舟木昭太郎の日々つれづれ -64ページ目

村田のデビュー戦と井上の将来性/江藤光喜の50年ぶりの快挙/他

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・村田のデビュー戦と井上の将来性
 ~これからが本番だ!~ 
・江藤光喜の50年ぶりの快挙
 ~タイで勝てない理由~
・汗とハンカチ
~具志堅会長とタイでゴルフの逸話~

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村田のデビュー戦と井上の将来性
 
今回はボクシングの話題で尽きそうです。注目する試合がありました。特にロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太(27=三迫)のデビュー戦、それに高校アマ7冠王・井上尚弥のデビュー4戦目での日本タイトル獲得なるかという一番、いずれも期待にたがわぬ好試合を見せてくれました。(25日 東京・有明コロシアム)
 
 先ずチャンピオン田口良一(26=ワタナベ)VS挑戦者1位井上尚弥(20=大橋)の日本L・フライ級タイトル戦から私の感じたものを述べてみましょう。結論から申しますと、この試合は終始双方が手数を出して見応えのある試合でした。
 
 両選手共右のボクサーファイターです。身長で3cm優る田口を、挑戦者はアグレッシブに小気味よく毎回攻め立て3-0の文句ない判定でした。流石7冠、洗練されたテクニックの持ち主で、将来を約束されるような勝利でした。大橋会長の指導も定評があり、間違いなく”世界”の器です。井上に関しては伸び代はまだまだあります。変な癖がなくボクシングが素直なところを私は買うのです。
 
 よく井上選手は同じクラスのWBA世界L・フライ級王者井岡一翔(24=井岡)と比較されますが、私はあらゆる面で完成の域に達し、なおかつ成長を続ける井岡選手が、いまのところ2枚も3枚も上です。私は井岡こそ”カンムリワシ具志堅二世”であると期待しています。いずれにせよ近い将来に井岡と井上が雌雄を決する試合が見たいものです。
 
 さてさて村田諒太のプロ第1戦、は関係者の思惑通りの結果でしょう。東洋太平洋ミドル級王者柴田明雄(31=ワタナベ)が契約ウェート73kg、6回戦で村田のデビュー戦に花を添えたのも異例のことです。
 
 
~これからが本番だ!~
 
 結果は村田のパワフルな右ストレートが柴田を襲い2回TKOで勝って五輪王者の片鱗を披露しました。リングに登場したときから、村田の見事にビルドアップされたような上半身に驚き、身長で1cm上回る柴田の方が貧弱に見えました。
 
 村田こそ世界に通用するミドル級のスタンダード身体であると先ず、私は納得しましたが、試合も相手を寄せつけないものでした。先ずは幸先良いプロデビュー。しかしこれからが戦いの本番に入ります。このクラスは層が厚く世界に強豪犇めきます。スピードも、パワーも日本人とは雲泥の相手が待っています。
 
 リングサイドにはWBCスレイマン会長も臨席していました。電通(村田は電通の子会社社員)とフジテレビ、帝拳、三迫の両ジムの協力体制で村田を世界に押し上げて行こうとする気概を確かに感じました。日本のメダリストは大成しないというジンクスを是非破ってもらいたいものです。でも余り過保護し過ぎると選手をスポイルしてしまうことが多々あります。老婆心ながら一言申し上げます。
 
 
江藤光喜の50年ぶりの快挙
 
 25日のビックイベントに負けない隠れた快挙が日本ボクシング界にありました。0勝17敗1分け、皆さんこの数字分かりますか?これ実は日本人ボクサーがタイでタイトルと名のつく試合での勝敗です。F原田がキングピッチにリターンマッチで負けたのが、昭和38年1月。以来今日まで半世紀日本選手はタイで勝っていないのです。
 
 それを白井・具志堅ジム江藤光喜選手が遂に打破したのです。敵地タイで見事WBA世界フライ級暫定王者になって凱旋したのです。その祝勝パーティ(8月24日、17時から東京・後楽園飯店)が開かれ私も参加させて頂きました。
 
 試合は8月1日(バンコク)で暫定チャンピオン、コンパヤック・ポープラムックVS挑戦者7位江藤光喜(江藤3兄弟の長男)の試合をビデオで会場で見せてもらいました。敵地で勝つということが如何に大変であるか、今回のビデオでも実感いたしました。
 
 
~タイで勝てない理由~
 
 1R完全なダウンを取っているにもかかわらずレフェリーは全く無視、その後も前進攻撃を繰り返す江藤の鋭いアッパーが、何度も決まり圧倒的に優勢な試合を進めました。にも拘らず最終12回を迎えるまではジャッジ一人がコンパヤックの勝と採点されていたのです。
 
 幸い最終回にコンパヤックからダウンを奪って、なんと50年ぶりの勝利に導いたのです。でも暫定王者とは摩訶不思議な代物で、王座を奪い獲ったといっても即正規王者に挑戦できません。日本では防衛戦を認めていないので、またバンコクで試合を行います。危険この上ない試合で、負ければ王座挑戦は遠のきます。
 
 でもしかし50年ぶりにタイで勝ったという自信は江藤選手のバックボーンになるでしょう。皆さん、村田や井上選手と同様の声援を送りましょう。そして1日も早く正規王者との統一戦が実現されることを祈りましょう。亀田3兄弟に対する、江藤3兄弟白井・具志堅ジムにあり!
 
 
汗とハンカチ
 
 猛暑が続く今年の夏はハンカチが離せない。特に私のような汗っかきには。でも街角で外国人を見ていると、ハンカチを手にしている人はほとんど見ないけど、あれってどうしてだろう?
 
 汗腺が無いのかしらと思ってしまう。タイの国民などもハンカチで汗を拭いているのを先ず目にしたことがない。5月ごろは日本の夏のように湿気が異常で、むわっとするのに平チャラだ。
 
 これって暑さに慣れているからなのだろうか。ゴルフをやっていても私のタイ人の友は、プレー中全くと言っていいほど汗をかかないでいる。ゴルフといえば、具志堅用高さんとバンコクでプレーしたときの事に触れてみたい。
 
 その日も朝から猛烈に暑くタイの友人も流石に顔に日焼け止めを塗ったり、しっかり長袖のシャツで防護して、勿論キャップも準備万端でスタートした。私も以下同様の装備、日傘もプレー中は離さなかった。ペットボトルも多目に携帯して。1ホールが終わった頃には忽ちシャツの中が滝のような汗で、私はカートの中で、はやバテて、フーフー。
 
 
~具志堅会長とタイでゴルフの逸話~
 
 ところがどうだ、具志堅さんはキャップを脱ぎ天を仰ぐと、最高だね、この暑さ、丁度いいよね。石垣(具志堅さんの故郷)なんか足元から陽が射してくるもの、とのたまう。タイ語が少しわかる私が通訳してタイ人に伝えると、おお、ノーといって笑った。で、具志堅さんは殆どカートに乗らずホールアウトした。
 
 ここで話は終らないところが”チョッチュネ”さんの本領。『え?もう止めちゃうの?せっかくタイに来たのにもったいないよ。もうハーフやろうよ。』てなわけで1.5ラウンド遣る羽目になってしまった。私はダウン寸前のボクサーのようにグロッキー。だが具志堅さんは、アウトよりインが、インより最後のハーフとスコアがどんどんアップしていたのである。これにはメンバー全員降参でした。
 
 これにはキャデーもタイの友人も驚いていたっけ。なおも吃驚したのは、「本当は俺たち2ラウンドが普通なんだけどな~。」悔しがっていたこと。いやはや、世界戦13度防衛の底力は並大抵ではない。その時ばかりは「ダメダメ、夕方約束があるから」と吾輩は吠えたのでありました。
 
暫定王者江藤選手と記念に。具志堅会長の愛弟子が快挙を成し遂げたことは無上の喜び。次は正規チャンプだ!
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翌日のスポーツ紙には1面でタイトルマッチの模様が報じられた。スカイブルーのトランクスが江藤選手。
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老人施設の庭の池につつましく咲くハスの花、涼しさを誘う。
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マー君の無敗記録を育てたもの/常総エースの突然の降板に考えた/他

