犬はなぜ靴下を放さないか | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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よく愛犬が自分のものを奪ったと怒っている人の話を耳にしますが、

誤解しないで欲しいのは『犬が咥えた物はその犬のもの』だということです。

 

犬には放置してある物の所有権がだれかに帰属するという認識はありませんので、

咥えている限りそれは自分の獲物です。

 

引っ張りっこなどの遊びでない限り無理やり取り上げてはいけません。 

 

犬の社会ではどれほど優劣に差があっても、

咥えている物を他の犬が力づくで奪ったりはしません。 

 

そんな無礼なことをする者は咬まれてもしかたがないのです...

 

 

例えば放置していた靴下を犬が咥えて放さず、

取り上げようとしたらウゥーと唸ったり取り上げたら咬んだりすると、

すぐ「この犬は人間をなめてる」「上下関係が分かっていない」などと解釈し、

ネットで調べて『権勢症候群』だと決めつける人がいますが、

それは犬の行動学が分かっていないだけのことです

 

靴下がどうしても欲しいから怒っているのではなく、

自分の咥えたものを無理やり取ろうとするその無礼な行為に犬は怒っているのです。

 

もし噛まれたら困る物や食べたら危険な物を咥えて放さなかったときは、

もっといいものと交換を提案してください。 

 

「そんなことしてると味を占めてもっと放さなくなるでしょ」などという人もいますが、

恐ろしいのは人に取り上げられるのを警戒して、見つかるとすぐ飲み込む癖がついてしまうことです。

 

以前聞いた話ですが、テニスボールを取り上げようとしたら、

飲み込んでしまったというゴールデン レトリバーの飼い主さんが、

慌てて獣医さんに連れて行き止む無く開腹手術をしたら

胃の中にさらに古くからあったテニスボールがもう一個入っていたことがあったそうです。😓

 

 

ですからまずは、『この人は自分の獲物を無作法に奪わない』と信用される飼い主になってください。 

 

そして「交換しよう」と言われたら自分が持っている物よりいい物が貰えることを教え、

固執する必要はないんだと繰り返し理解させてください。 

 

自分にデメリットが何一つなく、

交換の方が確実にいいことが起きることが分かれば、

「交換」という言葉で機嫌よく放してくれるようになるでしょう。

 

ちなみに先に交換用のおやつなどを見せていると、

自分の咥えているものと交換先のものを比較して取り換えなくなるようになりますから、

交換に応じるようになってきたらまずはものを放すようにして、

放したら充分に褒めて交換するものを出すルーチンに移行していってください。

 

もちろんボール遊びやおもちゃが大好きな子なら、

普段隠してあるいいボールや新しいおもちゃと交換でもいいんですよ。

 

イケてる飼い主なら新しいおもちゃの1つや2つ常に隠し持っているものです😉