塩素とナトリウムの結びつき | 橋本三奈子のSalt Revolution(わじまの塩に魅せられて)

塩素とナトリウムの結びつき

「良い塩・悪い塩で健康に大差がつく」(H12年・廣済堂出版発行・川村昇山監修・杉野孝一郎著)という本の内容をご紹介しています。


何が良い塩で、何が悪い塩かという本題に入る前に、人間は塩なしでは生きられないという前提知識を紹介しました。


第1回:「身体の細胞と塩との関係」 について
第2回:「ナトリウムの働き(ナトリウムポンプ)」について
第3回:「塩不足と腎臓の機能の関係」について

そして、前回は、塩の摂り過ぎが高血圧の原因と言われていますが、それは塩素とナトリウムが化合した塩のうちの塩素が原因だという研究があるということを紹介しました。


第4回:「高血圧の原因は塩素だという説」について

だんだん、本のタイトルである「良い塩・悪い塩」の本題に近づいてきましたよ。


今回は、「塩素とナトリウムの結びつき」について説明します。


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血圧を上げる原因が塩素にあると確認されつつあるものの、私たちの食生活に塩分は不可欠で、ほとんど毎日摂っています。もちろん、塩素の入っていない食塩なんてありえません。


私たちは、血圧を上げる原因となる塩素を摂り続けなければならないのでしょうか。


心配はいりません。この塩素は体内の塩分の濃度が一定に保たれていれば、体外へ排泄されるからです。


通常、摂り過ぎと言われる栄養素は、体内に蓄積されるものを指しますから、体外に排泄されるものを、摂り過ぎて病気になるということはほとんどありません。


しかし、塩素とナトリウムが非常に固い結びつきになっていて、二つの元素が体内で離れなかったとしたら、どうなるでしょう。


塩素とナトリウムの化合物である塩という塩化ナトリウムが、体内でも結びついたもま片方だけ排泄することができなければ、塩素はナトリウムとともに体内に残ることになってしまいます。


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つまり、塩の種類によっては、塩素が体内に蓄積されてしまう場合もあるということですね。その鍵を握っているのが製法ということなんですよ。

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塩の製造の仕方によって、塩素が体内に蓄積される塩と、塩素が体外に排泄される塩との2種類に分かれます。


したがって、塩素が体外に排泄される塩を選ばなければなりません。


塩が精製される工程でいったん高熱を与えられると、塩素とナトリウムの結びつきは強固になってしまいます。


塩化ナトリウムは通常、水に溶けると塩素とナトリウムに分離すると言われています。しかし、一度高熱で処理され、塩素とナトリウムの結合が固くなっている塩の場合、体内に入っても分離しません。


この、塩が塩素とナトリウムに分離するか否かが、身体によい塩と悪い塩を分別する一つのキーポイントです。

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では、身体に良い塩とはどういう製法の塩なのか、次回・最終回で説明します。