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・感傷的世界陸上考
 ~長髪の米女子ランナー~
・マー君の無敗記録を育てたもの
 ~ハンカチ王子との明暗~
・常総エースの突然の降板に考えた

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感傷的世界陸上考
 
 モスクワで展開した世界陸上は括目ものだった。やはり世界のトップアスリートによる鬩ぎ合いには痺れた。陸上は人間の本能「より速く、より高く、より遠く」を目標とするもので、単純にして明快。一番早くゴールした者、一番高く跳んだ者、そして一番遠くまで投げ,跳んだ者が勝者、単純だから面白い、かつ奥行きがある。
 
 一瞬の勝負に肉体を爆発させる、芸術は爆発だ!ではないが、陸上は究極の魂と肉体の爆発です。だから見る者に感動を与えるのです。肉体が咆哮する、まさしく本能のスポーツです。
 
 ウサイン・ボルトは100、200そして400mリレーも制してロンドン以来チカラが衰えていない事を証明したし、リオデジャネイロでも彼のパフォーマンスがみられそうだ。女子短距離もジャマイカがアメリカを圧倒した。
 
 短距離王国は紛れも無くジャマイカになった。これ陸上の地殻変動。で、私が不思議に感じたのは、アメリカの女子ランナーの多くが長髪で、ゆさゆさ揺らせながらゴールに雪崩れ込む姿。
 
 ジャマイカもピンク色の派手なカラーに染めた、長い髪のランナーがいたっけ。ロック歌手のようでオジサンは面食らった。世の中変われば変わるもんだ。あれって邪魔にならないのかねえ。

  
  
~長髪の米女子ランナー~
 
 日本ならさしずめ部活から追放されるか、監督に強制的にハサミでバッサリ切られているだろう。秒速を争う競技だから少しでも風の抵抗を受けるものは避けるのが常識だ。なのにアメリカはコーチも女子メンバーも、全く気にしていない様子。個人の意思を尊重する、流石アメリカ。ジャマイカも右に倣えか。女子スイマーなどは下の毛も剃るのが当たり前というに。陸上女子は豪気なもんだね。
 
 女子やり投げ決勝はクリスティナ(独)が、本命のアバクモア(ロシア)を押さえて優勝したが、筋骨隆々たる女の戦いは、躍動美の極致、そのまま彫刻になるようなフォームである。喜びの表情、無念の表情はほれぼれするほどの野性美。中でも、地元ファンの期待に応えられず3位に沈んだアバクモアの悲痛な姿は切なくも神々しいものだった。強い女ほど魅力があるということか、美の定義が変わったようだ。
 
 男子マラソンはロンドン五輪優勝キプロティク(ウガンダ)リオまで健在であるかな。4位までアフリカ勢。あの走りを見ていると何となく得心するよ。陸上はもはや、中・長距離はアフリカ、短距離はジャマイカ、アメリカ勢と男女とも色分けされた感じがする。陸上王国アメリカは遠い日の夢になった。あのカール・ルイス、ジョイナーの活躍が懐かしい。  
 
 
マー君の無敗記録を育てたもの
 
 楽天田中将大投手の快記録が止らない。昨季から負けなしの21連勝、どこにそんな力を秘めていたのかと只々脱帽するのみ。でその勝利の原動力だが、勿論その強靭な肩、それを支える足腰の発条(バネ)にあることは言うまでもない。北海道の過酷な冬で培った我慢強さも忘れてならない。
 
 もう一つ加えるなら彼の投球リズム、テンポよく投げるので野手は守り易く従って、ファインプレーも生まれる。彼が例え打たれても、失点に容易に繋がらないのはこのバックの攻守のお蔭である。攻守はリズムから生まれる。
 
 快記録を驀進中なのにマー君には不遜な態度が全く見受けられない。いつもチームメートに感謝の言葉を忘れない。この人柄の善さも、マー君と野手の信頼関係を生んでいると推測する。
 
 投球のリズムがいいから、攻撃にも連鎖していくというわけである。野球は9人で守り打つチームプレイーである。幾らマー君が好投しても、バックの援護がなければ勝てない。

  
 
~ハンカチ王子との明暗~
 
 さて、マー君の連勝記録はどこまで伸びるだのだろうか。思えば、2006年の夏の甲子園、斎藤佑樹の早実に決勝戦延長再試合で敗れ、マー君(駒大苫小牧)は、悔し涙を流したものだ。奇しくも最後の打者がマー君であった。さぞトラウマとなって心の襞に残っていることだろう。
 
 歓喜の輪の中にある斎藤投手、うな垂れる田中…あの悔しさ、あるいは屈辱といったものが以後の野球人生に、少なからず影響を与えてるのではないか。敗北が彼の生き方を豊穣なものにした、と私は考える。人生負けから学ぶこと多多あり。
 
 あれから7年の時が流れ、二人の運命は大きく変わった。もう斎藤にはかつてのハンカチ王子の面影はない。いま日ハムの2軍で苦悩する日々。方や田中は、日本プロ野球NO1投手に成長した。人生とはげに分からぬものであります。斎藤に「喝!」

  
 
常総エースの突然の降板に考えた
 
 夏の高校野球も球児の健康問題で課題を浮き彫りにした。19日の前橋育英対常総の試合、9回常総のエース飯田が勝利目前にして突然脚の異常を訴えて降板した。
 
 一度ベンチに下がり治療して戻り、投球を再会して2球目で堪え切れず降板だったが、病名は熱中症による足の痙攣だったとアナウンスされた。急遽2年生投手がリリーフ、結果的には延長10回に育英に痛恨のサヨナラ負けを喫した。熱中症を軽く見てはいけない。血行不良になって脳梗塞、脳溢血に繋がる恐れもある。経験者は語る。
 
 炎天下の連日のフル投球、体に善いわけない。根性野球はそろそろ終わりにしたほうがいい。済美の安楽投手も延長10回、花巻東に打たれて散った。投球数175球…地獄的猛暑の中でこの投球数、将来有望な投手が肩の酷使で潰れた例は枚挙にいとまがない。アメリカなら文句なしに、
オオ、クレイージー!と絶叫するだろう。
 
 夏は試合を午前中で終わりにするとか、投手は1試合100球までに制限を加えるとか、球児を保護するルール作りを望みたい。高野連は真剣に考えるべき時期に来ているのではないか。死人が出てからでは遅い。と私は思うのですが。これって暴論ですか。

 
 
玄関に力なく舞い降りた油蝉、秋が忍び寄る

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往年の名選手 片山源太さんの消息/・福士加代子、ひょうきんランナー/他


残暑お見舞い申し上げます。

 

今日12日も激しく雷が鳴り夕立がありました。そこで愚作を一句。

 

夕立や 蝉の鳴声 掻き消して   

舟木昭太郎の日々つれづれ


平成25年8月

 

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・福士加代子、ひょうきんランナー
・江藤光喜の暫定王者への賛辞
・大リーグ薬物問題~
 ~筋肉増強剤は生命を侵す
・往年の名選手 片山源太さんの消息
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福士加代子、ひょうきんランナー
 
 世界陸上女子マラソンで銅メダルの福士加代子は日本のアスリートには珍しくひょうきん者で型破りな印象を受けた。トラックに入って来たときのあの天真爛漫の笑顔は、あれはとても42,195㌔を走り切った者の姿とは思いないものだった。
 
 4位でゴールした木崎良子は感に堪えず嗚咽してたのとは好対照だった。彼女は国際大会での代表は初めてで、本来はトラックのプロ。大舞台で余力を残しての3位入賞は本人は自信をもったろうから、マラソン1本に絞って走り込めば記録はまだまだ伸びそう。
 
 32歳、次のブラジル五輪はどうかな。でも今回の3位で自信が付いたろうから、目指して欲しいね。彼女の様な根明な姿を見ていると心救われるものがある。それにしてもキャップを取ってからの後半の走りは、ストライドの度に揺れなびく髪の毛は、とても美しかった。
 
 33㌔付近で棄権したアテネ五輪の金メダリスト野口みずきは、身体がもうランナーとしての研ぎ澄まされたそれでなかったね。残念だけど。人は衰えに攻し難いか、でもひたむきに挑戦する彼女の姿、私は好きで応援してるんだけど。これも生き方、諦めず何度でも挑戦してください。
 
