(最近の記事こちら)
【東京大学】世界史論述対策 添削 受験生の解答と解説【2004】
【世界史論述】世界史 国公立 二次試験 配点 一覧 【対策】
【早稲田商学部】世界史 論述対策 添削 アメリカの孤立主義の経緯と意義【2015】
【リード文より】
1920年代のアメリカの繁栄についての文章
(中略)
経済と文化で世界をリードすることになったアメリカだったが、国際政治の舞台では中心的存在にならなかった。
孤立主義を掲げる共和党が20年代の大統領選挙に3代続けて当選したからである。
【問題文】
孤立主義の形成の経緯と外交政策上の意義を100字以内で説明せよ。
(形成の経緯①)
形成の経緯については、18世紀末~19世紀までに遡る。
合衆国成立当時、「新国家建設のためには、外交より内政を重視すべき」という論調が、国内で優勢であった。18世紀末~19世紀のヨーロッパの混乱(フランス革命やナポレオン戦争)に巻き込まれるべきではなく、外交ではなく国内に目を向けながら国益を得ていこうと考えたためである。
また、ヨーロッパとの外交摩擦を嫌う姿勢は、アメリカの近隣である「ラテンアメリカ」においても、「ヨーロッパの干渉」を排するという姿勢にまで拡大していく。アメリカの「内政重視」の原理は、「大陸間の相互不干渉」という外交上の主張に転じていくのだ。
(形成の経緯②)
19世紀、ヨーロッパでナポレオン戦争が収束し、ウィーン体制という新たな国際体制が敷かれると、「正統主義」に基づき、「ラテンアメリカ」における、「スペイン帝国」の復活が画策される。つまりは、ナポレオン戦争の影響によって独立の気運が高まる「ラテンアメリカ」に、ヨーロッパ陣営が、ウィーン体制の原理を用いて「干渉」しようということでった。
また、「スペイン帝国の復活は」はスペインのラテンアメリカにおける「商業独占」の「復活」を意味しており、「神聖同盟」の名のもとにおいて、イギリスを除くヨーロッパ各国から同意を得たものであった。イギリスは18世紀の「スペイン継承戦争」において、奴隷供給権である「アシエント」を独占し、「三角貿易」によって巨額の富を得ていたわけだし、「ラテンアメリカ」の独立は英国製品の市場の拡大と捉えていた。
(形成の経緯③)
実際、モンロー宣言では、イギリスとの共同声明ではなく、アメリカの単独声明となるわけだが、19世紀初頭のアメリカの外交路線とイギリス外交路線(カニング外交)の利害は、少なくとも部分的には一致していた、と考えられる。
(孤立主義の意義①)
世界史の論述では、よく「~の意義」を問われるが、「世界史的意義」とは、「ある出来事」がその後どのような「結果」をもたらしたのかという、「ある出来事による、ある出来事への影響」に他ならない。
また、「影響」というのは、少なからず「変化」を伴うものである。この問題においては、「モンロー宣言」がその後のアメリカの政治選択にどのような「影響」を与えたのか、「孤立主義」という姿勢によって、アメリカが得た「国際的な立場」がどのようなものになったのかについて言及しなければならない。
(孤立主義の意義②)
19世紀中ごろ、南北戦争を機に工業国家としての統一をなしとげ、1890年代には「フロンティア」が消滅すると、海外への膨張の傾向が顕在。「フロンティア」の消滅は、内需の拡大の終了を意味しているわけだから、いよいよ帝国主義段階になったといえるわけだ。
1898年の「米西戦争」以降、アメリカの海外進出がはじまる。特に、T=ローズヴェルト大統領の「棍棒外交」は、アメリカのラテンアメリカ進出の意図が顕著であった。「棍棒外交」のロジックにおいては、モンロー宣言以降の「ラテンアメリカ以降のヨーロッパの不干渉」を貫く一方で、「ラテンアメリカの安定と秩序」を大義名分に南米支配を強化をするものであった。
つまり、20世紀のアメリカの帝国主義段階では、モンロー宣言で明言された「大陸間の相互不干渉」を前提として「、ラテンアメリカの支配強化」するための理論が誕生したと言える。
棍棒外交以降は、ラテンアメリカを米製品の投下先としてラテンアメリカに干渉していく「ドル外交」、さらにアメリカ政治の理念を拡大するために、「民主主義」の定着を図る「宣教師外交」によってラテンアメリカ支配の強化が、次々と着手されていった。
(孤立主義の意義③)
「外交摩擦の敬遠」と「大陸間の相互不干渉」によって、アメリカが得たものは何であろうか。
まずは、国内市場の安定である。
1812年の米英戦争(第二次独立戦争)で、米国市場から英製品を排斥したことに始まり、モンロー宣言以降、大陸間の相互不干渉は、保護関税政策を前提とするアメリカ工業化の要因の一つとも言える。
次いで、国際的な地位の向上だ。独立以降、経済的な基盤が脆弱であったアメリカが選択したのは「非同盟路線」であった。これによって、アメリカとラテンアメリカの権益を守りながら国力の増強に成功し、気が付けば南北アメリカ・カリブ海・太平洋地域にまたがる「アメリカ帝国」を創出したのであった。
【武帝さんの解答】
19世前半に欧州諸国における南米独立運動の干渉を排除し、中南米を市場にするためにモンロー宣言で新大陸と旧大陸の相互不干渉を宣言した。以後、旧大陸に干渉しないのがアメリカの外交方針となった。
外交政策上の意義が、不明瞭。「孤立主義」が最終的に南米支配の正当化するロジックとして転用されていく流れが欲しいところ。
【模範解答】
米国内市場の安定と南米権益の保護のために、モンローが大陸間の相互不干渉の声明をしたことにより始まる。20世紀になると孤立主義は「棍棒外交」による南米支配や、国際連盟の不参加などを正当化する教義となった。(100字)
最新記事はこちらです!!
