身体を動かす力の源=ナトリウムポンプ
「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。
良い塩、悪い塩の本題に入る前に、もう少し、前提知識を。
前回は、「身体の細胞と塩との関係」 について説明しましたが、今日は、「健康を維持するための塩の役割」という章から、「ナトリウムの働き」について引用して紹介します。
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身体を動かす力の源=ナトリウムポンプ
人の身体を動かしているのはご存知のとおり筋肉です。脳の指令が脊髄を通り筋肉に達し、動かすべき部位の筋肉が収縮・弛緩して、腕なり足なりが動きます。これは誰もがしっていること。
しかし、指令を受けて筋肉を実際に動かしているものはなんなのでしょうか。
その一つが、塩分に含まれるナトリウムなのです。脳から筋肉へと指令が達すると、ナトリウムが筋肉の細胞に取り込まれたり押し出されたりします。
つまり、筋肉の収縮・弛緩はナトリウムが細胞内に出入りすることによって起きるわけです。これを<ナトリウムポンプ>と言います。
ナトリウムポンプはもちろん、体内に摂り入れられるナトリウムによって機能するもの。
すなわち、塩分を摂取しなければ機能しないと言ってよいでしょう。ですから、塩分の摂取が極端に少なくなると、ナトリウムポンプは正常に働くことができません。
心臓をはじめとするあらゆる内臓は筋肉でできていて、筋肉によって動いています。ものを食べるために口を動かすのも、また食べたものを消化するために胃や腸を動かすのも筋肉です。
人が生きていくために必要なことは、すべてこの筋肉によって営まれているのです。ですから、筋肉を動かすナトリウムポンプは、人が生きていくために欠かせない機能と言えるでしょう。
ナトリウムポンプは筋肉だけではなく、皮膚やその他の器官などの細胞にもありますので、ナトリウムポンプの衰えは、そのまま肌などの老化にもつながります。
身体や肌を常に生き生きと保つには、適度なナトリウム、つまり塩分を補給しておくことが大切だと言えます。
むやみな減塩も考えものなのです。
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ナトリウムは、人が生きていくための必須なものであるからこそ、摂り入れる必要があるわけですね。不定期に次回に続きます。