 優勝したエドナ・キブラガト(ケニヤ)は異次元の走りだね。世界陸上二連覇でしょう、さながら黒い稲妻とという感じです。それでもだよ、彼女ロンドン五輪では20位だった。因みに優勝はゲラナ(エチオピア)で、日本勢は木崎の16位でした。木﨑はエドナに勝っていたんだんね。
 
 だけどケニヤやエチオピアにはエドナのような金メダル予備軍は沢山いるということだ。走って勝てば有名になり、金を稼げるとくれば頑張るはね。いつの世もスポーツはハングリー精神がものいうか。今の日本にはハングリー精神は「死語」になってしまったようだ。
 
 
江藤光喜の暫定王者への賛辞
 
 話はすこし古くなるが8月1日タイのバンコクで行われたWBA世界フライ級暫定王者コンパヤック(タイ)と対戦した同級7位江藤光喜(白井・具志堅)が最終回にダウンを奪う好ファイトで判定勝ちして暫定王者になった。
 
 日本人ボクサーがタイに渡りタイトルマッチと名のつく試合で19年間も勝っていないことからすれば大変な快挙である。古くはファイテング原田や海老原博幸も初防衛戦をタイで行いキングピッチにあっさりと王座を奪われている。
 
 かように日本人ボクサーにとってタイは鬼門のリング。試合が賭けの対象となるお国は、異常な雰囲気で、しかも高温、独特の試合前のセレモニーの長さなどの”タイ流儀”にコンディションを崩して敗れてしまうケースが多い。
 
 こうした敵地での試練を乗り越え見事勝利を得た江藤は特筆に値する。WBCもWBAも安易に暫定王者を作っていることに私は日ごろから苦々しく思っていたが、江藤の快挙は認める。ある面暫定王者のシステムは、団体の認定料稼ぎの産物だから選手を責めることはできない。選手も犠牲者である
 
 さて暫定王座を獲得した江藤は日本国内ではどういう位置づけ化かといえば「正規王座に挑戦権を持つ」というだけのあやふやなもの。世界王者にカウントされないし、国内での防衛戦も認められていない。そんなあやふやな王者ってありかよ。
 
 現在の正規王者はファン・カルロス・レベコ(亜)だけど果たして江藤の挑戦を受けてくれるものやら。いずれにしても19年振りにタイで王座に就いたという事実、この一点だけは、評価されて然るべきと思う。あとは目標は一つ、江藤よ、正規王者になることである。具志堅会長の夢を実現してほしい。
 
 
大リーグ薬物問題
 
 大リーグはまたも薬物騒動に揺れている。A・ロドリゲス(ヤンキース)やライアン・ブラウン(ブルワーズ)等20名がその対象とされる。ダルビッシュの在籍する球団レンジャースでもチーム最多本塁打(8月初旬、27本)の主砲クルーズが薬物使用を認めて50試合の出場停止処分を
受けた。ア・リーグ西地区で優勝争いをしている最中にチームとしては痛恨の極みだろう。
 
 年収24億のスパースターA・ロッドに至っては今季と来季の全試合を出場停止処分科する旨をMLB(大リーグ)は発表した。しかしA・ロッドは裁判で争う構えであるために、結審するまでは(今年11月になる見込み)試合に出場できる。
 
 それでも場合によっては球界からの永久追放もあり得るとニュースは伝えている。薬物(ステロイドなどの筋肉増強剤)によって肉体改造する選手が後を絶たないことに、MLBは危機感を募らせていている。
 
 まだ記憶に新しいのは激しくホームラン王を争ったマクガイアとサミー・ソ-サ。彼等二人も薬物使用で球界から追われている。バリー・ボンズもジアンビイも名のあるホームランバッターは、軒並みである。MLBで桁外れの強打者は疑ってみるとよい。夢のない話だが。
 
 
~筋肉増強剤は生命を侵す~
 
 つい最近のニュースではタイガースのエース、バーランダー投手も薬物使用の疑いがあると報じられていて、この問題底なし沼の様相を挺している。幸い日本人大リーガーは過去も現在も一人もいないのは御同慶の至りである。
  
 宝塚じゃないが、清く、正しく、美しくである。プロレスラーなどはステロイドはフリーパスだから見栄えを良くするため外国選手は相当数薬物を使用しているといわれる。ダイナマイト・キッドなどはそのいい例、身長の割に異様な筋肉の盛り上がりで早くから囁かれていたものだ。彼はそれがもとで若くして死んだ、といわれる。
 
 筋肉増強剤は心臓に負担ががかり心臓発作を起こす危険性が指摘されている。期待と不安のプレッシャーからそうした薬物の使用に走るのだろうが、こと生命を侵す薬物の使用は、健全な野球の発展を阻害するものであるからして、厳罰は当然だ。
 
 
往年の名選手 片山源太さんの消息
  
 全日本キックボクシングの日テレ系列で”小さな巨人”大沢昇(目白)死闘を繰り返した往年の名選手片山源太さん(当時中京ジム)の消息を御存じの方おりませんか。
 
 この度のDVD「甦る黄金のキックボクシング時代」のなかでどうしても御本人に会って、インタビューをしたいと考えてております。御存じの方は下記までお知らせ願いたいと思います。
FAX: 03-3469-0685 

E-MAIL: upper@lapis.plala.or.jp
アッパー 舟木昭太郎まで。
 
尚、「甦る黄金のキックボクシング時代」の宣伝用案内チラシが出来ましたので掲載します。

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DVD 『カンムリワシ具志堅用高』 第1部&第2部
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麻生副総理の「ナチス発言」/野菜泥棒再稿/他

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・麻生副総理の「ナチス発言」
・野菜泥棒再稿

 ~1年かけて野菜は育つ~
・富士山の入山規制をすべき
・澁澤恵介さんからの絵葉書
・セミ、セミ、セミ

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麻生副総理の「ナチス発言」
 
憲法改正について、ナチス政権を例にとり「ある日気がついたらワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。あの手口に学んではどうか」この麻生副総理兼財務大臣の発言は,内外に大きな波紋を広げている。
 
 これ国を預かる人物の発言とは思えない。ナチスによって被害を受けたユダヤ人への配慮も無いし、憲法改正への姿勢がこの程度の軽い気持ちかと思うと背筋が寒くなる。
 
 流石に安倍政権は早期に「撤回」に動き、麻生副総理は「ナチス政権を例示として挙げたことは撤回したい」と短いコメントを発表したが、とても何故ナチスを例に引き、何故かくも簡単に撤回したのかさっぱり伝わってこない。
 
 政権のNO2にして、再度総理を狙うお方にしては、誠にお粗末で情けない。これは日本の恥曝しである。余談だが、ドイツでは先生が生徒に「分かった人は手を挙げて」というような、所謂”挙手”は禁じられているというのだ。ヒットラー=ナチスを連想させるから。海外ではかようにナーバスなのである。日本の政治家は無知か無神経なのか、本当に困ったものだ。
  
 
野菜泥棒再稿 
 
 手塩にかけた露地栽培の茄子や胡瓜、明日辺り収穫だなと思い採らないでいると、翌早朝畑に来てみれば無くなっている。おまけにスイカのまだほんの小さい野球のボール大のものまで浚っていくとは何たる酷いことだ。
 
 犯人の年齢は70歳代、近所の目撃証言もある。計4度も侵入している。警告文を掲げてもなおである。目撃者によると、侵入時刻は何と昼下がりの2時頃、全く大胆不敵なオッサンだ。
 
 私は原則として早朝5時と夕方5時頃、水撒きに行くからその空白の時刻を敵はちゃんと知っている。益々もって許し難い。常習犯である、多分あちこちで盗みを働いているのだろう。こういう輩は捕まえて二度と起こさないように、厳罰に処す以外にないと考えている。
 
 
~1年かけて野菜は育つ~
 
 野菜はほぼ1年かけて育てるもので、一朝一夕にできるもんではない。冬の土返し(虫や雑菌を殺すため)を2度ほどして、寒風に土を曝す。さらに堆肥作りで春を待つ。そして種まきの段階にはいると、その約2週間前には化成肥料や牛糞、鶏糞に堆肥を混ぜ合わせて畝を作るのです。こうした経緯があって、5月のゴールデンウィーク明けに種まきが始まる訳です。
 
 従って種から芽が出て、やがて小さな実を付ける頃は、全く我が子同然の感慨に浸るのです。それでも農業を生業(なりわい)としているプロの人から見れば、手間がかかってない、それじゃままごとだよと叱られるかもしれません。商品にするためには完全なものを要求されるからこまめな殺虫剤の散布があるだろうし。
 
 約8坪の小さな畑ですが、それでも一人で土を耕すわけですからやはり重労働です。この周到な準備期間が在って種は芽をふいてくれるのです。今年5年目にして、甘い理想のトマトができました。試行錯誤の末の努力が実ったと満足しています。
 
 胡瓜、茄子は今年はベト病や虫が異常発生して散々でした。そんな中でも逞しく実ってくれた数少ない胡瓜と茄子だったのですが、怪盗に遣られて悔しいのなんの。必ず犯人を捕まえて、このブログでオッサンの顏を全世界に曝したいと復讐心に燃えているのであります。幼稚かな?
 
