で健康に大差がつく』」より
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。
何が良い塩で、何が悪い塩かという本題に入る前に、人間は塩なしでは生きられないという前提知識を紹介しました。
第1回:「身体の細胞と塩との関係」 について
第2回:「ナトリウムの働き(ナトリウムポンプ)」について
第3回:「塩不足と腎臓の機能の関係」について
また、塩の摂り過ぎが高血圧の原因と言われていますが、それは塩素とナトリウムが結合した塩のうちの塩素が原因だという研究があるということを紹介しました。
さらに、前回は、塩素とナトリウムが強固に結びついていると、排出されるべき塩素が体内に残ってしまうということについて紹介しました。
今回はようやく最終回、「摂り過ぎても良い塩とは」について紹介します。
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塩素とナトリウムが固く結合して分離することができなければ、塩素はナトリウムと結合したままで体内を移動することとなります。
尿や汗などとして排泄されるべき塩素がナトリウムと結合したままで体内に残った場合、前述したように、血圧を上昇させることになります。塩素が、ナトリウムと一緒になって体内に残ってもらっては困るのです。
ですから、血圧を上げないためにも、また、身体を健康に保つためにも、低温処理した塩を選んで摂ることです。
そうすれば、塩素とナトリウムの結合が弱いため、身体に必要ない分の塩素は体外に排泄され、ナトリウムだけが体内に残ります。
低温処理の塩の長所はこの他にもあります。
ナトリウムと塩素が分離すれば体内のナトリウムが正常に作用するため、塩を摂ってもむくみなどが起こりません。
特に高血圧の人の場合、塩分を摂り過ぎると、身体の塩分濃度を一定に保とうとする腎臓に負担がかかってむくみなどを引き起こします。
これは体内に急に増えた塩分を薄めようと水分が取り込まれるからです。いわば、身体が自動的に行なう応急処置のようなものです。
しかし、低温処理した塩を摂った場合は、このむくみが起こりません。塩素とナトリウムが別々に働き、身体の塩分と水分の濃度を整えてくれるからです。
このように、精製時に塩に加えられる熱が、それぞれの塩の性質を大きく変化させ、身体に与える影響も大きく変えてしまいます。
化学塩は、イオン交換樹脂膜による海水の透析法により、電気的な方法と併せて分解し、イオン結合させています。
従来の天然塩と言われる塩田法式の塩も熱を加えて海水を蒸発させるので、ナトリウムと塩素が固く結びついていて、海水とは程遠い成分になっています。
古い方式や習慣による塩採取方法をそのまま信じないでください。
しかし、全く塩素とナトリウムがイオン結合せず、かつ海水の成分をそのまま含む塩の製造技術も生まれています。
自然の熱で水分を蒸発させた塩は、イオン結合が緩やかなため、より自然に近い塩だと言えましょう。
海水に熱を加えず、単に水分だけを取り除く方法を採用した製塩法か否かさえ確認すれば、海水に含まれるさまざまな元素をそのまま含む自然塩を手に入れることができるのです。
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「わじまの海塩」は、釜炊きせず、室内で、海水の上からランプを当て、40度未満の低温で海水を蒸発させていき、じっくりと結晶させた塩です。
この本は平成12年に発行された本で、今は絶版になり、実は私も年末に中古本を入手したものなのですが、なんだか、「わじまの海塩」のために書かれたような本だなあと思いました。
「わじまの海塩」の塩士・中道肇は、平成8年から塩作りを始めましたが、塩素が身体に悪いのではないかと考え、ずっと低温製法にこだわった塩作りをしてきました。この内容は、中道の直感・体感ともいえる理論と一致します。
このブログでも、塩を「わじまの海塩」に変えたら、むくまなくなった 、とか、腎臓病で人工透析をなさっている患者さんが「わじまの海塩」にして、一日塩分を12g摂っても、血液検査でひっかからない 、というお客様からのエピソードをご紹介したことがあります。
低温結晶の「わじまの海塩」、安心してお使いください。
塩素とナトリウムの結びつき
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。
何が良い塩で、何が悪い塩かという本題に入る前に、人間は塩なしでは生きられないという前提知識を紹介しました。
第1回:「身体の細胞と塩との関係」 について
第2回:「ナトリウムの働き(ナトリウムポンプ)」について
第3回:「塩不足と腎臓の機能の関係」について
そして、前回は、塩の摂り過ぎが高血圧の原因と言われていますが、それは塩素とナトリウムが化合した塩のうちの塩素が原因だという研究があるということを紹介しました。
第4回:「高血圧の原因は塩素だという説」について
だんだん、本のタイトルである「良い塩・悪い塩」の本題に近づいてきましたよ。
今回は、「塩素とナトリウムの結びつき」について説明します。
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血圧を上げる原因が塩素にあると確認されつつあるものの、私たちの食生活に塩分は不可欠で、ほとんど毎日摂っています。もちろん、塩素の入っていない食塩なんてありえません。
