村田のデビュー戦と井上の将来性/江藤光喜の50年ぶりの快挙/他
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・村田のデビュー戦と井上の将来性
~これからが本番だ!~
・江藤光喜の50年ぶりの快挙
~タイで勝てない理由~
・汗とハンカチ
~具志堅会長とタイでゴルフの逸話~
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村田のデビュー戦と井上の将来性
今回はボクシングの話題で尽きそうです。注目する試合がありました。特にロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太(27=三迫)のデビュー戦、それに高校アマ7冠王・井上尚弥のデビュー4戦目での日本タイトル獲得なるかという一番、いずれも期待にたがわぬ好試合を見せてくれました。(25日 東京・有明コロシアム)
先ずチャンピオン田口良一(26=ワタナベ)VS挑戦者1位井上尚弥(20=大橋)の日本L・フライ級タイトル戦から私の感じたものを述べてみましょう。結論から申しますと、この試合は終始双方が手数を出して見応えのある試合でした。
両選手共右のボクサーファイターです。身長で3cm優る田口を、挑戦者はアグレッシブに小気味よく毎回攻め立て3-0の文句ない判定でした。流石7冠、洗練されたテクニックの持ち主で、将来を約束されるような勝利でした。大橋会長の指導も定評があり、間違いなく”世界”の器です。井上に関しては伸び代はまだまだあります。変な癖がなくボクシングが素直なところを私は買うのです。
よく井上選手は同じクラスのWBA世界L・フライ級王者井岡一翔(24=井岡)と比較されますが、私はあらゆる面で完成の域に達し、なおかつ成長を続ける井岡選手が、いまのところ2枚も3枚も上です。私は井岡こそ”カンムリワシ具志堅二世”であると期待しています。いずれにせよ近い将来に井岡と井上が雌雄を決する試合が見たいものです。
さてさて村田諒太のプロ第1戦、は関係者の思惑通りの結果でしょう。東洋太平洋ミドル級王者柴田明雄(31=ワタナベ)が契約ウェート73kg、6回戦で村田のデビュー戦に花を添えたのも異例のことです。
~これからが本番だ!~
結果は村田のパワフルな右ストレートが柴田を襲い2回TKOで勝って五輪王者の片鱗を披露しました。リングに登場したときから、村田の見事にビルドアップされたような上半身に驚き、身長で1cm上回る柴田の方が貧弱に見えました。
村田こそ世界に通用するミドル級のスタンダード身体であると先ず、私は納得しましたが、試合も相手を寄せつけないものでした。先ずは幸先良いプロデビュー。しかしこれからが戦いの本番に入ります。このクラスは層が厚く世界に強豪犇めきます。スピードも、パワーも日本人とは雲泥の相手が待っています。
リングサイドにはWBCスレイマン会長も臨席していました。電通(村田は電通の子会社社員)とフジテレビ、帝拳、三迫の両ジムの協力体制で村田を世界に押し上げて行こうとする気概を確かに感じました。日本のメダリストは大成しないというジンクスを是非破ってもらいたいものです。でも余り過保護し過ぎると選手をスポイルしてしまうことが多々あります。老婆心ながら一言申し上げます。
江藤光喜の50年ぶりの快挙
25日のビックイベントに負けない隠れた快挙が日本ボクシング界にありました。0勝17敗1分け、皆さんこの数字分かりますか?これ実は日本人ボクサーがタイでタイトルと名のつく試合での勝敗です。F原田がキングピッチにリターンマッチで負けたのが、昭和38年1月。以来今日まで半世紀日本選手はタイで勝っていないのです。
それを白井・具志堅ジム江藤光喜選手が遂に打破したのです。敵地タイで見事WBA世界フライ級暫定王者になって凱旋したのです。その祝勝パーティ(8月24日、17時から東京・後楽園飯店)が開かれ私も参加させて頂きました。
