五島美術館で「禅宗の美術と学芸」を観た! | とんとん・にっき

とんとん・にっき

来るもの拒まず去る者追わず、
日々、駄文を重ねております。

「禅宗の美術と学芸」チラシ

 

「五島美術館」正面玄関

 

五島美術館で「秋の優品展 禅宗の美術と学芸」を観てきました。会期末が迫っていたので、大慌てで行ってきました。さすがに根強い固定的なファンが多いらしく、会場は混雑していました。

 

「禅宗の美術と学芸」ということなので、そうとう難しいかなと思って行ったのですが、絵もあり、陶磁器もありで、意外と分かり易かったように思います。だが、「書」になると、手も足も出ません。また、国宝の「紫式部日記絵巻」は五島本一・二・三段のみでしたが、これもやはりファンが多く、丁寧に見ている人が多く見受けられました。

 

展示室1―禅宗の美術と学芸

 

重文「梅花小禽図」伝馬麟筆
南宋時代・13世紀

 

 

左:「鴨図」伝徽宗皇帝筆、南宋時代・13世紀
右:「叺々鳥図」伝牧谿筆、南宋時代・13世紀

 

左:「対月図」伝柯山筆、南宋時代・13世紀
右:「政黄牛図」清拙正澄賛
元時代・泰定元年(1324)

 

左:「布袋図」愚中周及筆 見心来復賛、
室町時代・14世紀
右:「布袋之図」自画賛 笑嶺宗訢筆
室町時代・16世紀

 

「蘭竹図」伝鉄舟徳済筆
室町時代前期・15世紀

 

左:梅画賛 一休宗純筆
室町時代・康正2年(1456)賛
右:重美「黄山谷像」伝如水宗淵筆
蘭坡景茞賛、室町時代・15~16世紀

 

重文 無学祖元墨蹟 偈頌
鎌倉時代・弘安9年(1286)

 

展示室1―特別出品

国宝 紫式部日揮絵巻五島本第一・二・三段

 

『紫式部日記』は、『源氏物語』の著者紫式部(生歿年未詳)が、平安時代、寛弘5年(1008)7月から同7年(1010)正月までの約1年半の間に書き遺した日記。 藤原道長の娘であり一条天皇の中宮であった彰子に仕えた紫式部が、彰子の二度の皇子出産とその祝賀の華やかな様子を中心に、 当時の権力者道長をめぐる様々な平安貴族の様子を生きいきと描き出した日記文学の傑作である。 「紫式部日記絵巻」は、それを約250年後の鎌倉時代前期に絵巻にした作品。もとは全十巻程度の巻物であった。江戸時代以前の伝来は不明。 現在はその約4分の1にあたる四巻分が伝わり、五島美術館のほか、大阪・藤田美術館、東京国立博物館、個人コレクターが所蔵する。 詞書の筆者を鎌倉時代の能書家後京極良経(1169-1206)、絵の筆者を鎌倉時代の絵師藤原信実(?-1233 -1266-?)と伝えるが、詳細は不明。 五島美術館が所蔵する三段分は、大正9年(1920)に名古屋の森川勘一郎(1887-1980)が発見した巻子本(全五段)の内の第一・二・四段目にあたる。 昭和7年(1932)、益田鈍翁(1847-1938)が購入する際に第五段目を切断、森川家に残し(現在、個人蔵)、さらに翌年、鈍翁は第三段目を切り離し掛軸に改装(現在、東京国立博物館蔵)、 残りの三段分はその翌年額装となり、戦後、高梨家を経て五島美術館が所蔵することとなった(五島美術館所蔵「国宝 紫式部日記絵巻」は、毎年秋に1週間程度展示の予定)。

 

「五島本第一段」詞書

 

「五島本第一段」絵

 

「五島本第二段」詞書

 

「五島本第二段」絵

 

「五島本第三段」詞書

 

「五島本第三段」絵

 

展示室2―五島美術館蔵 陶芸作品特集展示

 

左:「黄瀬戸立鼓花生 銘ひろい子」桃山時代・16世紀
右:「黄瀬戸ひら茶碗 銘柳かげ」桃山時代・16~17世紀

 

左:「志野茶碗 銘梅が香」桃山時代・16~17世紀
右:「鼠志野鉢」桃山時代・16~17世紀

 

左:「瀬戸黒茶碗 銘武蔵坊」桃山時代・16~17世紀
右:「織部舟形手鉢」桃山時代・17世紀

 

左:重文「古伊賀水指 銘破袋」桃山時代・17世紀
右:「古備前耳付花生」桃山時代・16~17世紀

 

「秋の優品展 全集の美術と学芸」

禅宗寺院を中心に発達した書画や高僧の墨跡、五山版の出版などは中世の文化に大きな影響を与え、日本人の美意識をも深化させました。館蔵品の中から鎌倉・室町時代の禅宗美術の諸相を紹介します(会期中一部展示替あり)。特集展示として館蔵の日本陶磁約十五点も同時公開。国宝「紫式部日記絵巻」を10月6日[土]から10月14日[日]まで特別展示予定。

 

「五島美術館」ホームページ

 

過去の関連記事:

五島美術館で「近代の日本画展」を観た!

五島美術館で「館蔵 茶道具取合せ展」を観た! 

五島美術館で「館蔵 近代の日本画展」を観た! 

五島美術館で「一休―とんち小僧の正体―」を観た! 

五島美術館で「中国の陶芸展」を観た!

五島美術館で「茶道具取合せ展」を観た!

五島美術館で「近代の日本画展」を観た!
五島美術館で「光悦 桃山の古典」を観た!

 五島美術館で「近代の日本画展」を観た! 

五島美術館で「国宝源氏物語絵巻」を観た!

 五島美術館で「陶芸の美―日本・中国・朝鮮」展を観た!

 五島美術館で「茶の湯を彩る食の器 向付」展を観た!

京都冷泉家「国宝明月記」リターンマッチ

800年を越えて甦る王朝貴族の生活

新興数寄屋の教祖・吉田五十八