私たちは、血圧を上げる原因となる塩素を摂り続けなければならないのでしょうか。
心配はいりません。この塩素は体内の塩分の濃度が一定に保たれていれば、体外へ排泄されるからです。
通常、摂り過ぎと言われる栄養素は、体内に蓄積されるものを指しますから、体外に排泄されるものを、摂り過ぎて病気になるということはほとんどありません。
しかし、塩素とナトリウムが非常に固い結びつきになっていて、二つの元素が体内で離れなかったとしたら、どうなるでしょう。
塩素とナトリウムの化合物である塩という塩化ナトリウムが、体内でも結びついたもま片方だけ排泄することができなければ、塩素はナトリウムとともに体内に残ることになってしまいます。
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つまり、塩の種類によっては、塩素が体内に蓄積されてしまう場合もあるということですね。その鍵を握っているのが製法ということなんですよ。
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塩の製造の仕方によって、塩素が体内に蓄積される塩と、塩素が体外に排泄される塩との2種類に分かれます。
したがって、塩素が体外に排泄される塩を選ばなければなりません。
塩が精製される工程でいったん高熱を与えられると、塩素とナトリウムの結びつきは強固になってしまいます。
塩化ナトリウムは通常、水に溶けると塩素とナトリウムに分離すると言われています。しかし、一度高熱で処理され、塩素とナトリウムの結合が固くなっている塩の場合、体内に入っても分離しません。
この、塩が塩素とナトリウムに分離するか否かが、身体によい塩と悪い塩を分別する一つのキーポイントです。
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では、身体に良い塩とはどういう製法の塩なのか、次回・最終回で説明します。
高血圧の原因は塩素だという説
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。
何が良い塩で、何が悪い塩かという本題に入る前に、人は塩なしでは生きられないという前提知識を、以下のように紹介してきました。
第1回:「身体の細胞と塩との関係」 について
第2回:「ナトリウムの働き(ナトリウムポンプ)」について
第3回:「塩不足と腎臓の機能の関係」について
今回は、「高血圧と塩の本当の話」の章から引用して、「高血圧の原因は塩素だという説」についてご紹介します。
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塩の成分については、大半は塩化ナトリウムが主成分です。塩化ナトリウムは塩素とナトリウムが化合したもので、言うまでもないでしょう。
では、「塩分の摂り過ぎに注意!」とよく言われますが、本当に塩の摂りすぎは身体によくないのか、塩化ナトリウムの<塩素><ナトリウム>のいずれかが身体に悪影響を及ぼすのでしょうか。
この問題は、長年にわたって、医師や各研究者間で様々なデータをもとに論争が繰り広げられてきました。
その結果、未だ一部少数の学者たちの間ですが、問題は塩素にあることが浮上してきました。
たとえば、ナトリウムを塩素ではない違う化合物と結合させて人に与え、塩分の摂り過ぎで生じる代表的な健康障害である高血圧を見てみましょう。
ナトリウムを塩素以外のものと結合させたもの、つまり炭酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムを人に与えた場合、血圧の上昇は見られませんでした。
一方、塩素をナトリウム以外のものと結合させた塩化カルシウム、塩化コリン・リジン塩素酸などを人に与えると、血圧の上昇が確認されたのです。
つまり、血圧の上昇の原因は、ナトリウムではなく塩素にあるということです。
ですから、高血圧だからと言って、塩を完全に抜いた食事をすると、逆に健康を害してしまうことにもなりかねません。
人によっては塩分の不足は、めまいや頭痛に悩まされたり、突然脱力感に襲われたり、眠くなりやすくなったり、身体が動きにくくなったりなどの症状をあらわす場合があります。
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元愛媛大学医学部教授の奥田拓道医学博士は、血圧の原因は塩素だという研究をなさっています。
たとえば、2000年に、キチンキトサンというプラスイオンの成分を摂ると、マイナスイオンの塩素とが腸内で吸着して体外へ排出してしまうために、血圧への悪影響は出なくなるという検証などをされています。
よく、プールの消毒液の塩素や、水道水の消毒のための塩素が、皮膚や身体に悪い影響を及ぼすということが言われていますね。
塩素は、胃液の塩酸などを作るために身体の中で必要なものではあるのですが、塩素は、体内に溜めておかずに、排出すべきものなのですね。
次回、良い塩と悪い塩の本題に入っていきます。
塩不足と腎臓の機能の関係
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。
何が良い塩で、何が悪い塩かという本題に入る前に、人間は塩なしでは生きられないという前提知識を、以下のように説明してきました。
第1回:「身体の細胞と塩との関係」 について
第2回:「ナトリウムの働き(ナトリウムポンプ)」について