試合は8月1日(バンコク)で暫定チャンピオン、コンパヤック・ポープラムックVS挑戦者7位江藤光喜(江藤3兄弟の長男)の試合をビデオで会場で見せてもらいました。敵地で勝つということが如何に大変であるか、今回のビデオでも実感いたしました。
~タイで勝てない理由~
1R完全なダウンを取っているにもかかわらずレフェリーは全く無視、その後も前進攻撃を繰り返す江藤の鋭いアッパーが、何度も決まり圧倒的に優勢な試合を進めました。にも拘らず最終12回を迎えるまではジャッジ一人がコンパヤックの勝と採点されていたのです。
幸い最終回にコンパヤックからダウンを奪って、なんと50年ぶりの勝利に導いたのです。でも暫定王者とは摩訶不思議な代物で、王座を奪い獲ったといっても即正規王者に挑戦できません。日本では防衛戦を認めていないので、またバンコクで試合を行います。危険この上ない試合で、負ければ王座挑戦は遠のきます。
でもしかし50年ぶりにタイで勝ったという自信は江藤選手のバックボーンになるでしょう。皆さん、村田や井上選手と同様の声援を送りましょう。そして1日も早く正規王者との統一戦が実現されることを祈りましょう。亀田3兄弟に対する、江藤3兄弟白井・具志堅ジムにあり!
汗とハンカチ
猛暑が続く今年の夏はハンカチが離せない。特に私のような汗っかきには。でも街角で外国人を見ていると、ハンカチを手にしている人はほとんど見ないけど、あれってどうしてだろう?
汗腺が無いのかしらと思ってしまう。タイの国民などもハンカチで汗を拭いているのを先ず目にしたことがない。5月ごろは日本の夏のように湿気が異常で、むわっとするのに平チャラだ。
これって暑さに慣れているからなのだろうか。ゴルフをやっていても私のタイ人の友は、プレー中全くと言っていいほど汗をかかないでいる。ゴルフといえば、具志堅用高さんとバンコクでプレーしたときの事に触れてみたい。
その日も朝から猛烈に暑くタイの友人も流石に顔に日焼け止めを塗ったり、しっかり長袖のシャツで防護して、勿論キャップも準備万端でスタートした。私も以下同様の装備、日傘もプレー中は離さなかった。ペットボトルも多目に携帯して。1ホールが終わった頃には忽ちシャツの中が滝のような汗で、私はカートの中で、はやバテて、フーフー。
~具志堅会長とタイでゴルフの逸話~
ところがどうだ、具志堅さんはキャップを脱ぎ天を仰ぐと、最高だね、この暑さ、丁度いいよね。石垣(具志堅さんの故郷)なんか足元から陽が射してくるもの、とのたまう。タイ語が少しわかる私が通訳してタイ人に伝えると、おお、ノーといって笑った。で、具志堅さんは殆どカートに乗らずホールアウトした。
ここで話は終らないところが”チョッチュネ”さんの本領。『え?もう止めちゃうの?せっかくタイに来たのにもったいないよ。もうハーフやろうよ。』てなわけで1.5ラウンド遣る羽目になってしまった。私はダウン寸前のボクサーのようにグロッキー。だが具志堅さんは、アウトよりインが、インより最後のハーフとスコアがどんどんアップしていたのである。これにはメンバー全員降参でした。
これにはキャデーもタイの友人も驚いていたっけ。なおも吃驚したのは、「本当は俺たち2ラウンドが普通なんだけどな~。」悔しがっていたこと。いやはや、世界戦13度防衛の底力は並大抵ではない。その時ばかりは「ダメダメ、夕方約束があるから」と吾輩は吠えたのでありました。
暫定王者江藤選手と記念に。具志堅会長の愛弟子が快挙を成し遂げたことは無上の喜び。次は正規チャンプだ!
翌日のスポーツ紙には1面でタイトルマッチの模様が報じられた。スカイブルーのトランクスが江藤選手。

老人施設の庭の池につつましく咲くハスの花、涼しさを誘う。
DVD 『カンムリワシ具志堅用高』 第1部&第2部
DVD『日本ボクシング不滅の激闘史』いずれも絶賛発売中!!