 
富士山の入山規制をすべき
 
 夏山シーズンを迎え世界遺産に登録された富士山は登山客で大変な混雑だそうだ。山開きから1カ月で早くも10万人に達したとの報道。登山道は前を行く人のお尻を見ながら登って行って、30m進むのに何と30分もかかり頂上に着けば身動き取れない状態なのだという。
 
 それでも富士山に登りたいかねえ。オラ、イヤダ!オラ、本当にイヤダ!私みたいな素人は、精々標高700~800mクラスの山で十分。つまりハイキングというやつである。
 
 歩きながら草木を愛で、時に河原で弁当をひろげ、せせらぎの音や小鳥の冴えずりを聴きながら、ビールやワインを飲む。疲れたらちょっと一眠り、それが理想。すし詰の頂上で御来光など見たくもない。
 
 で、10万人分のおしっこやウンチはどうしているんだろう、そっちの方が気がかりで、とても「美味しい富士山の湧水」なんて売り文句のペットボトルなんて、飲む気がしない。これはやっぱり入山規制をするべきだろう。何てったって”神聖”な山なんだからね。富士山は泣いている! 
 
 
澁澤恵介さんからの絵葉書
 
 スポーツライター澁澤恵介さんから絵葉書の暑中見舞いが届きました。それによると、アジア放浪の旅から帰ったばかりだという近況。「未知なるものを求める好奇心が薄らぐことはありません」とあり絵葉書はラオス・アタプー地方の原住民の生活風景があった。珍しい写真である。
 
 澁澤さんにはゴング時代御世話になっている。プロレスから柔術まで多岐にわたるジャンルで寄稿してもらった。元東京スポーツ記者でフリライターになった。原稿に1本芯が通っていて記事も真実の積み重ね、安心して掲載できる人であった。
 
 実はマスコミ人で最初にグレイシー柔術を日本に詳しく紹介してくれたのが澁澤さんで、ほどなく我も我もとライターはブラジルに足を運んだ。それらは付け焼き刃の域を出て居ず、澁澤さんの長期に亘る研究には足元にも及ばなかった。
 
 彼の書いたものが引き金で、やがてグレイシー一族が続々と日本に上陸することになり、とりわけヒクソンは無敵の強さで格闘技ファンに強烈なインパクトを与えた。編集者としてはいまひとたび手を組んで仕事をしたい人物である。澁澤さん、御壮健でなによりです。御活躍を見守っています。
 
  
セミ、セミ、セミ
 
 8月の声を聞き蝉の鳴声も俄かに騒々しくなってきて、蝉好きの私は正直ホッとしている。今朝(5日)も畑に行ったらミンミンゼミが、ゴルフ練習場のネットに絡まって激しく鳴いていた。泣いていたのかもしれない。
 
 家に持ち帰り鉢植えの山茶花の木にそっと置いたら、忽ち大空へ飛んで行った。そうかと思うとラジオ体操から帰宅すると玄関前にアブラゼミが息絶え絶えで居た。手に取ってみたが微かに足を動かすだけで、臨終が近かった。私は「末期の水」を口元に注いで見守った。
 
 人の一生、セミの一生何ら変わることはない。今日の東京は特別暑かった…。
 


箱根、ロープウェーから望む富士山
舟木昭太郎の日々つれづれ

 

畑に隣接するゴルフ練習場の網に引っ掛かったミンミンゼミ。
持ち帰り自宅の植木に置いたら間もなく飛び去った
舟木昭太郎の日々つれづれ

 

8月になり朝顔も活発に咲き競演。
舟木昭太郎の日々つれづれ

 

畑の策に野菜泥棒への警告書を掲げた。
舟木昭太郎の日々つれづれ
 

澁澤さんからの絵葉書

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松井さんの印象に残った引退式/キックボクシングDVD制作中/他

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・松井さんの印象に残った引退式
・キックボクシングDVD制作中
・蝉の声が減少した…

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松井さんの印象に残った引退式
 
 松井秀喜さんのニューヨークヤンキースタジアムでの引退セレモニーは、簡素でそれでいて心にくっきりと刻印されたものであった。日本などではこの種のイベントは、大仰にやるのだが少しも記憶に残らない。
 SHIMPLE IS BEST!
  
 伝統あるヤンキースの一員として、1日のマイナー契約をして引退できたのだから本人はもとよりファンの一人としても嬉しい。ニューヨークのファンにかくも愛された日本人の野球選手もいない。
 
 多分にそれは彼の野球に取り組む姿勢が真摯なこと、誰からも愛される素直な人柄であったからと私はみます。松井さんがカートに乗って球場に現れると48,000人余の観衆から盛大な拍手がおくられました。そのこと事体が愛されている証明であります。
 
 勿論ヤンキースでの活躍、特に2009年のワールドシリーズでは松井の大車輪の活躍があったればこそ世界一に輝いた。そのことを球団もチームメートも、ファンも決して忘れてはいない。現在ヤンキースは東部地区の第4位、首位レイズから7ゲーム差(7/29日)で、こんなに低迷する同球団の姿を久しく見ていない。痛々しいほどの惨めな名門の凋落。
 
 恐らくヤンキースファンは、いまこそ松井のような選手がいてくれたらと願望するのではあるまいか。日米の親善という観点からも彼の功績は極めて大きい。野球を通して松井秀喜さんは、立派に親善大使の役割を為した。ヤンキースの前代未聞の粋な計らいもまた、その辺にあったのかもかもしれない。素晴らしい引退式でした。
  
 
キックボクシングDVD制作中
 
 「甦る黄金のキックボクシング時代」(仮題)~舟木昭太郎が100年後に残したい名勝負戦~DVD2枚組BOX、収録時間約240分を制作中です。収める映像素材の8割は既に集めましたが、どなたか1966年から1980年にわたる選手のスナップや試合の映像をお持ちの方がおりましたら御提供頂きたいと存じます。
 
 私の最後の仕事としてキックボクシングの不朽のDVDをなんとか完成させたいのです。ボクシングはDVD「日本ボクシング不滅の激闘史」(TBS 3巻セットBOX、収録時間約11時間)の大作を私がプロデュースしているのに、肝心のキックボクシングの纏まったものがまだ存在しないことに私自身少なからず責任を感じています。これを為すことは私の天から授けられた使命と思っています。
 
 制作に要する資金もほぼ自己負担です。多くの人の協力を得なければ完成をみません。販売元を引き受けて下さる会社がおありでしたら是非ご紹介下さい。既に予約注文が200セット某所から入っていますから十分採算が獲れ、かつ販売権を差し上げます。掛率も御相談に応じます。因みに初回契約枚数は、1,000枚です。予価8,800円(本体)、小冊子付録で10月発売予定です。


御協力及びその他の相談・情報の提供は、
E-MAIL:
upper@lapis.plala.or.jp
TEL03-3469-0620(アッパー 舟木迄)

 
 
蝉の声が減少した…
 
 もう7月も終わりだというのに、今年は蝉の鳴声が少ない。例年だと早朝からかしましいのに、一体自然界に何が起こったというのだ。そういえば今年3月の真夏のような日が続いた翌日の北風が吹く早朝に、大山公園でミンミン蝉が私の足元降ってきて息絶えた。3月の蝉なんて信じられないから天からの贈り物、吉兆である、といまでもプラスチックの箱に入れ大事に保管している。
 
