さて、2020年東京五輪開催が決まって/他
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・さて、2020年東京五輪開催が決まって
~私と56年前の東京オリンピック~
~称賛の言葉だけでは良くない~
~開会式のプロデューサーを公募せよ~
~これを契機にスポーツ立国を目指せ~
~膨張する医療費に運動で歯止めを~
・ドラマ半沢直樹は何故受ける
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さて、2020年東京五輪開催が決まって
2020年のオリンピックパラリンピックの東京開催が決まった。先ずは東京都民の一人として御祝い申し上げます。7年後も健在でありたい。さすれば生涯に2度の自国開催を目撃できるのだ。幸いなり。
前回の第18回オリンピックの時期は、私自身が社会の底辺でもがき苦しんでいたので「世紀の祭典」を体感することはなかった。高卒で2年間勤めていた電気工事の会社をやめ、漠然とした思いでアルバイトに明け暮れていた頃。
オリンピックに合わせて開業した「レストランシアター・ミカド」の舞台進行のアシスタント要員として、プロダクションに雇われ働いていた。舞台進行係といっても要は雑用で、主たる仕事は大道具係の重労働であった。マチネー(昼興行)のときは一日中働いていたような気がした。
~私と56年前の東京オリンピック~
オリンピックが翌年に迫った暮れに力道山がクラブで刺されてマスメディアは大騒ぎした。午後会社に行こうと赤坂の一ツ木通りを歩いていたら大型のキャデラックが私に触れんばかりに止まった。中で大男が運転手に何やら「気を付けろ」と怒鳴って、車から降りてきたのは金田正一投手(国鉄スワローズ)だった。顔面蒼白で慌ただしかったので、力道山の見舞いに行くんだなと直感した。力道山と金田投手の親交は知っていた。
道路という道路は何処へ行っても突貫工事中で、特に赤坂付近は戦場のような混雑を極めていた。翌年10月、オリンピックが開催しても私は部屋にテレビも無かったので、安食堂で偶に競技を見るのが精一杯であった。従って金メダル18個も獲ったという記憶も甚だ薄い。東海道新幹線の開通も他所事であった。
あるとすれば神永がへーシンクに横四方固めで破れたこと、後は東洋の魔女のバレーボールのアナウンサーの"金メダルポイント!!"という絶叫が印象深い。それと同県人円谷のマラソン、振り向かず振り向かずゴール付近で抜かれて3位の虚脱感。優勝は裸足のアベベ。ゴールして軽く体操した余裕の姿をいまなお鮮やかに覚えている。
五輪イヤーに、ミカドは大物タレントや海外のビックショーを相次いで招聘して、田舎出の私は食い入るようにステージの袖から見ていた。サミー・デービスJr、パット・ブーン、パリのムーランルージュ…。御蔭で普段接することもできない世界的な芸能人を間直に眺めることができた。写真にあるようにムーランルージュのダンサーとは親しくなった。
当時私は中野区新井町に在った薬局の3畳一間の安アパートに住んでいた。仕事が終わり中央線で帰ると車窓から国立競技場の聖火が闇に明々と浮かんでいた。これが何とも淋しかった。世界から自分だけが取り残されたようで、脇目もふらずに暗いアパートに帰ったものだ。オリンピックがまだ始まらない38年秋には、ミカドの運営は困窮し始めた。
結局私は、東宝舞台に引き取られて、ここに私は約2年間御世話になった。ミカドはオリンピックが終了するのを待っていたかのように倒産。東宝舞台では、来る日も来る日も大道具の設営や運搬で、日劇や宝塚に出向いた。先の見えぬ人生に翻弄されていた。そしてここも2年弱で辞めて、新聞配達店に住込みで入り大学へ進む道をやっと歩むことが出来た。これは、余談だね。
~称賛の言葉だけでは良くない~
56年前の東京オリンピックの記憶はかように暗澹たるものであった。そんな苦い思い出があるから、今度はのんびりテレビ観賞したいと思う。或いは喧噪を逃れ鄙びた町へ旅に出ようか…いずれにせよ、7年なんてあっという間にやってくる。
でも浮かれているだけでは困る。東北の被災地でいまなお故郷を追われ仮設住宅に罹災者が大勢いることを忘れまい。五輪を優先するあまり復興が遅れてはならない。
で、安倍総理は原発汚の染水問題を外国記者やIOC委員などから聞かれ「政府がコントロールしているから大丈夫です。汚水は港内0.3㌔だけで、安心を保証する」と懸念の払拭に努めていたが、漫画家のやくみつるさんは「日本国民の前でそういうことを明言したことがない」とNHKテレビで噛み付いた。