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・村田のデビュー戦と井上の将来性
~これからが本番だ!~
・江藤光喜の50年ぶりの快挙
~タイで勝てない理由~
・汗とハンカチ
~具志堅会長とタイでゴルフの逸話~
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村田のデビュー戦と井上の将来性
今回はボクシングの話題で尽きそうです。注目する試合がありました。特にロンドン五輪ミドル級金メダリスト村田諒太(27=三迫)のデビュー戦、それに高校アマ7冠王・井上尚弥のデビュー4戦目での日本タイトル獲得なるかという一番、いずれも期待にたがわぬ好試合を見せてくれました。(25日 東京・有明コロシアム)
先ずチャンピオン田口良一(26=ワタナベ)VS挑戦者1位井上尚弥(20=大橋)の日本L・フライ級タイトル戦から私の感じたものを述べてみましょう。結論から申しますと、この試合は終始双方が手数を出して見応えのある試合でした。
両選手共右のボクサーファイターです。身長で3cm優る田口を、挑戦者はアグレッシブに小気味よく毎回攻め立て3-0の文句ない判定でした。流石7冠、洗練されたテクニックの持ち主で、将来を約束されるような勝利でした。大橋会長の指導も定評があり、間違いなく”世界”の器です。井上に関しては伸び代はまだまだあります。変な癖がなくボクシングが素直なところを私は買うのです。
よく井上選手は同じクラスのWBA世界L・フライ級王者井岡一翔(24=井岡)と比較されますが、私はあらゆる面で完成の域に達し、なおかつ成長を続ける井岡選手が、いまのところ2枚も3枚も上です。私は井岡こそ”カンムリワシ具志堅二世”であると期待しています。いずれにせよ近い将来に井岡と井上が雌雄を決する試合が見たいものです。
さてさて村田諒太のプロ第1戦、は関係者の思惑通りの結果でしょう。東洋太平洋ミドル級王者柴田明雄(31=ワタナベ)が契約ウェート73kg、6回戦で村田のデビュー戦に花を添えたのも異例のことです。
~これからが本番だ!~
結果は村田のパワフルな右ストレートが柴田を襲い2回TKOで勝って五輪王者の片鱗を披露しました。リングに登場したときから、村田の見事にビルドアップされたような上半身に驚き、身長で1cm上回る柴田の方が貧弱に見えました。
村田こそ世界に通用するミドル級のスタンダード身体であると先ず、私は納得しましたが、試合も相手を寄せつけないものでした。先ずは幸先良いプロデビュー。しかしこれからが戦いの本番に入ります。このクラスは層が厚く世界に強豪犇めきます。スピードも、パワーも日本人とは雲泥の相手が待っています。
リングサイドにはWBCスレイマン会長も臨席していました。電通(村田は電通の子会社社員)とフジテレビ、帝拳、三迫の両ジムの協力体制で村田を世界に押し上げて行こうとする気概を確かに感じました。日本のメダリストは大成しないというジンクスを是非破ってもらいたいものです。でも余り過保護し過ぎると選手をスポイルしてしまうことが多々あります。老婆心ながら一言申し上げます。
江藤光喜の50年ぶりの快挙
25日のビックイベントに負けない隠れた快挙が日本ボクシング界にありました。0勝17敗1分け、皆さんこの数字分かりますか?これ実は日本人ボクサーがタイでタイトルと名のつく試合での勝敗です。F原田がキングピッチにリターンマッチで負けたのが、昭和38年1月。以来今日まで半世紀日本選手はタイで勝っていないのです。
それを白井・具志堅ジム江藤光喜選手が遂に打破したのです。敵地タイで見事WBA世界フライ級暫定王者になって凱旋したのです。その祝勝パーティ(8月24日、17時から東京・後楽園飯店)が開かれ私も参加させて頂きました。
