「近代の日本画展」は2013年、2014年と、過去に2度ほど観ていましたが、どうしたことが昨年は観ていません。今回の展覧会は、2013年とほぼ同様な作品が展示されていました。が、屏風類は今回はほとんど展示されていません。それにしても五島美術館には根強いファンが大勢いるようで、今回はとくに着物姿のご婦人が数多く見受けられました。
五島美術館で「近代の日本画展」を観た!
五島美術館で「近代の日本画展」を観た!
五島美術館の所蔵品では、やはり展示室2で展示されていた「横山大観の富士山」でしょう。今回は下に載せた「耀八絋」と「日本心神」のほかに、霊峰四題の内「春、夏、秋、冬」4点と、「不二霊峰」、つごう7点が出ていました。
目玉はといえば、寺崎広業の「夏のひととき」でしょう。思った以上に大きな作品で圧倒されました。図録(小冊子)では、以下のように解説しています。
鮮やかな色彩で、朝顔や桔梗、女郎花、萩などの様々な晩夏初秋の草花と、清楚な女性の姿を大画面に描く。広業(1866-1919)の優れた写実力を示す作品。広業は、日本美術院展や文部省美術展覧会・帝国美術院美術展覧会で活躍し、東京美術学校で後進の育成にも貢献した画家。
以下、図録より
「達磨」横山大観
「再興第4回日本美術院展」出品作。中国六朝時代の禅宗の祖達磨(生歿年未詳)が、中国嵩山少林寺で面壁座禅の修業をする様子を描く。大観(1868-1958)は、大まかな筆致の水墨表現による岩肌に対し、達磨の衣服の線に細かく鋭い描線を用いることによって、画面上で対比している。
「臨済」下村観山
臨済(?-867)は、中国唐時代の高僧で臨済宗の開祖。僧侶の厳しく基本のある存在感を的確に表現している。観山(1873-1930)は、日本美術院の中核として活躍、やまと絵の伝統を踏まえた装飾性を備えた画風を示した。
変わったところでは、棟方志功の作品が3点、「文殊菩薩 釈尊十大弟子中」「魔訶迦葉釈尊十大弟子中」「観音像」が出ていました。
展示室1―近代の日本画
展示室2―横山大観の富士山
「近代の日本画展」
「五島美術館」ホームページ
五島美術館コレクション
近代の日本画
図録(小冊子)
平成14年(2002)4月1日発行
編纂:五島美術館学芸部
編集:渡川直樹
発行:財団法人五島美術館
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