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【世界史論述問題】

気合いと愛で添削します。

解答募集中です!

【一橋大2018の解説です】

 

 

 

【すばらしきかな、模範解答】

 

赤本の解説やら、予備校の先生様の出版する参考書の模範解答。

 

ぐうの音も出ないほどに素晴らしい。

 

(いや、たまに、うーん?とは思うけども)

 

書店に行けば、たくさん模範解答が手に入れられて、便利な時代だね。

 

実際、自身も受験生時代、山川の「世界史論述問題集」の解説のページを読み込んで成長した強烈な体験もある。

 

 

 

(これ。ダビンチのこの図解かっこいよね。)

 

 

 

【受験生の解答の実情】

 

しかし、受験生の解答例を大量に集めた参考書ってのは無いんですね。

 

実は、こういのうが欲しかった。

 

 

どの程度の精度で書ければ、ライバルより秀でるのか、

 

受験生レベルの神解答ってどんなもんなのか、

 

逆に、どういう解答がカス判定をされるのか、

 

 

そんなことが分かるコンテンツって、なかなか無いんですよね。

 

 

そもそも、自分の解答が何点ぐらい貰えるのかは、

 

添削してもらわないと分からない!

 

 

 

あと、

 

赤本様とか、予備校様の、模範解答よ、

 

サラっと解答書きやがってよ。

 

 

解答作成のときの、葛藤とか悩んだポイントぐらい書きやがれって話!

 

 

 

だから、あえて、ぐうの音を出してみよう。

 

 

「ぐう。ぐう。」

 

 

 

 

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次の文章を読み、設問に答えよ。

 

(一橋大 2018 大問1)

 

 

【リード文】

 

人間は自分の「空間」についてある一定の意識をもっているが、これは大きな歴史的変遷に左右されるものである。種々さまざまな生活形態には同じく種々さまざまな空間が対応している。同時代においてさえも日々の生活の実践の場面では、個々の人間の環境は彼らの様々な職業によってすでに様々に規定されている。大都会の人間は農夫と違ったように世界を考える。捕鯨者はオペラ歌手とは違った生活空間を持っており、また飛行機にとって世界と人生は他の人々とは別の光の中に表れるだけではなく、別の大きさ、深み、別の地平において現れてくる。いろいろな民族全般、人間歴史のいろいろな時代についていえば、空間観念の相違はもっと深く、そして大きくなる。

(中略)クリストファー・コロンブスがコペルニクスの出現を待っていなかったと同様に、歴史的な諸力も学問を待ってはいけない。歴史の力の新しい前進によって、新たなエネルギーの爆発によって新しい土地、新しい海が人間の全体意識の範囲のうちに入ってくるたびにごとに、歴史的存在の空間も変わってゆく。そして、政治的・歴史的な活動の新たな尺度と次元が、新しい学問、新しい秩序が、新たに生まれた、あるいは再生した民族の新しい生が始まるのだ。この拡大・発展がひじょうに根深くまた思いがけないものであるために、ただ人間の標準や尺度、外敵な地平だけでなく空間概念そのものの構造まで変わってしまうということでもある。ここにおいて空間革命ということが問題になりうる。(原文ママ)

 

 

【設問】

 

ヨーロッパの歴史を考えるとき、この文章で述べられるような「空間革命」11~13世紀にかけて見られたと考えられる。それはどのようなきっかけによるものだったか。また結果としてヨーロッパでどのような経済・社会・文化上の変化が生じたか。(400字)

 

 

【受講生の解答】

 

 

11世紀は中世封建社会の安定により、人口が増加、宗教的情熱の高揚が起こった。それに伴いイスラーム世界に対する十字軍の遠征が行われた。しかし13世紀にキリスト教勢力の拠点が次々に奪われ十字軍は終焉した。これにより十字軍を提唱し推進した教皇勢力や十字軍の中心であった騎士や諸侯は没落し、変わって王権が伸長するようになった。このような社会的変化以外にも宗教勢力の衰退や、イスラーム文化との接触により教会的価値観から人間の理性を中心とする価値観への転換が模索されるなどの文化的変化をもたらした。またこの時代、農業技術の発展により、余剰生産物が生まれ、貨幣経済の発展がもたらされた。これにより荘園が崩壊し都市の商人が成長した。これら社会的、文化的、経済的な変化は、中世封建社会を崩壊される大きな要因となり、そして、後の絶対王政につながる央集権的国家の建設につながるものとなった。 (382字)

 

 説明不要  具体性に欠ける

 

 

 

【解説】

 

 

まず、お題に準じてないのが論外。

 

「論述の答えは問題文にしかない」のだよ!