今回は、「塩不足は身体に悪い」という章を引用して「塩不足と腎臓の機能の関係」についてご紹介します。
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塩不足で起こる障害は多数あります。
特に気をつけたいとのが腎臓です。腎臓は、体内の塩分を一定に保つ役割を果たしています。
ですから、体内の塩分の濃度が低下すると、腎臓は一定に保とうと必死で活動します。
しかし、人は汗や尿によって、身体の塩分をどんどん外へと排泄していきます。
塩分が補給されることなく、排泄されるばかりであれば、腎臓の機能が追いつかなくなり腎臓障害を起こしてしまいます。
ですから、腎臓の機能が低下している老人や赤ちゃんの場合、減塩することは特に危険度が高くなります。
赤ちゃんの場合、腎臓機能が完全に発達していません。赤ちゃんが脱水症状を起こしやすいのは腎臓の機能が完全でないからです。
ですから、水分を与えると同時に、体内でもナトリウムポンプが正常に働くように塩分も補給してあげなくてはなりません。
また、塩分が不足するとナトリウムポンプの働きが低下します。ナトリウムポンプの働きが低下すると、各器官の働きも悪くなるのと同時に腎臓機能が低下することが加わり、体内の水分不足を引き起こす結果、血液濃度が高くなってしまいます。
血液が濃くなれば血流が滞り、脳卒中などを引き起こしやすくなります。
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昨年の猛暑のときに、汗をかいたら、水だけを飲むのではなく、塩分を補給するように、とテレビのニュースやワイドショーなどで盛んに言われましたね。
細胞の浸透圧や血液の塩分濃度を維持するためにも、ナトリウムが必要ということなのです。
次回に続きます。
身体を動かす力の源=ナトリウムポンプ
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。
良い塩、悪い塩の本題に入る前に、もう少し、前提知識を。
前回は、「身体の細胞と塩との関係」 について説明しましたが、今日は、「健康を維持するための塩の役割」という章から、「ナトリウムの働き」について引用して紹介します。
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身体を動かす力の源=ナトリウムポンプ
人の身体を動かしているのはご存知のとおり筋肉です。脳の指令が脊髄を通り筋肉に達し、動かすべき部位の筋肉が収縮・弛緩して、腕なり足なりが動きます。これは誰もがしっていること。
しかし、指令を受けて筋肉を実際に動かしているものはなんなのでしょうか。
その一つが、塩分に含まれるナトリウムなのです。脳から筋肉へと指令が達すると、ナトリウムが筋肉の細胞に取り込まれたり押し出されたりします。
つまり、筋肉の収縮・弛緩はナトリウムが細胞内に出入りすることによって起きるわけです。これを<ナトリウムポンプ>と言います。
ナトリウムポンプはもちろん、体内に摂り入れられるナトリウムによって機能するもの。
すなわち、塩分を摂取しなければ機能しないと言ってよいでしょう。ですから、塩分の摂取が極端に少なくなると、ナトリウムポンプは正常に働くことができません。
心臓をはじめとするあらゆる内臓は筋肉でできていて、筋肉によって動いています。ものを食べるために口を動かすのも、また食べたものを消化するために胃や腸を動かすのも筋肉です。
人が生きていくために必要なことは、すべてこの筋肉によって営まれているのです。ですから、筋肉を動かすナトリウムポンプは、人が生きていくために欠かせない機能と言えるでしょう。
ナトリウムポンプは筋肉だけではなく、皮膚やその他の器官などの細胞にもありますので、ナトリウムポンプの衰えは、そのまま肌などの老化にもつながります。
身体や肌を常に生き生きと保つには、適度なナトリウム、つまり塩分を補給しておくことが大切だと言えます。
むやみな減塩も考えものなのです。
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ナトリウムは、人が生きていくための必須なものであるからこそ、摂り入れる必要があるわけですね。不定期に次回に続きます。
「わじまの海塩ジェラート」がマルガージェラート様より届きました
奥能登の能登町の酪農家出身のジェラート職人・「マルガージェラート」の柴野大造 さん。
2008年には、テレビ東京「TVチャンピオン・アイスクリーム屋さん選手権」準優勝、2009年には、「イタリアンジェラート世界大会」出場という経歴の持ち主で、1975年生まれ、日本ジェラート協会 青年部会長という方です。
昨年10月のワイン交流会
で知り合ったカラーコーディネーターの「ようこネエ
」さんがご縁をつないでくださいました。
12月末にようこさんのご主人がシンガポールでイタリアンの店を開店し、そこで「マルガージェラート」を直輸入して出しているのだそうです。
開店のオープニングセレモニーでは、柴野さんがシンガポールまで行き、液体窒素によるジェラート作りや、飴細工のトッピングなどのパフォーマンスを披露なさったそうです。
帰国後の年末に、柴野さんが読者登録をしてくれたので、新年あけて、「わじまの海塩」「わじまの水塩」をお送りしたところ、さっそく、わじまの海塩ジェラートを作ってくださいました。
それが昨日、届きました!!
