五島美術館で「茶道具取合せ展」を観た! | とんとん・にっき

とんとん・にっき

来るもの拒まず去る者追わず、
日々、駄文を重ねております。



五島美術館で「茶道具取合せ展」を観てきました。根強いファンが多いようで、たくさんの人で会場は混雑していました。ほとんど9割以上は高年齢の女性の方々でした。過去に「陶芸の美―日本・中国・朝鮮」展があり、その時に展示されたものも幾つか見られました。


茶道具は、茶碗や水指など陶磁器のものは少しは観ているものの、茶入や茶杓、鉢や向付など、ましてや釜・火箸・灰匙・五徳に至ってはほとんど観ることも少なく、まったく知らない分野で驚きの連続でした。

展示室では、五島美術館庭園内の茶室「古経楼」「松寿庵」「冨士見亭」の床の間原寸模型がしつらえられていました。


単品でも分からないのに、今回は「取合せ展」です。茶匠の茶会記などを参考にして、茶道具の取合せが展示されていました。こうなると、ますます分からなくなりました。面白かったのは、6件の「茶室起絵図」です。平面図に展開図を組み立てた簡単なものですが、茶室の空間がよくわかります。もう一つ、第2展示室では「茶箱・茶籠」が16点ほど展示されていました。


一つだけ、重要文化財「古伊賀水指 銘 破袋」(桃山時代・16世紀後期)について、下に解説を引き写しておきます。

今の三重県の陶器。「ビードロ釉」(焼成中の灰が溶けた自然の釉薬)が厚く掛り、窯の中の灰や土が付着している。桃山時代の武将茶人古田織部(1543-1615)の手紙(大野主馬宛)が添っていたが、大正12年(1923)の関東大震災において箱とともに焼失した。桃山時代の茶人たちは、焼成中に自然に割れた作品を好んで使用した。本品の銘は、同種の「伊賀擂座水指 銘 破袋」(重要文化財 個人蔵)から類推した、昭和30年(1955)の重要文化財指定後の俗称。

[伝来]・・・大野主馬・・・藤堂家・・・高梨家・・・五島美術館


約70点が展示されていましたが、とりあえず手持ちの「五島美術館コレクション 茶道具」から画像を取り出し、並べてみました。


花生


水指


茶碗



茶入・茶杓


鉢・向付




「茶道具取合わせ展」

展示室に当館庭園内の茶室「古経楼」「松寿庵」「冨士見亭」の床の間原寸模型をしつらえ、館蔵の茶道具コレクションから約70点を選び展観(会期中一部展示替あり)。茶匠の茶会記などを参考に道具の取合せを再現します。合わせて、茶箱・茶籠を特集展示(会期中一部展示替あり)。


「五島美術館」ホームページ


tya 「五島美術館コレクション 茶道具」

平成10年(1998)12月5日初版発行

平成18年(2006)12月12日第3刷発行

編纂:五島美術館学芸部

名児耶明/砂澤祐子/佐藤留美/渡川直樹

発行:財団法人五島美術館





過去の関連記事:

五島美術館で「近代の日本画展」を観た!
五島美術館で「光悦 桃山の古典」を観た!
五島美術館で「近代の日本画展」を観た!

五島美術館で「国宝源氏物語絵巻」を観た!
五島美術館で「陶芸の美―日本・中国・朝鮮」展を観た!
五島美術館で「茶の湯を彩る食の器 向付」展を観た!

京都冷泉家「国宝明月記」リターンマッチ

800年を越えて甦る王朝貴族の生活

新興数寄屋の教祖・吉田五十八