「東名は・・・・・・厚木まで、ずっとこの調子かな?」 と、
朝倉は前の座席の背に手をかけて、体をのり出して島木二空曹にきいた。
「さあ、わかりません。──焼津の先の、日本坂トンネルで、
すこしつかえているかも知れません。御殿場付近で渋滞八キロと、
さっきちらといっていたようですが・・・・・・」
焼津ときて日本坂とくれば、そう、日本坂の "日本" とはヤマトタケルノミコト/日本武尊の "日本" から取って付けられた名前だ✨
で、
それはそれとして、、
不思議な小説だ
上巻を読んだ段階で、この主題のスケールの大きさを思い、果たして下巻で収まりがつくのだろうか?と思ったけれど、、首都圏が何の前触れもなく消失したら (コンタクト出来なくなったら) 、、その問題を政治的経済的側面からシミュレーション
それらが、SF的設定ながらそれほどにSFを感じさせないのは、当時の世界の情勢をよりリアルに描きこもうとした結果か? ただ、やや時流に寄りすぎな感もあり、それでも、小さい政府 ってのは今でも理想だ
一方で、
最後まで敢えてその精神的側面には踏み込まいという一点は、そのことがこの小説のスケール感の失速の要因に感じられるのだが (描いたら描いたで 日本沈没 に接近しすぎることを思えばジレンマも?) 、あるいはまた、描かないことで描こうとしたのか?? まぁそれは深読みしすぎか (゚O゚)\(- -; ??!
首都消失 (上下) / 小松左京
朝倉は前の座席の背に手をかけて、体をのり出して島木二空曹にきいた。
「さあ、わかりません。──焼津の先の、日本坂トンネルで、
すこしつかえているかも知れません。御殿場付近で渋滞八キロと、
さっきちらといっていたようですが・・・・・・」
焼津ときて日本坂とくれば、そう、日本坂の "日本" とはヤマトタケルノミコト/日本武尊の "日本" から取って付けられた名前だ✨
で、
それはそれとして、、
不思議な小説だ
上巻を読んだ段階で、この主題のスケールの大きさを思い、果たして下巻で収まりがつくのだろうか?と思ったけれど、、首都圏が何の前触れもなく消失したら (コンタクト出来なくなったら) 、、その問題を政治的経済的側面からシミュレーション
それらが、SF的設定ながらそれほどにSFを感じさせないのは、当時の世界の情勢をよりリアルに描きこもうとした結果か? ただ、やや時流に寄りすぎな感もあり、それでも、小さい政府 ってのは今でも理想だ
一方で、
最後まで敢えてその精神的側面には踏み込まいという一点は、そのことがこの小説のスケール感の失速の要因に感じられるのだが (描いたら描いたで 日本沈没 に接近しすぎることを思えばジレンマも?) 、あるいはまた、描かないことで描こうとしたのか?? まぁそれは深読みしすぎか (゚O゚)\(- -; ??!
首都消失 (上下) / 小松左京
「かえってええんじゃないか?」 植木老人は面白そうに口をすぼめた。「こういう時はな、不安定の安定というか、あまりがちがちにかたまっておらん仕組みの方が、かえっていろんな事態に、柔軟に対応できるもんじゃ・・・・・・」
物語の最初と最後を締めくくる人物もまた当時の世情をリアルに体現しているということなのだろうか? 彼だけは今読んでも妙にリアルで
不思議な小説だ
■関連ブログ■
読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018のまとめ) ) 2019-01-08
・2019年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2019のまとめ) ) 2020-01-18
・** あなたにとって読書とはなんですか? **
死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
読み終えたかったという願いは叶わない。
二都物語 / C.ディケンズ
※2020年に読んだ文庫本など
・今昔百鬼拾遺 天狗 / 京極夏彦
・神はいつ問われるのか / 森博嗣
・ヴォイド・シェイパ / 森博嗣 再読
・ブラッド・スクーパ / 森博嗣 再読
・スカル・ブレーカ / 森博嗣 再読
・フォグ・ハイダ / 森博嗣 再読
・マインド・クァンチャ / 森博嗣 再読
・暗い越流 / 若竹七海
・楽園のカンヴァス / 原田マハ
・沈黙 / 遠藤周作
・一本の道 / 平山郁夫
・007 カジノ・ロワイヤル [新訳] / I.フレミング
・イッツ•オンリー•トーク / 絲山秋子
・羊と鋼の森 / 宮下奈都
・ペスト / A.カミュ
・蝶々殺人事件 / 横溝正史
・さよならの手口 / 若竹七海
・キャサリンはどのように子供を産んだのか? / 森博嗣
・幽霊を創出したのは誰か? / 森博嗣
・もういちどベートーヴェン / 中山七里
・首都消失 (上下) / 小松左京
・日本庭園の秘密 / E.クイーン
・命ある限り歩き続ける / 五木寛之、横田南嶺
いつの間にか泳いできて、いつのまにか夢の島へ誘われ、、
浮世に目覚めては、さて、どこまで読んだのだろうか? と、そのページを探してる自分がいる、、、
読書の供、それは寝落ち