 以前この欄でもお伝えしたが、あれは余りの暑さに、多分夏と間違え地上に出てきたのだろう。というわけで、これに懲りた蝉諸氏も、騙されまいぞと土中深く季節を慎重に推し量っているのかも知れない。昆虫も人間と同じように疑い深くなってしまったようだ。
 
 夏に蝉がいなかったらどうだろう、死の街にでもなったようなアクセントのない暑いだけの夏になってしまうだろう。都会ではクマゼミの声を聞かない。私の故郷福島県鮫川村では、ミンミンゼミが寧ろ珍しい。蝉の王者クマゼミが、早朝から山々で声を競う、空を引き裂くような金属音は少年に、夏が来たと心高ぶらせたものである。
 
 夜の帳が降りる頃の蜩(ひぐらし)のカナカナカナという何とも物悲しい響きもまた格別で、恋に破れたときのさしずめ男心の溜息のようだ。我が村にはかつて小さい温泉宿が2軒ほど在って、川添のその宿に明りが灯る黄昏時に、競う蜩の声はいまでも我胸に熱く沈殿している。おお、セミ、セミよ、汝、私を満たしてくれたセミよ!
  

  
地元代々木上原の盆踊り大会は天気にも恵まれて、賑わいをみせた。
すっぽん田吾作の親方夫妻と痛飲した。

舟木昭太郎の日々つれづれ
  
露地栽培脇のひまわりが今年も力強く花を咲かせた。
舟木昭太郎の日々つれづれ

 

ある朝の収穫、ミョウガ、枝豆、茄子、トマト、オオバなど。

舟木昭太郎の日々つれづれ  

 

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佐竹雅昭の参院選/他

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・佐竹雅昭の参院選
 ~自民党圧勝でまた来た道を歩む?~
 ~リーダーなき民主よ、何処へ~
・プロ野球選手会の勇断
・大リーグオールスター戦の見事さ 
 ~リベラ登板への心憎い演出~
・夏祭りのお手伝い

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佐竹雅昭の参院選
 
 今回の参議院選挙で比例区から自民党公認で出馬して、国政にチャレンジした佐竹雅昭さん、判定負けしました。友人や知人に電話したりメールを打ったりと、私なりに応援したけど、残念です。
 
 佐竹さん、真に政治家を目指すなら地方の町や市から経験を積んでからでもいいのじゃないか。でも敗北から学ぶ事は、成功から学ぶより多しといいます。当選しなかったが、貴方の名前で投票した17,500余の人の事を絶対忘れないでくださいよ。そこに佐竹雅昭の次への原点が在るのですよ。
 
 1回の挫折で落ち込むよりは、新たな出発点と捉え今日からでも、戦闘開始のファイテングポーズをとるべきです。空手でもK-1でも叩かれ、もがきながら貴方は、成長したじゃありませんか。捲土重来です。
 
 
~自民党圧勝でまた来た道を歩む?~
 
 今回の選挙は自民党の独り勝ち、あとは向かうところ敵なし。アベノミクスのフリーハンドです。参議院のねじれも解消して、原発促進、憲法改正、増税は意のままです。連立を組む公明党の出方次第ですが。兎も角も国民はこれを選択、支持したのですから今後何が起きても驚いてはいけません。
 
 民主党が大勝したときも、そうでした。国民が二大政党への限りなき夢を抱き、かつ政治の変化を望みました。それが見事裏切られました。そしてこの度惨敗、自民党の圧勝、驕る平家、久しからずです。慢心しないでください。 
 
 自民党にはゼネコン派のベテラン議員がしっかり根を張っています。高速道路の推進、新幹線網、公共施設の拡大と虎視眈々と利権を狙っています。いつか来た道をまた自民党は、歩むのですか。
 
 そのつけは当然国民に回ってくるのです。考えただけでもぞーっとします。真っ当な政治家、自民党の中で、それらに待った、をかける人いませんかねえ。石破幹事長辺りに期待するんですけど。
 
 
~リーダーなき民主よ、何処へ~
 
 今の民主党は、大海に漂う砕氷のようなものです。よくも悪くも束ねるリーダーがいません。もしかして細分化してしまうかも知れませんね。野党としての活力を失って、アベノミクスに反撃する手立ても、気力も無しの無気力状態です。嗚呼、落ちぶれし民主よ何処へ行く。
 
 社民党は存在意義がありますかねえ。生活の党は今回当選者無でしょう。小沢一郎の断末魔の叫びが聞こえます。もうそろろそ田原坂です。政界に切腹してください。あなたは政界を混乱させただけの政治家、いやただの政治屋でした。その末路は当然の結果です。
 
 人生、禍福はあざなえる縄のごとしです。次の選挙までアベノミクスは続くのでしょうか。首尾よくいけばいいのですが、失敗すればまた自民党が惨敗することもありえます。どうぞそのことを肝に命じて、諸先生方は、国政に真剣に取り組んでくださいまし。
 
 東京選挙区で3位当選の無所属新人山本太郎さん(38才)は見事なもんです。脱原発を旗印に混戦の中に真っ向から切り込み、当選したのですから。その行動力、その清新さに民衆は心を打たれたのでしょう。バイタリティ溢れる若者に、未来を感じます。おめでとう!円形脱毛症も勲章ですぞ。
 
 
プロ野球選手会の勇断
 
 プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天)は7月19日札幌で臨時総会を開き日本プロ野球機構の加藤良三コミッショナーに辞任を求めた。これほど痛快なニュースもない。農民が百姓一揆で、悪代官を追放したような図式である。
 
 加藤コミッショナーの無能無策についてはこの欄でも先般書きましたが、「統一球」問題で、今年から選手には内緒で飛ぶボールに替えたことを知らぬ存ぜぬで通してきた。流石に選手会も頭に来たようだ。
 
 当然だろう、使用球には全部加藤コミッショナーの名前が刻印されてている。にも拘らず知らなかったで済ませてしまうのが、外務官僚、駐米大使とエリートコースを歩んできた、紳士のお決まりの答弁らしい。
 
 結局のところ彼は、野球を愛していなかった。愛しているかのようなポーズで実は、サロンで野球を弄んだのだ。一刻も早くプロ野球界から退場してもらいたいと願う。
 
 
大リーグオールスター戦の見事さ
 
 大リーグのセリ・コミッショナーは、野球が五輪に復帰した場合の事を聞かれ、「五輪のためにシーズンを中断することはない」と、些かも動じづず言い放った。大リーグの出場には消極的であること改めて明言した。ブレない姿勢、これも一つの見識だ。御飾りのコミッショナーでは、そうはいかない。先ずは大新聞翼下の球団オーナーにお伺いを立てるであろうから。
 
 それはさて置き今年の大リーグオールスターの見事さと言ったらない。一言でいうと、演出が心憎い。ニューヨークのメッツの本拠地シティフィールドで開催された大会は、ア・リーグが3-0で勝ったが、試合そのものよりも一年に1度、1試合の祭典をいかに楽しんでもらうかの壮大な工夫がなされており感心致しました。
 
 
~リベラ登板への心憎い演出~
 
 たとえば、8回のア・リーグの守りに入る前に、フィールドに歌手のNEIL DIAMONDが登場して、”SWEET CAROLINE”を歌うと球場の4万を越す観客が一体となって合唱する。音楽が鳴りやむと、今期限りで引退するマリアーノ・リベラ(ヤンキース)がマウンドに向かう。
 
 万雷の拍手が鳴りやまない。同じニューヨークの球団に在籍する名クローザーに、主催者は最高のタイミングを用意した。期待に応えリベラは3人で抑え今年のオールスターのMVPとなった。クローザーとは試合の最後を締めるものだが、8回、SWEET CAROLINEで盛り上がった所でリベラの投入は、心憎いばかりです。
 
 しばらくはリベラも投球できなず、何度も何度も観客に向かって帽子をとってそれに応える。何とも言えぬシーンで、私も涙を落してしまいました。大リーグに日本選手が憧れるのも無理はないです。夢があります。
 
 
夏祭りのお手伝い
 
 週末の20,21日は地元西原商店街の夏祭り、今年もタコ揚げ(タコ焼きに似たものを天ぷら油で揚げる)を手伝った。二日間好天に恵まれ大いに賑わった。阿波踊りあり、デキシーランドジャズあり、売店も沢山出て、商店街は表情を一変してしまいました。
 
 今年は中学生位の御嬢さんの浴衣姿が多かったように思いました。夏休み、いい想い出になることでしょう。夏祭りも無事終わって、翌日はへとへとでしたが、これも一期一会、体の続く限り御手伝いしたいと決めています。
 

  
地元の夏祭り四題―
 
商店街の賑わいと阿波踊り、そしてタコ揚げの仲間です。
舟木昭太郎の日々つれづれ  

舟木昭太郎の日々つれづれ  
舟木昭太郎の日々つれづれ

 

浴衣姿の御嬢さん
舟木昭太郎の日々つれづれ  

 
拙宅の鉢植えに実った宝石のようなミニトマト!

