小林桂のジャズヴォーカル/アラブの冬/スポーツ二題/他 | 舟木昭太郎の日々つれづれ

小林桂のジャズヴォーカル/アラブの冬/スポーツ二題/他

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・往年の名選手片山源太さん
・小林桂のジャズヴォーカル
・アラブの冬

 ~エジプト4000年が見ている~
『スポーツ二題』
・バレンティンの本塁打
・村田のデビュー戦で耳にした

・空の色は秋色

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往年の名選手片山源太さん
 
昭和46年から50年代にかけて活躍したキックボクサー片山源太さんに連絡がとれました。FACEBOOKでの片山源太さんの消息を知りたいという私の願いを元コロッセオ店主の大森敏範さんが目にして、弟の小源太さん(元協同ジム選手)に電話して下さり、宛先が分かりました。お蔭さまで、30数年振りで御本人と会話ができました。大森さんの御尽力に感謝いたします。
 
 懐かしい昔通りの声の響きが電話越しに伝わってきました。予め弟・小源太さんから連絡があったようで、私が元ゴングにいた舟木です、というまでもなく即座に応じてくれました。
 
 何故私が彼の消息が知りたかったのか、それは”小さな巨人”と謳われる大沢昇と、2度にわたり引分け延長戦の死闘を演じた選手だったからです。いずれもミクロの僅差で片山選手は敗れています。非運の名選手です。大沢選手をかくも苦しめた日本人キックボクサーは、後にも先にも彼だけです。 
 
 極真空手の創始者・大山倍達総裁は、あるとき総裁室で素うどんを二人で食べながら、大沢昇さんの話がたまたま出たときに、キミ、大沢を黒崎(健時)に取られたことが私の最大の失敗だったよ、と唐突に吐露したことをいまも鮮明に覚えています。人格、力量、清貧…或は大山総裁、自分の後継者に大沢氏を考えていたのかも知れない。そういえば初版の「THIS IS KARATE」のモデルは殆どが藤平昭雄(大沢昇の本名)である。
 
 余談が長すぎた。伝説の男・大沢昇に地獄を見させた片山さんは、名古屋に在住、65才になったいまも鉄工所の会社員として勤務している。「とっくに定年退職したのですが、そのまま同じ所で働いています。舟木さん、会いたいですねえ」と仰ってくれた。名古屋は現役時代、片山さんが、中京ジムに所属していた土地、やっぱし第二の故郷だったんだ。
 
 私も勿論です。私は名古屋の山本屋の煮込みうどんが大好きです。暫く名古屋には足を延ばしていないので、今年中には出掛けてみたい。そのときは酒を酌み交わしながら、来し方をじっくり語り明かしたものである。人生にまた楽しみが一つ増えました。
 
 
小林桂のジャズヴォーカル
 
 小林桂、音楽生活20周年記念LIVE~ヴォーカル&ドラムで語るスウィンンギージャズ~(日経ホール、8月30日)に家内の誘いで出掛けてきました。
 
 協賛が化粧品会社ということでジャズ演奏をナマで聴くのは初めてと思しき中高年のご婦人が目立った。私もジャズ酒場などで体験したことがあるが、一般のホールで目にするのは初めて。
 
 父親の小林洋がピアノ、安ヵ川大樹がベースで、桂が歌とドラムを兼人した。全13曲、ジャズヴォーカリスト小林桂のソフトな甘い声に日中の猛暑も忘れた。デューク・エリントンのA列車で行こう、スウィングしなくちゃ意味がない、Sophistikated Ladyは桂は幼い頃より歌い続けて、思い入れも深く味のあるものだった。
  
 専門家の間で高く評価される桂のステージ、やはり酒がないとこちらの体がスウィングしない。ジャズはやっぱホテルのラウンジか、ジャズ酒場で聴くのが相応しい。酒は断然バーボンのソーダー割がいい。ドラム、ピアノ、ベースの響きが快く魂を揺らしてくれる。小林桂のステージは、さしずめジャズのジェットストーリムである。 
 
 
アラブの冬
 
かつてアラブはロマンと物語の国であった。特に幼い頃に胸に刻んだエジプトは。ピラミッドにスフィンクス、砂丘をゆっくりと歩むキャラバン隊、ラクダが一筋の帯のように続く挿絵はまるで御伽の国の風景に思えた。それがどうでしょう、毎日のように繰り返される治安部隊とデモ隊との流血の衝突…。嗚呼、あの平和は何処へである。
  
 確かにイスラエルとアラブの度重なる戦争があったけれど、同胞が殺戮し合う、今日のような反政府デモがほぼ中東全域に広がりをみせたのは、2010年あたりからでした。チュニジアからはじまった、所謂「アラブの春」はエジプトに波及して、長く続いたムバラク政権をも倒し、民主的な選挙によって大統領が選ばれる仕組みに変わりました。真っ当な国家に変貌したと感じたら、何んと歴史は逆戻りです。
  