[ 世界史論述 添削 講座 ] 2021年度 難関国大学世界史論述対策 始動!!!
論述の授業の様子はこちら授業録から
【東京大学】
【一橋大学】
【大阪大学】
授業について(双方向通信サービスZOOMを利用します)
☆対策校一覧☆
大阪大学/京都大学/京都府立大学/千葉大学/筑波大学/東京大学
東京外国語大学/東京学芸大学/名古屋大学/一橋大学
実施日・授業時間
① 5月〜受験直前期まで
② 曜日・時間は応相談
③ 90分の個別講座です。
料金に関して (入会金10,000円 税込 11,000円)
① 受講数は月2回コース・月4回コースのいずれかです。
② 授業の料金は1回あたり11,250円(税込12,375円)です。
③ ただし、月4回コースの方は2割引いたします。
(2回=22500(税込 24,740円) 4回=36000(税込39,600))
③ 12月以降の受講は割引適応外です。ただし入会金は頂戴しません。
授業内容
① 400字論述の添削を基本に授業を行います。1日2題が基本です。1問追加しているのが通例です。
② 授業の中で以下の事項を確認します。
(1)論述解答に据えるべき主題が明確になっているか
(2)主題に沿った歴史的事象を記述しているか
(3)歴史的事実および事実関係の精査
(4)不足している周辺知識の解説
※マンツーマンなので随時質疑応答が可能です。
※授業日の1週間前に論述課題を配布します。通例、授業日の2日前までに解答を提出していただいております。
添削レポートのサンプルは別紙にて(添削例 解説の例)
よくある質問
Q 授業は全何回で完成しますか?
A 個人差があります。志望する大学の合格点に達するまでが受講数の目安です。
その意味で早めの受講をお勧めします。早めの受講であれば、授業でカバーできる範囲が必然的に多くなります。受験直前の受講になってしまうと志望校の過去問に準じた予想問題もしくは志望校の過去問の添削を行うのが限界になってしまいます。
例 4月〜受験直前までの期間の受講 50回程度の講義 古代史〜現代史を詳細にできます。おおよそ100テーマを徹底的に授業できます。
例 10月〜受験直前期までの受講 20回程度の講義 (大学別の傾向を踏まえながら)頻出事項の整理を中心
例 共通テスト〜受験直前期までの受講 8回程度 志望大学の過去問の添削と受験本番におけるアドバイス
Q 論述問題をある程度解ける状態にしたほうがよいでしょうか?
A どのレベルであっても問題ございません。受講生の大半は論述初心者から始まっています。むしろ手遅れになる前に早めのご相談を。
Q 何か用意したほうがいい教材ありますか?
A 世界史詳覧(浜島書店)をお勧めしています。
業の申し込みはこちらから。
LINE公式よりお願いします。
世界史専門塾クロニクルについて
これまで【世界史論述専門ちゃんねる】というブログ媒体で
①世界史論述で「逆転」は可能か。
②合格奪取をする論述力はどう生まれるのか。
③過去、どんなテーマから出題されているのか。
④受験生の解答作成能力の実際はどの程度なのか。
以上のテーマを中心に、
受験世界史に関する情報を発信して参りました。
また、これまでの3年間の活動の中で、
着実に合格実績を積み重ねてきました。
コロナ禍で双方向通信サービスが
全国の学習塾に定着してきましたが、
それ以前より、ZOOM指導での実績を
地道に積み重ねてきてまいりました。
合格体験談はこちら↓↓
東京外国語大学!合格体験談! 国際社会学部 国際社会学科 (イベリア/ラテンアメリカ)
京都府立大学!合格体験記をいただきました!(文学部 欧米言語文化学科)
【過去3年の合格実績】
東京外国語大学 国際社会科学部
京都府立大学 文学部
大阪大学 外国語学部
早稲田大学 政治経済学部
早稲田大学 商学部
早稲田大学 社会科学部
早稲田大学 文学部
早稲田大学 文化構想学部
ほか
授業の申し込みはこちらから。
LINE公式よりお願いします。