楽天優勝とマー君の決断力/モグラ・リニアカーは無用だ!/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

楽天優勝とマー君の決断力/モグラ・リニアカーは無用だ!/他

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・楽天優勝とマー君の決断力
 ~巨人を倒すシーンを見たい~
[今週の話題] 
・ドラマ 半沢直樹
[今週の問題点] 
・モグラ・リニアカーは無用だ!
 ~老朽化した高架橋脚、路線の強化が先決~

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楽天優勝とマー君の決断力
 
 東北楽天イーグルスが創設9年目でみごとパ・リーグ優勝に輝いた。私はNHKBSで8回から見た。8回終わって4-3、西武をリードして今季負けなしの22勝、田中将大投手が9回裏のマウンドに立った。ロッテが日ハムに敗れて、守り切れば優勝だ。
 
 最初の打者に内野安打、そのあと四球、バントなどで1死、2塁、3塁のランナー。一打ヒットが出ればサヨナラの場面は、流石に見る側も緊張する。私は1点は致し方なしと踏んだ。
 
 絶体絶命とはこんな時に使う言葉なのだろう。だが田中は渾身のストレートを8球投げ続け二者連続三振で斬った。そして万感の優勝!彼のその精神たるや誠に以て鬼神のごとし、天晴れ24才。
 
 将棋棋士羽生善治の「決断力」の著書の中にいみじくもこんな言葉がある。「私は決断するときは、たとえ危険でも単純で、簡単な方法を選ぶ」と。まさにこの言葉を地で行くような攻めであった。
 
 一旦決めたらぶれない、肚をくくる。カーブにしようか、ストレートにしようか迷ったら切がない。西武の打者はマー君のその勇気、迫力に圧倒された。全身に漲る覇気を感じる。西武最後の打者浅村を153㌔の速球で空振りさせた1球は、何とも言えぬ野球の醍醐味を味わうことができた。
 
 
~巨人を倒すシーンを見たい~
 
 ナインの中には感涙に咽ぶ選手もいたが、田中はあまり浮かれてはいなかった。それはクライマックス・シリーズ、日本シリーズを勝たねばという新たな決意に私には思えた。
 
 振り返れば駒大苫小牧高校から東北楽天に指名されたとき(2006年ドラフト)は、正直な気持ち彼の本意とするものでなかったはずだ。できたばかりの寄せ集め集団、05年は首位から51・5ゲーム差、翌06年野村監督になっても33ゲーム差。こんな弱小球団にくじ引きでマー君の運命は決められた。
 
 そのマー君の人生だが、結果的にはくじ運が良かった、と言えるのかもしれない。野村監督の元で、野球道というイロハをじっくりと学び取ることができて、今日のマー君ならしめたのだから。他球団ではこう上手く行ったかどうか、疑わしい。
 
 「人生塞翁が馬」とはよくいったものだである。与えらた場所でベストを尽くしてると、いつかは良き結果が生れ出る。これも神様の采配かも知れない。アンチ巨人の私としては、楽天がクライマックスでパの代表となり日本シリーズでセの代表(多分堅い)巨人と対戦して、倒すこと。マーク君の歓喜のシーンを見たいものだ。
 
 それにしてもいつまで連勝は続くのだろうか。で、マー君の、その先にあるもの、それは恐らく大リーグへの道ではないか。ここに限りない向上心を有する若者がいる。頼もしい。
 
 
[今週の話題]
 
ドラマ 半沢直樹
 
 「半沢直樹」は最終回で目出度く大和田常務にリベンジ(仕返し)を果たして、ドラマはやっぱりハッピーエンド、と確信したらもう一つのドンデン返し。出世間違いなしと思わせて置いて、頭取が言い渡した辞令は何んと、系列証券会社への出向、所謂、左遷という意外な結末。
 