舟木昭太郎の日々つれづれ

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我が永遠の上司 小柳幸郎氏死去す/いま明かす、ハンセン、ブロディ引き抜き事件秘話/他

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・我が永遠の上司小柳幸郎氏死去す
 ~いま明かす秘話~
・夏には天使の恵みがある
・ラジオ体操のうたは名曲である
・「優雅でない」一日の始まり

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我が永遠の上司 小柳幸郎氏死去す
 
元日本スポーツ出版社の創業役員であった小柳幸郎氏が亡くなられた。
脳溢血で倒れて埼玉県下の病院に入院、治療につとめてきたが、その甲斐もなく6月に死去されたもの。先輩からの確かな情報です。享年83才とか。葬儀は密葬で済ませその後のことは未定とのことです。
  
 私の直接の上司にあたり入社当初から学ぶものが多かった。特に学んだのは、タイトルの付け方。記事を要約するタイトルはシンプルで、明解、私を度々うならせたものである。週刊ゴングはこの人が居なかったら、生まれていなかった。週刊化に池社長と共に急先鋒で推進派の私を全面的に支えてくれた。そして週刊ゴングは実現を見たのだ。
 
 専門は野球であった。長くベースボールマガジンで野球担当編集長として名を馳せ、退職して日本スポーツ出版社を興すとゴングの創刊に携わり、以後私が編集局長になるまで、格闘技の最高責任者であった。
 
 また後に社長に就任することになる竹内宏介氏の最大の理解者だった人かも知れない。その教養と文才は会社にあって他の追随を許さないものであった。恐らくどこぞの高名な雑誌の主幹も十分に務まる力量があったと私は確信する。
 
 いまだから明かすが、ライバルのプロレス誌に「ハンセン&ブロディ引き抜きにゴングが関与、マスコミにあるまじき行為」なる記事を掲載されたときに、反論と謝罪広告を要求した文章を書いたのは他ならぬ当時の小柳局長であった。
 
 
~いま明かす秘話~
 
 ハンセン&ブロディとも新日本と契約するレスラーで、それを全日本が引き抜いたといわれる事件。これを仲介したのがゴングで、二人の揃った写真も新日本に無断で静岡の興行時に撮影したものだ、という週プロの論調だった。が、これは全くの事実無根で、写真に至ってはアメリカで特派員が撮ったものであったから、我社は当然反撃に出た。
  
 同時に内容証明もベースボールマガジン社に送られ、これが原因で時の編集長は交代させられた。小柳編集局長のその文章たるや峻烈を極めた筋金入りの名文だったことをいまさらながら思い出す。余談ながら本名は横山、叔父にあたる小柳家に子供がなく養子にもらわれたという経緯がある。
  
 その父親となる人が小柳司気太(おやなぎ・しげた)、著名な中国文学者、道教研究者である。(1870年12月24日~1940年7月18日)東大文学科を出て母校で教鞭を取るなどし、最後は大東文化大学学長を務めた。著書に「白雲観志」「老子の思想と道教」「新修漢和大字典」等がある。私も結婚の御祝いにと弟さんから「新修緩和大字典」を頂いた。
 
 もし興味がある方は、Wikipediaでお調べください。多磨霊園にお墓がありそこに眠る。当然、故人も同霊園に埋葬されていることだろうから、折を見て墓参りにいくつもりです。小柳さん、御世話になりました。幾多の暴言、喧嘩もした。お許しを。貴方のいた時代は会社が活力に満ちておりました。有意義なサラリーマン人生でした。改めて御礼申し上げます。安らかにお眠りください。合掌。
 
 
夏には天使の恵みがある
 
 連日の猛暑、熱帯夜はクーラー無に居られない。昨今のクーラーはコンピューター制御で電力も無駄に消費しないし音も静かで誠に有難い。蒸し暑い夜に、あたかも軽井沢あたりの避暑地にいるような気分で熟睡できるのも先進の技術のお蔭げ、おまけに刻々使用した金額、時間までも計算して表示される。
 
 これで驚いてはいけない。ストップすれば、その瞬間から自動的にクーラーのクリーニングが始動する。お蔭で厄介な掃除は一切無用であるから、なんだか上流階級に属したような気分になる。
 
 拙宅では昨年ナケナシの金を叩いて一度に4台クーラーを取り替えた。今年の猛暑を考えると、思い切って正鵠を得た喜んでいる。で、この暑さはいつまで続くのだろう。まだ7月が始まったばかりというのに。
 
 暑い夏は嫌な事ばかりではない。朝のラジオ体操はこの季節殊の外恩恵を受けている。5時には畑に水遣りにいって、6時前には大山公園にはいる。もうその頃には体から汗が吹き出ている。ストレッチをしてラジオ体操に備える。
 
 日曜日(14日)も早朝から暑かったが時折自然の風がさーッと吹きぬけて行くと、これぞ天使の風と感じる。そう夏の早朝のラジオ体操には天使の恵みがあるのです。運動したものだけが得られる特別な恩恵です。
 
 
ラジオ体操のうたは名曲である
 
 そういえば朝日新聞7月13日夕刊、昭和史再訪の蘭にラジオ体操の由来に付いて綴られていた。ラジオ体操がスタートしたのは、昭和3年11月という、もう80年以上の歴史になっている。
  
 そもそもラジオ体操はアメリカの保険会社が加入者の健康維持促進のために始まったという。それを欧米視察に出た逓信省の役人が目にして、日本に採り入れたのだと。そういう経緯でいまもラジオ体操のスポンサーは、郵便局のかんぽなのです。
 
 体操もテーマソングにも移り変わりが在り、現在のうたは1956年、作詞藤浦洸、作曲藤山一郎によって作られている。体操前の足踏み曲として親しまれている、このうたはリズムも詞もよく一日の始まりの音楽としては身も心も弾む名曲だ。
 
 単純明解、詞も曲も見事に融合して親しみやすい。全国で毎朝凡そ2800万人が愛好するラジオ体操、是非貴方も始めませんか。夏は初心者にとっては運動の最適な季節です。自然の恩恵お最も享受する季節です。
 
「ラジオ体操の歌」一番

 ♪新しい 朝が来た 希望の朝だ
  喜びに 胸を開け 大空 あおげ
  ラジオの声に 健やかな胸を
  この薫る風に 開けよ
  それ 一,二,三

 
 
「優雅でない」一日の始まり
 
 ラジオ体操からは7時頃帰る。直ちに乾布摩擦(実際は水タオル)で上半身ごしごし遣った後、満を持してシャワーを浴びる。一気に蛇口を全開、まるで華厳の滝にうたれたようなごーごーたる勢いのシャワーで私の体は完全に覚醒する。この瞬間も夏の恩恵です。
 
 シャワーのあとは、髭を剃り(休日でも1年中)、パンとコーヒーと野菜果物の簡単な朝食が終ると、真っ直ぐ仕事場にいきパソコンの前にすわります。こうして私の「優雅でもない」一日が始まるわけです。毎日が同じことの繰り返し。平凡ですが、この同じことの繰り返しができるのも元気だからです。そこにラジオ体操ありきです。
 

14日朝の露地栽培の収穫、中型トマトとミニ、それにししとう。

舟木昭太郎の日々つれづれ

  

今年はトマトが豊作、病気にもやられず成長した。
舟木昭太郎の日々つれづれ

 

