機龍警察 暗黒市場 / 月村了衛
「運命なんてただの影だ。臆病者だけがそれを見るんだ」
機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛
「おまえは迷うことなく、自分の信じるままに取り調べを続けることだ。自分が信じられないと、自分が正しいと思うことすべてが信じられなくなる。そこが揺らいだらお終いだ。忘れるな。自分が正しいと信じることのために、自分自身を信じるんだ」
そして
──こうして列車に揺られていると、友人になれるはずだった人が不意に車輌のドアを開けて顔を覗かせ、声をかけてくるような、そんな気がすることがある。
車窓 / 鈴石輝正
いやぁ... この内容をよく500頁未満に収めたなぁ、、と、まず脱帽
組織内外の軋轢という警察小説の王道もありつつ、
「課長」
鳥居に向かい、深々と頭を下げる。
「そのお言葉を待っておりました」
末吉も、高比良も、立ち上がって中条にならっていた。
姿、オズノフ、ラードナーの過去の因縁を含め、二枚腰三枚腰、否、四枚腰? ミステリィ的な部分はA.クリスティが元ネタか?
その実に濃密なプロットに、読み終わって、2、3冊ほど一気に読んだような気にさせられたよ、ふ〜
先に逝ってくれ──あんたとはあの世で友達になれることを祈っている──
機龍警察 狼眼殺手 / 月村了衛
これがシリーズものの面白さだよなあ、一言一言の重さが前作までのストーリィを下敷きとしてある
それはまた、A.デュマの「モンテ・クリスト伯」のラストの彼の言葉に重みを感じるのと同じで、それまでの長大なストーリィがあったからこそだもんね
その一言のためにそれまでの物語があるといっていいほどに
本来なら友人になれるはずの人とそうなれないこと、悲しいかな世の中はそういう仕組みになっている、その不条理への永遠の問いかけがこのシリーズをささえている...
新連載「白骨街道」も始まったことだし(これがまた面白い✨)、もうそろそろ? 止まっている過去作の文庫化が待ち遠しい、、、
🙏
と、思っていたら「暗黒市場」は、12月に文庫化のよう✨
■関連ブログ■
読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018のまとめ) ) 2019-01-08
・2019年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2019のまとめ) ) 2020-01-18
・** あなたにとって読書とはなんですか? **
死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
読み終えたかったという願いは叶わない。
二都物語 / C.ディケンズ
※2020年に読んだ文庫本など
・今昔百鬼拾遺 天狗 / 京極夏彦
・神はいつ問われるのか / 森博嗣
・ヴォイド・シェイパ / 森博嗣 再読
・ブラッド・スクーパ / 森博嗣 再読
・スカル・ブレーカ / 森博嗣 再読
・フォグ・ハイダ / 森博嗣 再読
・マインド・クァンチャ / 森博嗣 再読
・暗い越流 / 若竹七海
・楽園のカンヴァス / 原田マハ
・沈黙 / 遠藤周作
・一本の道 / 平山郁夫
・007 カジノ・ロワイヤル [新訳] / I.フレミング
・イッツ•オンリー•トーク / 絲山秋子
・羊と鋼の森 / 宮下奈都
・ペスト / A.カミュ
・蝶々殺人事件 / 横溝正史
・さよならの手口 / 若竹七海
・キャサリンはどのように子供を産んだのか? / 森博嗣
・幽霊を創出したのは誰か? / 森博嗣
・もういちどベートーヴェン / 中山七里
・首都消失 (上下) / 小松左京
・日本庭園の秘密 / E.クイーン
・命ある限り歩き続ける / 五木寛之、横田南嶺
・半沢直樹3, 4 / 池井戸潤
・機龍警察 暗黒市場 / 月村了衛
・機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛
・機龍警察 狼眼殺手 / 月村了衛
・薔薇の名前 上 / U.エーコ
「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、ドコニモ見出セナカッタ。
タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」
薔薇の名前 上 / U.エーコ