コロナ後の消費行動は大きく変わっています。
まず、休業や時短があり大きく売上を減らした道内の百貨店売り上げを見ます。
札幌以外の百貨店は、旭川西武、函館棒二など閉店が続き札幌以外で残っている百貨店は帯広の藤丸さんだけになっています。
ここでご紹介するグラフはすべて12か月移動合計で表示しています。
札幌地区の百貨店売上がコロナで崖を下るようなグラフになっています。
逆に売上を伸ばしたのはスーパーでした。
さらに品目別に分解しますと、百貨店は、「飲食料品」「衣料品」「身の回り品」「その他」すべてのカテゴリーで売り上げが減少しています。
百貨店売り上げから飲食料品だけを取り出したグラフです。
一方スーパーの売り上げの伸びは飲食料品によるものです。他のカテゴリーでは「その他」が微増、「衣料品」「身の回り品」が微減となっています。
コロナの影響が出始めた、2020年2月以降、統計の出ている9月までを見てみます。
年換算の飲食料品売上で、
スーパー +431億円
百貨店 △94億円
差引すると+337億円の飲食料品の消費増、ということになります。
実際に道民の胃に入る量は一定だと思います。この差額はそのまま飲食業の売上減、となったのではないでしょうか。
337億円分の食材を飲食店で調理し原価率25%で提供したとすると仮定すると消失した飲食店売り上げは1,348億円。
GDPだと、1,348億円×75%(労務費30%、粗利益45%とする)で1,011億円分が飛んだ形になります。北海道の名目GDP 19兆4,301億円(2017年度)に比べても決して小さな金額ではありません。
もっともこれは非常に大雑把な計算になります。実際には、
スーパーの飲食料品売上には食材として売られるもののほか、テイクアウト用に加工されたものもあります。
スーパー以外にも通販で購入される食材もあります。
飲食店が通販で売るものもあります。
ドラッグストアなど別業態で売られる飲食料品もあります。
料理を提供する業態を念頭に計算しましたが、いわゆる「接待をともなう飲食店」は料理の提供よりはサービス提供が主になりますのでここで計算した飲食業売上の落ち込みに加算して考えなければなりません。
またこの計算は9月までの集計ですのでこのあと営業短縮/営業自粛が続く12月までの影響はさらに大きいものになります。
統計に表れた部分だけでも重いインパクトがあったことが解ります。
拙著「倒産のリアル」2020年9月、発刊されました。
コンサルタントを始めていままで見てきた再生の現場をなまなましく描きます。
「ビジネス書とも、経済小説の短編集とも取れる内容。普段あまり本を読むことのない自分でも一気に読めた」
「文体や段落、行間やダッシュの使い方がミステリー小説の文体に近くつい引き込まれた」
などのご感想をいただいています。
今まで、事業再生関連の本は、ガイドブック的な造りだったり、解説書風だったり、あまり読んでいて面白くない文体のものが多かったので、そうでないものを、ということで書き下ろしました。
札幌市内ではコーチャンフォーさん、ジュンク堂さん、札幌駅横の紀伊国屋書店さんなどに置いていただいています。
お手に取っていただければ幸いです。
私の脳の闇を読み解ける?
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