自宅前の道路わきの鉢植えのミニトマトもよく実った。

舟木昭太郎の日々つれづれ

  

大山公園でみた夾竹桃は夏を告げる。ピンクの花が好きな私には堪えられない。

舟木昭太郎の日々つれづれ
 
 

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梅雨があけて/「スポーツに水は悪魔」の時代/ウナギについて思う事

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・梅雨があけて
・「スポーツに水は悪魔」の時代

 ~具志堅さんも水を飲まずに戦った~
・ウナギについて思う事
 ~故郷で食べた最後のウナギ~

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梅雨があけて
  
 関東甲信越が梅雨明けした6日から途端に猛暑、日曜日は5時半に畑に水撒きに出たら、もう刺すような太陽が降りかかった。幸せな気分に浸る。なぜかバンコクにいるような錯覚だ。そのバンコクも5年行っていないから、妙に恋しくなる。
 
梅雨明けを宣言した翌日の夕方の雷雨は凄まじかった。恰も天の蓋が壊れてしまったような感じがした。6時に幡ヶ谷のタイ料理店セラドンで会食の約束があったが、雨が上がるまで待つことにした。15分ほどして止んで外に出たら、西の空に薄い虹がかかっていた。都会に掛かる虹、とても幻想的でした。
 
 ああ、これで本当の梅雨が開けたと得心しました。天を焦がすような雷が炸裂して、洪水のような雨が降って梅雨明けになる、そうなのです、天は、起承転結を見事なまでに演出して、梅雨は終る…私なりの梅雨明けの定義なのです。やがて各地の街で盆踊り、夏祭りが繰り広げられる。私の一番待ち望んだ季節がやってくる。
 
 
「スポーツに水は悪魔」の時代
 
 夏と言えば「水」は切っても切れない。しかしほんの40年程前まではスポーツマンにとって水は悪魔の存在であった。僕らが山村の中学で野球をしてた頃は、炎天下なのに水はスタミナがを消耗するからダメ、ピッチャーは肩を壊すから水泳はダメ…と今とは正反対の事をいわれたものです。
 
 プロでさえこういう迷信がまかり通っていたのです。ボクシングの選手などは15ラウンズ、水を一滴も呑めなかったのです。セコンドは壜を選手の口に持っていくが、それは、うがいするだけのものでした。水を呑むとボディーが弱くなると信じていたのです。 
  
 ところが外国からやってくるボクサーは平気で水をがぶ飲みしました。タイのセンサク・ムンスリン(当時WBC世界J・ウェルターC)などはまるでカバのように水を飲んみ15ラウンズをライオン古山と戦いました。
 
 水をがぶ飲みする大胆不敵な態度にも驚きましたが、セコンドに帰っても、1度も椅子に座らず立ったまま次のラウンドを待つそのスタミナにも吃驚しました。全てが我々の常識を覆すものでした。結果は古山を大差の判定に退けました。
 
 古山のセコンドは、試合中終始ボディー、ボディーを狙えと絶叫しましたが全く効果がなく逆に槍のように伸びるセンサクの左ストレートを顔面に浴びて完敗しました。日本のジム関係者は、おかしい、おかしいといって首をひねったものです。通説が見事にコケた瞬間でした。
 
 
~具志堅さんも水を飲まずに戦った~
 
 世界タイトル13度守った具志堅用高さんもこの誤った通説の犠牲者でした。ですから試合後トイレにいくとおしっこの代わりに「血」が出たそうです。血尿です。極限状態では体内に水が枯渇すると、血が水の役割を果たすのかも知れない。水は体に善くないは、この時代までは常識だったのですから、恐ろしいものです。
  
 コミッションドクターも、ハワイから来た名カットマン(打たれて出血したとき血を止める)スタンレイー伊藤トレーナーも、水を飲むことを何故か奨励していなかったのです。私も勿論害があると疑っていませんでした。胃が弱る、スタミナを失う、体が怠くなる、そう信じていました。
 
 いまでは野球の投手が真っ先に肩や腕をアイシング(冷やす)するし夏の甲子園での高校野球では、大量の水を補給することを高野連が指導している。ボクシングも水を飲むことが当たり前になっている。
 
 猛暑が続くと熱中症にかかり易い。私の脳梗塞の引き金となったのも夏の炎天下に合羽を着て代々木公園をジョギングしたからだ。水も少し飲んだだけで、前日の酒を体内から抜くという理由で走りまくりました。翌日具合が悪くなり東京医大に連れていかれました。連れて行った人こそ具志堅会長です。
 
 20日間の入院生活を余儀なくされ退院の日、看護師さんから口酸っぱくいわれた。「舟木さん、特に夏は2Lの水を飲んでくださいよ。暑い日は野外の運動や作業は控えてください」この言葉がいまでも耳に焼き付いております。このいいつけをしっかり守っています。お蔭さまで元気です、看護師さん。
 
 
ウナギについて思う事
 
 ウナギが絶滅種に指定される動きがあるとニュースで知った。もうすぐ土曜の丑の日がやってくる。ウナギは精がつくというので、暑い夏は特に好まれる。70%は日本人の口に入るそうだから、これは憂慮すべき問題である。
 
 これに付随してシラスウナギの輸入も禁止されるとの情報もある。なぜこうもウナギが入手できなくなってしまったのだろうか。前からいわれているのは人間の乱獲だがそれにも増してシラスウナギ(稚魚)の時に獲ってしまうことだと専門家は指摘している。
 
 シラスウナギを生簀などで育て市場に出す、この手っ取り早い方法が定着して以来ウナギは減少し出した。海に帰る前に捕まえてしまうのだから、増えるわけがない。4月四国をバス旅行して四万十川で舟遊びをしたら、漁師が言っていた。
 
 「あと3カ月もすると俺たちは昼寝して夜仕事するようになる。まるで泥棒みたいだが、灯りを照らすとシラスが寄ってくる、それを昆虫採集の様な網で掬う。これが大層な値段になるので漁師みんな血眼になるよ」
 
 
~故郷で食べた最後のウナギ~
 
 思えば天然ウナギを食べたのは昭和53年の夏、結婚して初めて福島の実家に家内を連れて行ったときだった。多分7月頃だったと思う。前の晩、甥(故人)と実家の前を流れる川に、置き針をして早朝引き上げに行ったら甥の置き針に、見事なウナギが糸に巻きついていた。
 
 その夜は兄貴に料理してもらったウナギで酒をしたたかに飲んだ。至福の夜だった。53年頃を境に我がふるさとにもウナギがみられなくなったと兄はいう。だとするとあれは鮫川に残った最後の貴重なウナギだったのかも知れない。
 
 昭和30年代までは、川を上ってくるシラスウナギがよく見受けられた。バスで町まで通学していた僕らは、中間試験が早く終わり下校したときなど、バスを途中で降りて村までぶらぶら友達と歩いてきた。標高700㍍以上ある山間の村であるから、険しい渓谷が続く。その激流に負けまいとウナギの稚魚が身体をくねらせながら、必死で岩肌を上る。
 
 何百、何千という稚魚の群れは遠く海を泳ぎ、故郷の川へ帰ってきたと思うと少年の心も何故か厳粛になって、捕まえた稚魚をそっと離したものだ。その川も大分前にダムが出来て、魚は一切上がって来れなくなった。ウナギ恋しい、ふるさとの川よ…。 
 
 
四万十川でもシラスウナギ漁が盛んに行われている

舟木昭太郎の日々つれづれ

<拙宅に咲いた花と俳句三題>


重たさを首で垂れけりゆりの花


うつむくは思案に似たり百合の花

 

つき山に松より高し百合の花

             ~いずれも子規~

舟木昭太郎の日々つれづれ

 

朝がほや一輪深き淵のいろ ~蕪村~

舟木昭太郎の日々つれづれ  

 
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ダルビッシュの苦悶と栄光/O.ヘンリーの魅力/畑に泥棒が入った

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・ダルビッシュの苦悶と栄光
・O.ヘンリーの魅力
・畑に泥棒が入った

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ダルビッシュの苦悶と栄光
 
 大リーグ、レンジャースのダルビッシュ有の8勝目がなかなか手が届かない。(6月29日現在)三振は取るが、ホームランも簡単に打たれてしまう。5月に7勝を挙げて以来1カ月半も勝ち星から遠ざかっている。
 
