吉田修一の「犯罪小説集」を読んだ! | とんとん・にっき

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吉田修一の「犯罪小説集」(株式会社KADOKAWA:平成30年11月25日初版発行、令和元年5月15日再版発行)を読みました。

 

「おー、そうか、映画化されたんだ」と思い、本屋で平済みされていた文庫本をついつい購入してしまいました。吉田修一の著作は、過去、よく読んでいたのですが、この本「犯罪小説集」や、朝日新聞で連載されていた「国宝」あたりから、もういいやと思い始めて、買うのを止めていました。それが上のカバーで目がくらみ、文庫で368ページもある本ですが、買ってしまいました。

 

 

このブログを書き始めて、あれ、おかしいなと思い、カバーをいじっていると、カバーの下にだだ黒いだけのカバーがありました。なんじゃこれは、ですよ、映画化されたんで、主人公の顔写真を文庫本のカバーにして売り出したものです。まあ、しょうがないので、映画を見るつもりではいますが…。映画の公開が迫っているので、朝日新聞の広告特集欄に映画の内容が載っていました。今日の夕刊ですよ、今日の夕刊!

 

 

読みにくいと思いますので、最初のところだけを書き写しておきます。

国内外で多数の映画賞を受賞した「悪人」(2010)、「怒り」(16)と映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の新たな最高傑作「犯罪小説集」が、綾野剛、杉咲花、佐藤浩市ら豪華キャストと、「61-ロクヨン-」(16)を大ヒットさせた瀬々敬久監督により映画化。

テアトル新宿で、瀬々敬久監督の「菊とギロチン」を観た!

 

文庫本では当たり前の「解説」、解説は瀬々敬久、最後に「よって映画のタイトルは僭越ながらも『楽園』とさせていただいた」とあります。あれっと思い、最初に戻ったら、「解説 瀬々敬久(映画監督)」となっていました。タイアップ、番宣は、最近では普通ではありますが、「なんだなんだ、そこまでいってたのか」と、驚きました。

 

でも、書いていることはまともです(当たり前か)。「悪人」にしても、「横道世之介」にしても、「さよなら渓谷」にしても、そして「元職員」にしても、しっかり読み込んでいます。そして、なんとなんと、中上健次の「千年の愉楽」を出して、それと比較して吉田の小説を解説していました。う~ん、同感です。僕も中上健次はよく読んできました。「千年の愉楽」は1982年、中上健次36歳の作品です。小説は6篇からなるオムニバス形式です。それから10年、中上健次は46歳で亡くなります。解説の最後に「やはり誰もが何かを求めているのだ」と、瀬々敬久は書いています。

中上健次原作、若松孝二監督の「千年の愉楽」を観た!

 

人はなぜ、罪を犯すのか? 

『怒り』『国宝』の著者、最新文庫化!
田園に続く一本道が分かれるY字路で、一人の少女が消息を絶った。犯人は不明のまま十年の時が過ぎ、少女の祖父の五郎や直前まで一緒にいた紡は罪悪感を抱えたままだった。だが、当初から疑われていた無職の男・豪士の存在が関係者たちを徐々に狂わせていく……。(「青田Y字路」)痴情、ギャンブル、過疎の閉鎖空間、豪奢な生活……幸せな生活を願う人々が陥穽に落ちた瞬間の叫びとは? 人間の真実を炙り出す小説集。

 

吉田修一:

1968年長崎市生まれ。97年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し作家デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、同年『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞。07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞と、第34回大佛次郎賞。10年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞を受賞。著書に『女たちは二度遊ぶ』『怒り』『森は知っている』『橋を渡る』など多数。

 

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