 だがこの終わり方があったればこそ、ドラマは薄っぺらなものにならなず済んだ。半沢が香川(大和田常務)に土下座を迫る場面で、頭取は「もうそのくらいでいいだろう」と、言うのを振り切り土下座を強要した。半沢のこの振る舞えに、頭取はいずれ自分にも刃向う惧れあり、と踏んだとしても不思議ではない。ドラマは此処に”左遷”の伏線を持たしてある。
 
 組織とはいくら有能な行員でも、組織を乱す者は危険視する。その見本が半沢となる。しかしながら上司とは狡猾なもので、あの時証券会社の出向も、後日「将来君を役員になってもらうための修業だった」といくらでも理由は付けられる。続編が囁かれるのは、そうした含みを持たせる結果の所以だろう。
 
「やられたらやり返す。倍返しだ!」は勿論今年の流行語大賞になるだろう。破天荒に面白いドラマであった。最終回42・2%の高視聴率が頷ける。42%とは約1200万世帯が見た勘定である。第一級のエンタテインメントであった。
 
 
[今週の問題点]
 
モグラ・リニアカーは無用だ!
 
 首都圏と中部地区を結ぶリニア中央新幹線の全貌が明らかとなった。2027年に開業を目指し2014年の着工を決めた。さて、夢の超特急、品川~名古屋をノンストップなら40分で結ぶというものだが、沿線4県の中間4駅に停車すると名古屋まで72分。東海道新幹線の「のぞみ」は最速で90分、この程度の時間短縮に建設費5兆4千億円(品川~名古屋間)も投じる必要性があるんですか?
 
 全長286㌔のうち86%は地下を走る。最大の難関は南アルプスを貫通する25㌔のトンネルだと専門家はみる。この地層は軟弱で工事は難航するだろうと不安視する。しかも山梨、長野、岐阜にかかるルートは活断層が横たわるらしいのだ。
 
 最も心配するのは、40㍍以上の地下深いところを走るので、地震など災害には果たしてどう対応するのだろう。最高時速505㌔、事故の大きさも想像できない。非常口は5㌔ごとに設けられエレベーターで地上と直結しているから万一事故に遭遇しても、大丈夫ということだろうが、一概に信用は出来ぬ。
 
 東海道新幹線の開業は東京五輪の1964年(S39年)だった。ほゞ半世紀が経つ。もう抜本的に整備補修の必用があるのじゃなか。こっちの方がリニアなどよりずっと大切だと思わないかね。高架橋脚の全面改修補強、路線の強度化等、それでなくとも東海地方に巨大地震が起こり得ると学者諸氏は盛んに警告している。
 
 
~老朽化した高架橋脚、路線の強化が先決~
 
 となれば公共輸送機関としては、巨大地震、大津波に対する安全整備が急務である。10年もかけて、僅か20分,30分短縮するのに血眼になるべき仕事ではない。何を置いても、乗客の生命を守る新幹線の整備作業に取り掛かるのが、先決ではないのか。
 
 今からでも遅くはない。誰か声を大にして待ったをかけるべきである。工事費も5兆4千億では多分済むまい。もしかしてJR東海の経営を根本から揺さぶる不幸な事態に陥るかもしれぬ。
 
 机上の計算と大自然の実態は違う。途中で頓挫すのも想定すべきである。で、また公的資金の果てしない投入でもする?はたまた運賃の値上げか。畢竟、族議員、ゼネコンを喜ばすだけの愚行だ。私はモグラの如きリニアは御免蒙る。地下深く矢のように走る汽車なんぞちょっとも恰好よくないで。
 
 旅は車窓から景色を見て、酒を飲み、弁当を食べる…闇の中を走るリニアはその楽しみさえも奪う。どんな事情があろうと俺はモグラリニアには乗らぬ!狭い日本、そなに急いで何処へ行く!
 
 これこそ唾棄すべき事業であり、性質のものと私は考える。この事業そのものが、人間の傲慢さの証である。奢るな、JR東海、人間よ!
 

楽天の優勝を報じる新聞!

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