 皮肉にもその民主化が原因で、エジプトはクーデターが起こりました。選挙で選ばれたムルシ大統領は追放され、ムスリン同胞団(ムルシ派)と政府側は一歩も引かず争う事態になって仕舞いました。。
 
 
~エジプト4000年が見ている~ 
  
 かつてエジプトに進軍したナポレオンは馬上、兵士にこう檄を飛ばしたという。「諸君!エジプト4000年が見ている」と。畏敬の念をもってかの国に入ろうということだろう。さぞ兵士たちは襟を正して、整然とエジプト入りを果たしたのだろう。目に浮かぶようだ。浅学な私はそう解釈するのだが。
  
 あの悲劇的な最後を閉じた絶世の美女クレオ・パトラがいた。幾多の伝説に育まれ、ロマンに満ちたたこのエジプト、中東全域に一日も早く平和が訪れる事を願ってやまない。
 
、シリアではアサド政権側と反政府側が攻撃の応酬で収束の見通しが立たない。最近では禁じられている化学兵器(毒ガスなど)を使用したとされ、反政府側に多数の死傷者が出たとの報告もある。
 
 米国のオバマ大統領はシリア空爆を宣言している。シリア情勢はのっぴ切らない瀬戸際に差し掛かっている。イラク戦争(2003年1月)はまだ記憶に新しい。アラブ対イスラエル図式から同じ民族が争う今日の凄惨な事態を一体誰が想像したろうか。「アラブの冬」に私は心痛めている。
 
 
『スポーツ二題』
 
バレンティンの本塁打
 
 バレンティン(ヤクルト)が王貞治選手ら3人持つ日本プロ野球本塁打記録55本を破りそうだ。いや、残りの試合数からみて間違いなく突破するだろう。でもね、私の永遠のホームランバッターは王さんです。
 
 ケチをつける訳ではないが、どうもこの本塁打量産は今年から統一球が飛ぶボールに変更された、その恩恵の結果だと私は睨んでいるのですが。確かにバレンティンは来日して過去2年連続、31本塁打でセ・リーグのホームランキングに輝いています。でも今年はホームランマシーンのようです。これって飛ぶボールに関係しているのでは?
 
 そうはいっても彼のバッティングはスピード感溢れるもので、見ていて気持ち良い、スカッとするものです。当然大リーグでも関心を持っているだろうから、来期、日本を離れ大リーグに戻るかも知れません。
 
 とはいっても、バース(阪神=54本、現オクラホマ州上院議員)、ローズ(近鉄=55本)、カブレラ(西武=55本)等が大リーグに舞え戻り、更に活躍したという話は聞いていません。従って大リーグはもはや手を出しません。ヤクルトファンの皆さん御安心下さい。ヤクルトさん、年棒はそりゃ、覚悟せにゃ。え?巨人が狙う…それもありかも、用心用心。
 
 
村田のデビュー戦で耳にした
 
 先に華々しいデビュー戦を飾った村田諒太に纏わるはなしです。少々古くなりましたが、私の元に届く声を紹介します。
Aさん『村田は凄い!チャンピオンを問題にしなかった。世界チャンプ間違いなしです。』 
Bさん『流石オリンピックの金メダリスト、衝撃のデビューに感動しました。』
Cさん『田口(良一)は東洋太平洋の現役王者だろう、あの試合はてんでプロのプライドも意地もなかったね。村田が強いというよりも田口がだらしなさ過ぎたよ。単にかませ犬だね。』
Dさん『村田のあの程度のスピードとパワーじゃ世界には通じませんよ。プロでキャリアを積んで、揉まれて欲しい。世界はそれからだ。(ジム会長)』
  
 というわけで、賛否両論。村田君、耳に痛い事でも傾けて今後の糧にしてください。期待していますよ。
  
  
空の色は秋色
   
暦は9月というのに真夏の暑さ、それでも空の色は秋色。季節は空からやってくるというが、けだし名言である。空の彼方の積雲去って、ゆっくり流れる雲は薄いシルクの布のようだ。
 
 ところが梢からは相変わらずの蝉しぐれ。行く夏を惜しんで鳴く蝉の声は何となく哀れだ。ツクツクボウシはせわしなげに声を競う夕暮れ時、庭の虫も負けじと合奏に加わる。去りにし夏、来る秋…森羅万象、ただ移りゆく。
 
そこでわが我流の俳句を一句
  
夏過ぎて 蝉の声々 甲高し


小林桂のジャズボーカル公演のパンフ
舟木昭太郎の日々つれづれ
  
すっかり秋らしくなった空の色、雲の流れ
舟木昭太郎の日々つれづれ

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