 私は素人だから技術的なことは分からない。だが四球を出すまいとフォームが小さくなったように思える。それはそれで大事なことだろうが、目先の勝利のために、小さく纏って欲しくない。
 
 若いし、君はまだ大リーグ2年目のルーキーなのだ、チャレンジスピリットを忘れてはならない。先のヤンキース戦でホームラン3本を打たれたとき君は、いかにも自己嫌悪に陥ったような情けない表情を見せた。
 
 勝ちたい気持ちとふがいない自分と、苦しみもがくダルの心を覗いたように思えた。その苦悩は必ずや次の飛躍への堆肥となるはずだ。もがき苦しむことは、人生にとって無駄なことではない。いつの日かダル投手は、サイヤング賞を取れる男だと私は信じている。
 
 こんな心配をしていたら1日(現地時間30日)のデーゲーム、レッズ戦で苦しみながらも6回3分の2を投げて無失点に抑えた。その後リリーフ投手が2点をゆるしたもののレンジャーズが3-2で勝利。8勝目をあげて久しぶりの彼の笑顔を見た。これからも険しい隘路が待っていよう。栄光は苦悶の先にあるか。
 
 
O・ヘンリーの魅力
 
 倅の部屋に入ったら本棚にO・ヘンリーの文庫本短編集(1~3)を見つけたので、早速読み始めた。断片的に過去読んではいるが、纏ったものを読破するのは初めてだから、改めてオー・ヘンリーの偉大さに触れる思いで耽溺している。
 
 大久保康雄の翻訳もいいからなのだろう。私は原文で著書を読んでいないからして、具体的にこの部分が素晴らしいのだと説明はできないが兎も角心に沁みる文章である。以下に紹介する「アラカルトの春」にとても洒落た一節がある。
  
 「やがて暦(こよみ)が臆面もなく春が来たと嘘をつくときがきた。春は、時期がこなければ、こないものなのだ。一月の雪は、依然として街の横町に硬い石のように凍てついていた。」
  
 春とは名ばかりの三月の街の気候を表現しものだが、このようにな名文を操れる人になりたいと私は憧れを抱いてきたものだが、我が才能では、どだい無理なのだと悟り、以降そんな甘夢は見ない。
  
 O・ヘンリーでつとに有名な短編は「最後の一葉」。肺炎を患った主人公は壁に伝う蔦の葉が全部枯れて落ちたときに、自分は死ぬと思い込む。嵐が来て次々に葉が落ちてい行くのをみて、画家の友人は壁に一枚の葉を描くという話で、まさに珠玉の短編小説である。
 
 皆さん、スマホばかりいじっていないで、本を読んでください。電車に乗れば男も女も、前を向いても左右を見てもスマホを手にする人ばかり。出勤時も、退社時も新聞や雑誌を読んでる姿を殆ど見ない。
 
 それどころかハイヒールを穿いた女性が階段を下りながらメールを打っていた。時には片手運転で自転車に乗りながら携帯で話している者も、これあぶないぜ。道路で歩きながらのメール打ちといやはや、これは何も日本だけの事じゃないらしい。本を読まない人類はどうなるのでしょう。末恐ろしいことです。本が売れないわけである。
 
 
畑に泥棒が入った
 
 露地栽培を始めて5年目、とうとう野菜泥棒に遣られました。夕方畑を見回った折に、明日早朝になれば収穫と決めていた茄子3個、翌日畑にいったら見事盗まれていました。
 
 畑には入り口の扉にチェーンを簡単に巻いているだけのもので、その気になればだれでも侵入できたのですが、さっそく鍵を着装したのですが、何故か己の精神が貧しくなったような気がしました。セコイなぁ~と。
 
 丁度古典にある「寺に鳥を入れさせまいとして、屋根に網を張った、なんと器量の狭いことよ」とお寺側を皮肉る箇所があるが、畑に鍵も何となくそんな光景に酷似する。御近所様も果たして大層大仰なと軽蔑していることでしょう。まあ、そんな事情ですので御理解ください。まことに世知辛い世の中でござんす。
 

  
ラジオ体操に向かう路地の民家の庭に咲く凌霄花(のうぜんかずら)は、私の大好きな南国を思わせる初夏の花。ブーゲンビリア、ハイビスカスこれらの花に囲まれて暮らすのが夢。

舟木昭太郎の日々つれづれ

 

大きな紫陽花には目を奪われた。近所の遊歩道で。 
舟木昭太郎の日々つれづれ  

 

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W杯も五輪も金が掛りすぎる/ブラジルのデモに何を感じるか/他

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・ブラジルのデモに何を感じるか
・W杯も五輪も金が掛りすぎる
・律儀な人もいる

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ブラジルのデモに何を感じるか

 

 サンパウロのバスの運賃値上げから端を発したブラジルのデモは全土に広がり、かつ大規模になっているようだ。来年に迫ったサッカーワールドカップに少なからず影響を与えるだろう。
 
 サッカーはブラジルの国民にとって、生活の一部でこの度のようなコンフェデ杯が行われている会場周辺でデモを掛けるようなことは過去にない。詰りは「ワールドカップの競技施設に巨額の金を投じるくらいなら、もっと教育、医療、交通機関にそのお金を回せ」というアピールである。真っ当な要求だ。ネット情報だが物価上昇率は前年比66%ともいわれる。お祭りどころではない。
 
 経済で急成長を続ける国の国民がサッカーよりは生活が第一といいだしたところに私は注目した。物の本質を捕えた挙句の行動であると。W杯の後はオリンピックも控えているブラジルは、競技施設や交通機関などにこれからも巨額の投資を続けるだろうから、国民の生活はますますそっちのけになろう。政府に怒りをぶちまける国民の不満も頷ける。
 
 
W杯も五輪も金が掛りすぎる
 
 W杯も五輪も巨大な商業主義になりすぎた。投資した御金が全く回収できないことは先のロンドンでも明らかであるのに、開催国は派手さを競い合う、愚を性懲りも無く繰り返す。ブラジルのデモはワールドカップやオリンピックを根本から考え直すいい機会である。
 
 東京もブラジル後の2020年のオリンピックに立候補しているが、とても国民の6割が招致に賛成しているとは思えない。もっと国民は冷静に見ている気がする。国が破産するような借金を抱えオリンピックどころじゃあるまいに、と私は思う。やるなら「スモール五輪」を高々と掲げるべきである。
 
 因みに2016年の日本の五輪招致活動費用は約150億、今回は少なくて75億に削ったと言われるが、何でこんなに掛るの?IOC委員を招いてのパーティでは、1人100万円も掛ったらしい。IOCも過度の接待は断るくらいの矜持が欲しい。IOC自ら襟を正すべきだ、こういった背景もあって、私はオリンピックの東京招致には反対の立場なのです。
 
 
律儀な人もいる

 

 格闘技マスコミ人生45周年のパーティーが終ってかれこれ2週間経ったが、律儀な人もいる。一般予約していたのに、開催日を勘違いして気が付いたら既に終っていました。申し訳ないので会費を支払いに行きますと電話してきた人である。
 
 その主はことあろうか元キックボクサー増沢潔さん。初代全日本ウェルター級チャンプである。S46年11月、武道館で鉄腕と呼ばれた錦利弘をKOした男である。引退後はタクシードライバーの傍ら非番の時にはレフェリーなども遣り古巣のキック界に貢献してきた。

 現在は定年退職しているがそれでも週3日は働いているという。その増沢さんが拙宅のある西原までわざわざ会費を払いに来てくれて、その上すし屋でランチを御馳走してくれた。46年といえば私が入社した年、それだけに彼の試合は感慨も深い。
 
 遥かなる歳月が過ぎてもかくお付き合いできる。気持ちよく会費を頂いて、近日中に彼と一杯遣ることにした。梅雨の季節、この日ばかりは心が晴れた…。
 
 
拙宅の玄関に今年はブーゲンビリアが見事に咲いた
舟木昭太郎の日々つれづれ  
 

朝の散歩で見つけた門からはみ出したアジサイ
舟木昭太郎の日々つれづれ  
 

露地栽培の胡瓜、茄子、トマトも活発に生育している
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