 

 

 

そもそも、この文章における『空間革命』ってなんだろう。

 

当然リード文から吟味すべし。

 

 

(リード文)

歴史の力の新しい前進によって、新たなエネルギーの爆発によって新しい土地、新しい海が人間の全体意識の範囲のうちに入ってくるたびにごとに、歴史的存在の空間も変わってゆく。この拡大・発展がひじょうに根深くまた思いがけないものであるために、歴史的存在の空間も変わってゆく。この拡大・発展がひじょうに根深くまた思いがけないものであるために、ただ人間の標準や尺度、外的な地平だけでなく空間概念そのものの構造まで変わってしまう。

 

 

おそらく、というか絶対に、この部分が、リード文によるところの「空間革命」で間違いない。

 

 

要は、「ヨーロッパ概念を持ち込める空間が地理的に拡大して、その結果、いろんな価値観が変わりました。」という論旨にならないオカシイわけ。

 

しかし、リチャードさんの解答の場合、十字軍遠征に行くところまでは良し。しかし、光の速度で、十字軍拠点が奪われてしまって、拡大運動が終息してからの社会変容を論じちゃってるわけですね。

 

あと、十字軍最後の拠点アッコンが失われたとき(1291年)を、十字軍運動の一応の区切りとするならば、十字軍終了後の社会変容の大部分は14世紀以降になってしまいますので、出題条件の11~13世紀とも合わないね。

 

 

 

【解答作成の手順】

 


① 『空間革命』の背景と契機→「中世封建社会の安定」「領土拡大運動」

 

いついかなる時も、領土を拡大しようという動きは人口増大がないと始まらないね。人口増大がなぜ起きるかは、食糧供給が安定してこそだ。だからここでは、空間の拡大の背景として、農業技術の進化について触れると良い。「三圃制」や「重量有輪犂」などの用語を引っ張るとGOODだ。

 

そして「空間革命」の契機については、当然「空間の拡大」であって、具体的には、十字軍運動エルベ川以東の東方植民、イベリア半島の国土回復運動も列挙してよいでしょう。

 

 

②「空間革命」の「革命」の部分を触れる。

 

まず「空間」を扱う以上、地理的な要因は必須。リード文によるところの外的な地平のこと。十字軍運動を軸として考えるならば、必ず触れたいのが「地中海」だ。経済的な活動領域が「地中海」に及んだことによって、これまで自給自足的な社会であった中世ヨーロッパに、商業の復活が訪れ、都市という生活空間が形成された結果まで論じられる。いわゆる商業ルネサンス」ってやつ。地中海商業圏・北ヨーロッパ商業圏の両方に触れるとヨーロッパ全体が俯瞰した解答になるかな。

 

リード文の人間の標準・尺度の変化というのは、異文化に触れることによって生じる文化的パラダイムシフトのこと。イスラーム世界との接触は、古代ギリシアの学術の逆輸入をもたらしたよね。ゲルマン人がキリスト教に洗脳されてるころ、アラブ人はギリシア語をアラビア語に翻訳してアリストテレス研究に夢中だった。そして、文化衝突によって逆輸入したアリストテレス哲学は、当時ヨーロッパで加熱していた「普遍論争」を片づけた挙句、スコラ哲学まで生み出す。いわゆる12世紀のルネサンス」について説明すればOK。リード文の「再生した民族の新しい生が始まるのだ。」の部分、再生した民族=ギリシア人、新しい生=神学とアリストテレス哲学の融合を指すんだと思うよ。多分。

 

最後は社会的変化だ。「社会的~」という言葉の定義って曖昧だよね。解答に窮するよね。

 

まずは、中世なら「封建社会」に触れるところから思考をするとよい。その中で、社会階層に触れればよいのか、集団的心理について触れればよいのか、または人々の生活について触れるのかは、書きやすいものを選ぶ。例を挙げると、教会や教皇の権力が向上にともない封建社会が確立した」、もしくは、商業活動と関連して「都市空間」という新たなる生活圏についてなど。ここはバラエティーがある箇所だが、「空間の革命」というならば、「都市空間の誕生」の方を優先すべきですかね。字数に余裕あれば「教皇権力の向上に伴う封建社会の確立」もいれる。実際中世ヨーロッパは都市と農村の二重構造でしたからね。

 

 

 

【これ書いちゃダメ】

 

 

以上の内容は、早い話、赤本にも書いてあるわけだが、問題になるのは赤本に書いてないことね。

 

リチャードさんの解答の、「なんで、この部分は書いていけないの?」っていう部分を解消していきますよ。

 

①中央集権化・絶対王政について

 

十字軍運動というよりは、百年戦争(1337~1453)の結果を論じるときに使うフレーズだね。時代でいうと15世紀以降地理的には西ヨーロッパ、もっというと英仏の2ヵ国。ヨーロッパ全体の変容を問う問題の解答としては、やや限定的。

 

②人間の理性

 

たしかに、「12世紀のルネサンス」は思想上の転換であり、しばしば14世紀以降のルネサンスに連続性を強調されるわけだが、「人間理性」が最上のものとされたわけではない。スコラ哲学の大成者のトマス=アクィナス「哲学は神学の婢(はしため)」というパンチラインを残すぐらいに、まだまだ神学が最強で、アリステレス哲学は神学の体系化に使われるに過ぎなかったわけだ。神を絶対視した世界が揺らぐのは17世紀の科学革命、18世紀の啓蒙思想の時代。

 

 

 

 

【論述王への道】

 

 

今回は、書くべきポイントをかなりズラしてしまいましたが、パーツごとの因果関係は概ね良かったですよ。

ただ、書く必要がなかっただけで・・・今回は残念でした。

 

 

国公立の論述問題で、徹底すべきはリード文と設問をしっかり読むこと。

 

しっかりオーダーを理解する。これに尽きる。

 

 

「論ずる」というこういことは相手がいて初めて成立するのです。

 

まずは、出題者とテーマを共有するところから、始めよう!

 

 

 

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