柴野さんからの手紙には、「塩の甘みと能登の生乳がよく合いますね。食後のデザートとしても良いのではないかと思います。今後は私のお店のラインナップにも加えていこうと思っております」と書かれていました。
「ようこネエ」さんのところにも、サンプルが届いたそうで、
「素材のうまみを引き立たせていて 塩が甘くてこんなに美味しいと感じたのは初めてです。
優しい甘さというか、気持ちが優しくなるというか 上品な美味しさですね。」
という感想をくださいました。
石川県の金沢・にある「マルガージェラート」の店頭でも、カップやコーンで、さっそく「輪島の海塩ジェラート」が販売されたそうです。
今後、ギフトや飲食店様向けに、皆さんにご案内したいと思っています。乞うご期待です!
町のジェラート屋さんにとどまることなく、能登から世界を目指して活動している柴野さん、今後もいろいろなコラボをしていけたら、と思っています。
身体の細胞と塩との関係について
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行)という本があります。
監修は、札幌・弘漢療法院院長で、60年におよぶ東洋医学、とくに電磁気、イオン、磁場による病理研究の専門家という川村昇山氏。著者は、中医師資格を持つ杉野孝一郎氏。
何が良い塩で、何が悪い塩なのか。この本の内容をこれから数回に分けて紹介していきたいと思います。
本題に入る前に、まずは、前提知識として、身体の中の塩の役割について、知っておくべきことから紹介します。
人間を始めとする動物の身体は、細胞がいくつも集まってできているということはご存知ですよね。
第1回は、その細胞と塩との関係について、です。「身体のしくみと塩」という節から引用して紹介します。
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内臓も筋肉も骨も皮膚も、すべて細胞によって作られていて、その細胞の一つひとつは、生物が生命を維持していくために必要なものを含んでいます。
つまり、細胞の一つひとつが正常な働きをしなくなると、それぞれの組織はその機能を果たせなくなります。
細胞は、血液や体液から必要な物質を内部に取り込み、不必要な物質は外部への排泄して機能の維持を保ち、細胞自らの生命を維持すると同時に、生物の身体全体を作り上げているわけです。
そして、細胞が正常な働きをするための必要なのが<浸透圧>です。浸透圧とは細胞と体液のあいだの圧力のことで、生命活動を維持するための保たれるべき浸透圧が決まっています。
この浸透圧が保たれないと、細胞は正常な形状を維持していられなくなり、つぶれたり、膨張したりして破壊されることになります。
一つひとつの細胞が一定の浸透圧を保ち、正常な形状を保持したうえで機能して初めて、人は生命を維持できるのです。
実は、細胞を守っているこの浸透圧の維持に不可欠な成分が塩分なのです。体内に入った塩は、必要な量を残して、あとは体外へと排泄されます。
塩は体内で代謝されることによって、人の身体を作っている細胞の一つひとつを常に一定の浸透圧に保っている
のです。
また、各細胞の浸透圧を維持するためには、一定量の塩分とカリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄・銅などが必要です。
つまり羊水に含まれる成分です。これらの成分が一定の比率で体内に残存していることも、浸透圧を維持するうえで重要なことなのです。
しかし、これらの成分は、身体の新陳代謝にともない、体外へと排泄されます。ですから、常に補充が必要となってくるわけです。
羊水と同様の成分を含有する海水は、これら必要なミネラル成分をほとんど含んでいますので、海水を濃縮した塩を補充していれば、細胞に必要なミネラル成分を補充することができます。
加えて、塩は塩素とナトリウムのイオンへの働きによって、身体に必要なものを体内に残し、不必要なものを体外への排泄していきます。つまり、身体の新陳代謝を正常に働かせて、血液をはじめとする体液すべてを浄化しているのです。
血液や体液が浄化されるということは、身体のそれぞれの器官をも浄化することになり、身体全体の機能を正常に保つ役割を果たしているのです。
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細胞を正常な状態に保っているのが、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラル成分というわけですね。そして、それらのミネラル成分は、「補充」と「排泄」が必要ということです。
この「排泄」ということが今後のポイントになりますよ。次回に続きます。