五島美術館で「秋の優品展 禅宗の美術と学芸」を観てきました。会期末が迫っていたので、大慌てで行ってきました。さすがに根強い固定的なファンが多いらしく、会場は混雑していました。
「禅宗の美術と学芸」ということなので、そうとう難しいかなと思って行ったのですが、絵もあり、陶磁器もありで、意外と分かり易かったように思います。だが、「書」になると、手も足も出ません。また、国宝の「紫式部日記絵巻」は五島本一・二・三段のみでしたが、これもやはりファンが多く、丁寧に見ている人が多く見受けられました。
展示室1―禅宗の美術と学芸
展示室1―特別出品
国宝 紫式部日揮絵巻五島本第一・二・三段
『紫式部日記』は、『源氏物語』の著者紫式部(生歿年未詳)が、平安時代、寛弘5年(1008)7月から同7年(1010)正月までの約1年半の間に書き遺した日記。 藤原道長の娘であり一条天皇の中宮であった彰子に仕えた紫式部が、彰子の二度の皇子出産とその祝賀の華やかな様子を中心に、 当時の権力者道長をめぐる様々な平安貴族の様子を生きいきと描き出した日記文学の傑作である。 「紫式部日記絵巻」は、それを約250年後の鎌倉時代前期に絵巻にした作品。もとは全十巻程度の巻物であった。江戸時代以前の伝来は不明。 現在はその約4分の1にあたる四巻分が伝わり、五島美術館のほか、大阪・藤田美術館、東京国立博物館、個人コレクターが所蔵する。 詞書の筆者を鎌倉時代の能書家後京極良経(1169-1206)、絵の筆者を鎌倉時代の絵師藤原信実(?-1233 -1266-?)と伝えるが、詳細は不明。 五島美術館が所蔵する三段分は、大正9年(1920)に名古屋の森川勘一郎(1887-1980)が発見した巻子本(全五段)の内の第一・二・四段目にあたる。 昭和7年(1932)、益田鈍翁(1847-1938)が購入する際に第五段目を切断、森川家に残し(現在、個人蔵)、さらに翌年、鈍翁は第三段目を切り離し掛軸に改装(現在、東京国立博物館蔵)、 残りの三段分はその翌年額装となり、戦後、高梨家を経て五島美術館が所蔵することとなった(五島美術館所蔵「国宝 紫式部日記絵巻」は、毎年秋に1週間程度展示の予定)。
展示室2―五島美術館蔵 陶芸作品特集展示
「秋の優品展 全集の美術と学芸」
禅宗寺院を中心に発達した書画や高僧の墨跡、五山版の出版などは中世の文化に大きな影響を与え、日本人の美意識をも深化させました。館蔵品の中から鎌倉・室町時代の禅宗美術の諸相を紹介します(会期中一部展示替あり)。特集展示として館蔵の日本陶磁約十五点も同時公開。国宝「紫式部日記絵巻」を10月6日[土]から10月14日[日]まで特別展示予定。
過去の関連記事:
五島美術館で「近代の日本画展」を観た!
五島美術館で「光悦 桃山の古典」を観た!