プレゼンテーション向けの言葉ではないのかと言うのだ。確かに私もそう感じた。よくぞ言ってくれたとやくみつるさんに拍手を送った。東京招致成功に称賛ばかりでは、大会の成功には繋がらない。どしどし苦言を呈して行こうじゃないか。
~開会式のプロデューサーを公募せよ~
もうひとつ開会式のプロデューサーは国内外から公募すべきだろう。北京、ロンドンのそれを見て感じたことは、とてもファンタスティックでドラマティックで、洗練された印象が在る。それに引き替え過去日本で行われた2回(札幌、長野)の冬季五輪の開会式は、心に残る物はない。特に長野は全く頂けないものであった。
日本の歴史と文明の発展…神社仏閣、伝統芸能と先端技術の融合、海、山、川の自然の美しさをコンパクトに鋭く表現する演出家。そうした技法を持った才能豊かな演出家を世界に求めよ!何も日本人でなくてもよいのである。2020年のメーン会場は、イラン人の設計によるものである。才能、叡智を世界から集める、そして過去に例ない燦然たる開会式にする。政治やしがらみで人選してはならない。
~これを契機にスポーツ立国を目指せ~
今度のオリンピック招致を契機に、日本は敢然と「スポーツ立国」のフラッグを高々と掲げるべきである。幸い猪瀬東京都知事は、熱心にスポーツの効用を力説している。勿論主催国の金メダルの数も大事だろうが、私が申すのは国民総スポーツ人の具現化にある。
毎日歩いたり、スポーツをしている高齢者の方が病気にかかる確率は少ないといわれる。それが証拠にラジオ体操に集まる人の顔触れは殆ど変らない。ということは風邪で休んだり、長期寝込んでしまったという人がいないということだ。
適度に体を動かす事は、血液の循環をよくして、腰痛肩こりも起らない。体も動かさずサプリメントで補強しても無駄な事で、運動の効用で病院に行ったり、整骨院に行く人も少なくなり強いては膨張する国民健康保険の医療費にもブレーキがかるというもの。日本ほど薬を大量に出す、飲む国はないといわれる。
~膨張する医療費に運動で歯止めを~
北欧などではまず、風邪で薬を投与するのは極めて稀だという。子供にさえホット赤ワインを飲ませ、熱いシャワーを浴させて床に入れるのだそうだ。風邪は病気じゃないらしい。私もここ10年来風邪で病院に行ったことがない。風邪と思ったら、熱い生姜湯に、レモンを絞り、はちみつとウイスキー少し入れて飲み、厚着してベッドイン。これで治る。
高齢者への何でもバリアフリー化も私は決して善い事ではないと思っている。それでなくとも高齢者は運動不足気味なのに、階段をなくしてスロープにすればそれだけ体が楽するだけ。高齢者こそ苦行を!体をいじめることが即ち健康に繋がり、長生きに通ずると信じたほうがよい。
もうそろそろ日本人の病院癖にオサラバしようよ。病院に行けば病気が治るという錯覚は捨てよう。それが自分自身の為、イコールお国のためである。
ドラマ半沢直樹は何故受ける
”やられたら倍返し”の日曜ドラマ「半沢直樹」は勧善懲悪が徹底していて実に痛快である。ここ三週ばかり見ているが、ドラマの筋が分かり易くしかも展開がスピーディーだからつい見てしまう。例えていえば現代版水戸黄門、例えていえば力道山。
どちらも、葵の紋所、方や空手チョップが火を噴いてヒール(悪役)を退治する。分かっているけどやめられない。高視聴率を稼ぐのも頷ける。単純明解、銀行員としての使命感、志の高さに半沢直樹とダブらせて見る人は共鳴するのだろう。近頃の銀行員は儲けるだけの使命感に欠ける。経験者は語る。
このドラマの成功は一にも二にも、主人公半沢直樹に堺雅人を抜擢したことである。銀行員としての情熱の発露、上司への怒りの表現は、目の動きや表情の変化で堺は見事に熟している。妻を演じる上戸彩も重いドラマの中で、一服の清涼剤となっていて、彼女は新境地を開いた感がある。
大和田常務役香川照之の重厚で狡猾な演技も半沢を引き立たせている。金融庁国税査察官役の片岡愛之助のネチッコイいやらしさがドラマに味を添える。兎に角ベビーフェイス(=善人)とヒール(悪役)など登場人物がはっきりしている点がいい。ドラマの成功は、キャステングで決まる。
8日の金融庁模擬調査の場面は見応えがあった。やはり追い詰められてサウドバック状態の半沢が一転反撃する場面は、正に力道山。やられたら倍返しの爽快感だった。
もうそろそろ、残り一週か二週で終わるのだろうが最後は大和田常務が半沢直樹に、土下座するのだろうか。だとすれば、これぞ黄門ワールド。それでいいのだ!
現在ミカドの跡にはビルが建ち、奇しくも私の御世話になっているTCエンタテインメントが入居している。不思議な縁である。
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