試合は8月1日(バンコク)で暫定チャンピオン、コンパヤック・ポープラムックVS挑戦者7位江藤光喜(江藤3兄弟の長男)の試合をビデオで会場で見せてもらいました。敵地で勝つということが如何に大変であるか、今回のビデオでも実感いたしました。
~タイで勝てない理由~
1R完全なダウンを取っているにもかかわらずレフェリーは全く無視、その後も前進攻撃を繰り返す江藤の鋭いアッパーが、何度も決まり圧倒的に優勢な試合を進めました。にも拘らず最終12回を迎えるまではジャッジ一人がコンパヤックの勝と採点されていたのです。
幸い最終回にコンパヤックからダウンを奪って、なんと50年ぶりの勝利に導いたのです。でも暫定王者とは摩訶不思議な代物で、王座を奪い獲ったといっても即正規王者に挑戦できません。日本では防衛戦を認めていないので、またバンコクで試合を行います。危険この上ない試合で、負ければ王座挑戦は遠のきます。
でもしかし50年ぶりにタイで勝ったという自信は江藤選手のバックボーンになるでしょう。皆さん、村田や井上選手と同様の声援を送りましょう。そして1日も早く正規王者との統一戦が実現されることを祈りましょう。亀田3兄弟に対する、江藤3兄弟白井・具志堅ジムにあり!
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猛暑が続く今年の夏はハンカチが離せない。特に私のような汗っかきには。でも街角で外国人を見ていると、ハンカチを手にしている人はほとんど見ないけど、あれってどうしてだろう?
汗腺が無いのかしらと思ってしまう。タイの国民などもハンカチで汗を拭いているのを先ず目にしたことがない。5月ごろは日本の夏のように湿気が異常で、むわっとするのに平チャラだ。
これって暑さに慣れているからなのだろうか。ゴルフをやっていても私のタイ人の友は、プレー中全くと言っていいほど汗をかかないでいる。ゴルフといえば、具志堅用高さんとバンコクでプレーしたときの事に触れてみたい。
その日も朝から猛烈に暑くタイの友人も流石に顔に日焼け止めを塗ったり、しっかり長袖のシャツで防護して、勿論キャップも準備万端でスタートした。私も以下同様の装備、日傘もプレー中は離さなかった。ペットボトルも多目に携帯して。1ホールが終わった頃には忽ちシャツの中が滝のような汗で、私はカートの中で、はやバテて、フーフー。
~具志堅会長とタイでゴルフの逸話~
ところがどうだ、具志堅さんはキャップを脱ぎ天を仰ぐと、最高だね、この暑さ、丁度いいよね。石垣(具志堅さんの故郷)なんか足元から陽が射してくるもの、とのたまう。タイ語が少しわかる私が通訳してタイ人に伝えると、おお、ノーといって笑った。で、具志堅さんは殆どカートに乗らずホールアウトした。
ここで話は終らないところが”チョッチュネ”さんの本領。『え?もう止めちゃうの?せっかくタイに来たのにもったいないよ。もうハーフやろうよ。』てなわけで1.5ラウンド遣る羽目になってしまった。私はダウン寸前のボクサーのようにグロッキー。だが具志堅さんは、アウトよりインが、インより最後のハーフとスコアがどんどんアップしていたのである。これにはメンバー全員降参でした。
これにはキャデーもタイの友人も驚いていたっけ。なおも吃驚したのは、「本当は俺たち2ラウンドが普通なんだけどな~。」悔しがっていたこと。いやはや、世界戦13度防衛の底力は並大抵ではない。その時ばかりは「ダメダメ、夕方約束があるから」と吾輩は吠えたのでありました。
暫定王者江藤選手と記念に。具志堅会長の愛弟子が快挙を成し遂げたことは無上の喜び。次は正規チャンプだ!
翌日のスポーツ紙には1面でタイトルマッチの模様が報じられた。スカイブルーのトランクスが江藤選手。

老人施設の庭の池につつましく咲くハスの花、涼しさを誘う。
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